
デフレはなぜ起こる?原因と影響をわかりやすく解説
アベノミクスがはじまってから、日本経済にとってデフレが良くないというニュースやオピニオンを見聞きする機会がが伝えられています。しかし、デフレがどのような状態であり、どう問題なのかを聞かれても説明できる人は多くありません。
今回は、デフレがどのような状態であり、経済にどのような影響を与えるのか、そしてデフレ脱却にはどのような対策があるのかを見てみましょう。
この記事のもくじ
物価が継続的に下がるデフレーション(デフレ)
デフレーション(デフレ)とは、「物」の価値(物価)が継続して値下がりしていて「お金」の価値が値上がりしている状態です。これに対して、物価が下落してお金の価値が値上がりしている状態を、インフレーション(インフレ)と言います。
例えば、一個あたり150円で買えたチョコレートがデフレが進むことで一個130円で買えるようになることがもっとも実感しやすいデフレの具体例です。
なぜデフレになってしまうのか?
デフレの原因はいくつか考えられますが、一つには一定期間不景気が続くことが挙げられます。景気の「気」は「気分」の「気」であり、好況・不況は個人の気分に左右される部分は小さくありません。「景気が悪くなってきた」という雰囲気が強まれば、個人単位では儲かっていても、何となく「景気が悪い」という気分になるものです。
景気悪化を感じる人が多数になれば自然と支出は減り、値段が高い物は徐々に売れなくなってきます。物を販売するお店や会社は値段を下げないと売れなくなり、必然的に物価の下落がはじまるのです。
デメリットだけではないデフレの影響
デフレは経済全体にとって悪影響を及ぼしますが、消費者目線に立てば物価が下がることで商品やサービスを購入しやすくなるという側面もあります。物価が下がることで、「これだけ安いなら買おう」と消費者が考えるようになれば、企業やお店にとっても売り上げ回復や業績拡大のきっかけとなることが期待できます。
経済の収縮を招くデフレ
消費者目線ではメリットの大きいデフレですが、製品やサービスを提供する立場に立つと、デフレは好ましいものではありません。製品やサービスの提供には、毎月決まって出ていく経費(固定費)が発生します。
デフレでは固定費の値下がりは期待できないため、物価の下落は売り上げの落ち込みと利益の減少につながり、利益に占める固定費の負担が重くなることで、固定費圧縮のためのリストラを招くのです。
デフレがデフレを招く「デフレスパイラル」
デフレの初期段階では物価の値下がりの影響の恩恵を受ける消費者ですが、デフレが長期化すると賃金低下の影響を受けて、その値下がりした物価でも負担が大きくなることで買い控えが進み、さらにデフレが進むことをデフレスパイラルと呼びます。
一般に、インフレによる景気拡大よりもデフレによる景気後退のスピードのほうが速く、一度デフレにはまると抜け出すのは簡単なことではありません。
デフレ解消に効果的な経済政策
デフレ解消のための経済政策は数多く提案・導入されていますが、共通しているのは「経済を循環させること」です。例えば、インフラ整備など大掛かりな公共工事は世の中にお金が流通させることにつながり、世帯ごとに給付金や商品券を交付することは消費促進が期待できます。
根本的なデフレ解消には金融緩和が効果的とされていて、アベノミクスの一環として進められている量的・質的金融緩和(異次元の金融緩和)は、この原則に従ったものと言えます。
金融緩和は国家規模の政策導入となるので、市場のトレンドを大きく動かす要因ともなります。株式投資で大きな利益を出すためには、トレンドを見極めることが欠かせないといえるでしょう。
まとめ
消費者目線ではメリットが大きいように見えるものの、長期的には経済の縮小による賃下げやリストラといったリスクが大きくなるのがデフレの恐ろしいところです。
デフレ脱却には国による政策が大きな役割を果たすので、投資家目線ではその政策の転換を捉えて株式投資をすることで、より大きなリターンを期待することができます。
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