
裁定取引(アービトラージ)とは?知っておきたい株式取引の用語
株式取引では特殊な取引方法は数多くありますが、その一つに「裁定取引(アービトラージ)」があります。個人投資家の取引でも活用できるアービトラージですが、通常の取引と比べるとリスクが大きい取引方法でもあります。
アービトラージでは、どのような取引であり、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。今回は、アービトラージの仕組みやメリット・デメリット、そしてアービトラージを利用するときの注意点を見てみましょう。
この記事のもくじ
売りと買いの価格差で利益を狙うアービトラージ
同じような動きをする銘柄でも、全期間でまったく同じ値動きをすることはなく、必ず動きが乖離する場面が出てきます。このとき上昇傾向にある銘柄を「売り」、下落傾向にある銘柄を「買う」ことで利益を狙うのがアービトラージです。
自分の取引にアービトラージを取り入れれば、値上がり・値下がりのどちらに動いても損失を軽減しながら利益を狙うことができます。
対象銘柄は市販の専用ソフトで探す
値動きが似ている2つの銘柄を探すのは非常に難しく、アービトラージの対象となる銘柄は専用ソフトを使って探すことが多いようです。専用ソフトを利用すると、自分でも思いつかなかった銘柄を探すことができるのは大きな利点でしょう。また、専用ソフトでは反対売買のタイミングも教えてくれます。
アービトラージの専用ソフトは非常に便利ですが、金銭面での負担は安いものではありません。ソフトを導入する費用に見合ったリターンを得られるかを考えてから導入してください。
アービトラージを利用するメリット
信用取引はしてみたいけれど、株価チェックの時間がないという人には、アービトラージは最適な取引方法でしょう。
通常の信用取引では、タイミングを外すと大きな損失を出す恐れがあるので、反対売買のタイミングを計るために株価のチェックは欠かせません。アービトラージは2銘柄の差が縮小したところで反対売買をするので、こまめな株価チェックは必要なくなります。また、前述したようにアービトラージを補助する専用ソフトもあるので、取引にかかる手間を省くこともできます。
アービトラージのデメリット
アービトラージはメリットだらけのようにも思えますが、売り建てから入る信用取引も活用する取引なので、値動きによっては損失が出る値段で決済されるロスカットのリスクもあります。
また、専用ソフトの導入にはかなりの費用がかかり、導入費用に見合うだけの利益を得られるかもデメリットと言えるでしょう。専用ソフトではどのようなことができるのか、しっかりと比較・検討してから購入することが欠かせません。
アービトラージの主体は機関投資家
アービトラージの主体となるのは個人投資家ではなく、銀行や証券会社といった機関投資家です。取引金額が大きくなることから株式市場にも大きな影響を与えるので、機関投資家のアービトラージの動向は個人投資家の注目を集める要素の一つでもあります。
機関投資家のアービトラージの特徴
個人投資家の信用取引は個別銘柄を対象とすることが多いのに対して、機関投資家は日経平均株価と日経平均先物を対象とすることが少なくありません。機関投資家の売買動向は、個別銘柄よりも日経平均株価への影響が大きくなります。
つまり、日経平均株価だけでなく日経平均先物の推移もすることで、今後の株価全体の動きを予測しやすくなると考えられます。
まとめ
アービトラージは個人投資家でも利用できるようになりましたが、やはり取引の中心となるのは機関投資家であり、その動向は株式市場全体に多大な影響を与えます。
機関投資家がどのようなアービトラージのポジションを取っているのかを確認することは、取引を続けるうえで重要なポイントの一つとなりそうです。
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