
配当がある銘柄は不利益?投資家が知っておきたい配当金のホント
株式投資をはじめるとき、株主優待と同じく気になる言葉に「配当」があります。高配当銘柄はリスクも高いと言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか。また、高配当銘柄に投資するときにはどんな点に注意すべきなのでしょう?
今回は、株式における配当金の注意点と活用方法を解説します。
債券の利息と株式の配当は何が違う?
債券などの「利息」の支払いが義務であるのに対し、株式の「配当」は義務ではありません。配当を払うかどうかは企業が決めることができるのです。
株式は配当をもらえない可能性がある代わり、債券に比べて利回りを高くする商品設計がされています。このように、リスクを取った分だけ利益が大きくなるのが、「リスクプレミアム」という考え方です。
配当金は高ければ高いほど良い?
配当は、投資家に対する収益の割り当てであり、優良銘柄 = 高配当銘柄と考えられがちですが、これは間違い。配当金の原資は企業収益であり、企業収益は事業を成長させるのに欠かせません。極端な高配当銘柄は内部留保が低いことを意味するため、業績改善の余地が乏しく、株価が上がりにくい銘柄であることを示唆します。
また、配当金というのは毎年収益を得る戦略であれば有利に働きますが、配当の支払いごとに課税されるため、投資家にとっては不利な要素にもなります。
配当から投資銘柄を選ぶには配当利回りを調べる
配当狙いの投資では、配当金が大きすぎれば株価上昇の余地が少なく、配当金が小さければ毎年の収益が少なくなるというジレンマが存在します。
どちらを選ぶかは投資戦略によって変わりますが、成長企業・高配当企業のどちらに属するかを調べるには、投資する銘柄や業種の配当利回りと比較することでわかります。
配当利回りを知るには、その期の純利益からどれだけ配当を支払っているかを示す配当性向を参照すれば、配当にどの程度回しているのかを算出することができます。
配当がある銘柄は不利って本当?
配当金は収益効率が悪いため、利益を狙うなら自社株買いなどで株価を押し上げている銘柄に投資するほうが有利という理論もあります。実際、投資の神様とよばれるウォーレン・バフェット氏は、このような形式の投資法人を運営しており、投資家が高収益を上げた事例もあります。
しかし、自社株買いによる含み益増加を安定してできるのは、収益を安定して出し続けられる企業だけであり、自社株買いを活発にしている企業に投資するのは安定して配当を出す企業に投資するよりもハイリスク・ハイリターンと言えます。
配当は、普通の投資家でも大きなリターンを得る有効な手段です。事実、世の中には配当金だけで生活をする投資家も存在しているのです。
まとめ
同じように一定期間ごとに収益がもらえる株式の配当と債券の利息を比べると、資産クラス以外にも配当の方がリスクが高い代わりに利回りが高く、利息の方が安定して収益は入るが利回りは低い、といった違いが見えてきます。
配当が高ければ良い銘柄というわけではなく、どういう目的で株式を保有するかによって評価が変わります。投資の目的を明確にした上で、その目的に合わせた戦略や銘柄選びが大切です。
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