
暗号資産をはじめるなら知っておきたい「カウンターパーティリスク」とは?
個人投資家にあまり耳なじみのない言葉の一つに、取引相手からの支払がされないリスクを指す「カウンターパーティーリスク」という言葉があります。
個人投資家レベルであれば直接関係はないカウンターパーティーリスクですが、しかし、特殊な投資をしているときには、このリスクは無視できません。今回は、カウンターパーティーリスクがどのようなものかを見てみましょう。
この記事のもくじ
取引が完結しない「カウンターパーティーリスク」
カウンターパーティーリスクとは、デリバティブ取引などで、取引の相手方が破綻するなどして、契約上の支払が履行されないなどの取引が完結しないリスクです。
カウンターパーティーリスクは信用リスクと混同されがちですが、信用リスクは「債務者が債権を履行できなくなるリスク」であるのに対して、カウンターパーティーリスクは債権が履行できなくなることで「取引が完結しない」リスクを指します。カウンターパーティーリスクは、信用リスクの一つと考えることができるでしょう。
リスクが顕在化しやすい取引の特徴
カウンターパーティーリスクは、取引相手によって発生するかのリスクが大きく変わります。取引所を介する「取引所取引」では、確実に取引を成立させられるように、取引所がしっかりとルールを定めているので、トラブルが起きることはほとんどありません。
これに対して取引所を介さない「相対取引」は、取引相手が支払いなどを履行できなければ、評価益が出ていても投資資金を回収できずに損失が発生するリスクがあります。
暗号資産取引では取引所取引にもリスクがある
最近注目を集めているビットコインなどの暗号資産の取引では、取引所取引でもカウンターパーティーリスクは無視できません。現時点では暗号資産は正式な通貨や有価証券とは認められておらず、金融商品に関する様々な法律は適用されないので、確実に取引が履行されるようにするための規制がありません。
また、取引所の運営会社が破綻したときの保護制度の整備も道半ばであることも無視できないリスクといえます。
取引相手などの信用力をしっかり見極める
カウンターパーティーリスクを避けるためには、取引相手が確実に取引を履行することができるかが重要です。つまり、取引相手が破綻したり、一時的に支払いができなくなったりする可能性がないかを見極めなければなりません。
取引相手が充分な資産を保有しているかどうかなどを、事前に調べるようにしましょう。取引相手が企業であれば、信用情報や決算資料といった資料も確認することで、信用力があるかどうかを判断することができます。
取引期間が長くなるほどリスクは高くなる
取引相手が破綻するなどしてしまう可能性は、取引期間が長くなればなるほど高まります。取引を始める段階では健全な優良企業であったとしても、永遠に優良企業であり続けると保証することはできません。
取引開始時点では見えなかったリスクが数年後に顕在化している場合もあるため、定期的に取引相手の状況を確認して、リスクが高まっていないかどうかをチェックしておくようにしましょう。
リスク分散で資産保全を心がける
投資資金を集中投資していると、取引相手の破綻確率が低くても、実際に破綻してしまえばすべてを失ってしまいます。しかし、投資資金を分散していれば、取引相手の一つが破綻しても失う投資資金はその取引相手との分だけに抑えることができます。
投資の大原則ともいえるリスク分散を徹底することは、同時にカウンターパーティーリスクの低減につながるのです。
まとめ
株式投資だけでは意識する機会が少ないカウンターパーティーリスクですが、株式投資以外に目を向けるとそのリスクに備える必要が出てきます。
近年、投資の初心者でもできる金融商品が増えています。しかし、カウンターパーティーリスクがあると理解しきれていないせいで損失を被ってしまわないようにする必要もあるでしょう。
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