
損失が見えているのにやめられない?「コンコルド効果」の恐ろしさ
日常生活の中で誰もがおちいる危険があるサンクコスト(コンコルド効果)は、株式投資でも大きな損失を招く原因になることがあるため、適切に対処することが欠かせません。
今回は、コンコルド効果と投資に活かす方法についてお話ししましょう。
この記事のもくじ
コンコルド効果の由来は?
コンコルド効果とは、「埋没費用効果 (サンクコスト効果)」の別名であり、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっていても、それまでの投資を惜しんで投資がやめられない状態です。
世界初の民間超音速旅客機として開発されたコンコルドを典型例であることから、コンコルド効果として知られています。
投資した資金が無駄になる現実を直視できない
コンコルド効果は企業経営や株式投資でも同様のことが起こりえます。「ここまでがんばったんだから」「これだけ投資したんだから」といった心理が働くと、コンコルド効果に陥ってしまうことを理解しておきましょう。
投資家が陥りやすいコンコルド効果
では、株式投資をしているときに陥りやすいコンコルド効果の例を紹介しましょう。一つ目は投資家なら一度は経験したことがある「塩漬け」です。
この場合、1,000円が900円に目減りしたという事実を直視できず、1,000円で株式を購入した資金が無駄にしたくないという心理が働いています。「数か月という時間」も投資し続けてきたのに損失が発生するという現実から目を背けてしまっているのです。
シナリオを正当化をせずに理由を考える
投資している銘柄が値下がりして含み損が発生したり塩漬けしているときには、「株価が上昇するはずだ」と購入当初のシナリオが外れてしまったことを客観的にとらえて、どうして下落したのかを冷静に考えることです。明確な理由があっての株価の下落であり、回復する見込みが薄いのであれば、できるだけ早く損切りをして新しい投資先に資金を投じるのが賢明でしょう。
企業の陥るコンコルド効果の例
もう一つの例として、投資対象の企業がコンコルド効果に陥ることがあります。ある企業の決算が振るわなかったときに、その理由として「利益が上がらなかったが、現在開発中の新製品が発表できれば、一気に状況は好転する」、不振事業は「これは創業当時からの事業で、全社を挙げて利益が出る体質に変えていく」というような発表がされたときには、コンコルド効果にありがちなパターンといえます。
悪材料が一転して好材料になることもある
企業側がコンコルド効果に陥っているかどうかを見極めることができれば、投資すべき企業かどうかを判断する材料の一つにできます。
期間が長くなればなるほど新製品のコストはかさむため、仮に新製品を発表できたとしても、新製品が生み出す利益も少なくなるはずです。また、不採算事業を切り離すことができなければ、業績の足を引っ張ることにもつながります。理由なく不採算事業を抱え続けているなら、株価が停滞する要因となるかもしれません。
まとめ
自分の投資判断からコンコルド効果を除去したり、コンコルド効果に陥っている企業を除外できれば、投資成績の大幅な改善が可能性できます。
株価は数字ですが、それを後ろで動かしているのは「ヒト」です。だからこそ、ヒトの心理を知り、それを投資に活かすことも必要なのです。
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