
説明できない相場の値動きに理由をつける「アノマリー」
効率のよい投資には、過去の株価や企業業績などのデータに基づいて科学的に分析する市場分析が欠かせません。しかし、経験則から相場の動向を言い当てる「アノマリー」もときとして無視できません。
今回は、法則や理論では説明できないアノマリーについて、その内容や働きかけを見てみましょう。
この記事のもくじ
株式市場におけるアノマリーとは
アノマリーとは、ある法則や理論から見た時、論理的に説明や解明できない事象のことを意味します。株式市場では、明確な根拠は説明できないけれどなぜかそのように相場が動く傾向・経験則、株式投資の理論では説明できない、規則的な株価の推移のことを指します。
市場における株価の動きは多くの場面で「人間の心理」が影響することがありますから、単純に数値化した根拠だけでは説明できないことがあるのも無理のないことといえます。
株価指数もアノマリーの影響を受ける
日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等の株価指数は株式市場全体のベンチマーク(指標)として知られていますが、これらの株価指数も、アノマリーに影響を受けていると言われています。
これは、投資家がアノマリーを信じて投資することで資金の流れがアノマリーを実現する方向に動くことが原因と考えられています。これにより株式の売買の流れや動きに一定の法則が生まれ、それが毎年働くことでアノマリーとして成立するのです。
時期を反映したアノマリー
株式市場におけるアノマリー現象の一つに、時期に主軸を置いた考え方があります。具体例として、「1月に株価が上がる」アノマリーを見てみましょう。
1月というのは新年最初の月であり、各企業にとってはその1年の株価の流れを予想するものになります。1月の相場が順調ならばその1年間の相場にも安心材料が出できます。
また、4月も統計上株価が高い時期と言われています。多くの企業が3月決算・4月新年度を採用している関係から、新年度相場として新規の資金が市場に流れ込み、結果として株価が高止まりするのです。
夏季のアノマリーは株式取引の低迷を表す
7月から8月にかけての株式市場は、多くの企業が夏季休暇やお盆休みに入るので必然的に株式市場も閑散期に入り、株式取引の出来高自体が縮小するためやや低迷気味と言われます。
また、外国人の夏季休暇は日本と比べても格段に長く、外国人投資家が主役のなった日本の株式市場も大きく影響されるのです。
アメリカ大統領選挙のアノマリー
世界の政治・経済に大きな影響を与えるアメリカは、大統領の権限が非常に強い国のため、大統領の決定は世界の政治・経済にも大きく影響する重要な要素と言えます。そのため、アメリカ大統領選挙は株価にも大きく影響します。
大統領選挙の有無は株価に影響する
選挙前は再選を目指す現職大統領が次々と景気対策を導入することで、株価が上昇しやすくなります。選挙の年にもその上昇傾向は変わらず、結果として経済の活性化の傾向があるようです。
まとめ
株式市場におけるアノマリーは、何となくイメージできるものの、学術的・理論的には説明がつかないものばかりです。うまく説明できない事象であっても多くの人がこの流れに従って同じ動きをすれば、それ自体がある種の経験則や法則として成立することになります。
アノマリーは投資の重要な判断材料として、今後も注目を集めることでしょう。
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