
資金が少なくても始められる「るいとう」をネット証券で実現するには
東京証券取引所(東証)上場の株式の取引は基本的に100株を一塊として扱う単元株取引にかぎられます。しかし、優良企業への投資を考えると数十万円から数百万円とまとまった資金が必要になります。そこで活躍するのが毎月決まった金額を購入する株式累積投資(るいとう)です。
少額からでも個別株投資ができるるいとうには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。今回は、るいとうの仕組みとメリット・デメリット、るいとうを提供している証券会社を見てみましょう。
この記事のもくじ
株式累積投資(るいとう)とは?
るいとうとは、特定の銘柄を毎月一定額ずつ積み立て購入する投資方法です。るいとうでは、複数の投資家からの注文を証券会社がまとめて買い付けることで、少額での購入を実現しています。
毎月の買い付け金額はおおむね1万円から設定できるので、値がさ株のように一単元の価格が高い銘柄にも投資しやすくなります。
るいとうで購入した株の配当金や株主優待はどうなる?
るいとうで購入した株式は証券会社が共同買い付けをしているため、証券会社が株主の名義人であり、配当金や株主優待、議決権などの株主としての権利は証券会社に属します。ただし、資金を出しているのはるいとうをしている投資家なので、投資金額に応じて配当金を受け取ることができ、株主優待は、換金した分が投資家に分配されます。
なお、るいとうでの購入分が単元に達すると名義が証券会社から投資家に書き換えられ、自身の証券口座に入れられます。単元株になれば、通常の買い付けと同様に株主の権利を行使することができます。
るいとうなら時間分散投資が自然にできる
株式投資ではできるだけ安いときに購入したいところですが、「いつ買えば一番安く買えるのか」は誰にもわかりません。そのため、複数回に分割して購入することで平均購入単価を引き下げる時間分散投資が必要と言われています。るいとうは毎月一定額を投資するため、自然と時間分散投資ができる投資方法なのです。
るいとうではドルコスト平均法も活用する
るいとうでの買い付けは毎月の購入金額が一定額であることから、時間分散と合わせてドルコスト平均法による買い付けを実現できます。
ドルコスト平均法での買い付けは株価が高いときの注文では少量の購入になり、株価が低いときには多くの株式を購入することができるため、買い付け期間が長くなるほどリスクの引き下げが期待できます。仮に、株価が想定外に下落しても、比較的少ない損失に抑えることができるでしょう。
るいとうのデメリットはどこにある?
少額から個別株投資ができるるいとうは魅力的ですが、最近人気のネット証券での取り扱いは限られていて、対面証券での提供が主流であるのは無視できないデメリットです。
また、単元株取引と比べて手数料面で不利になるのも無視できないデメリットの一つです。
毎月の積立額が少ないと、手数料負担が非常に大きくなり、平均購入単価を下げてもその分を打ち消してしまいます。るいとうで買付をする前に、どれくらいの取引コストがかかるのかを確認しておきましょう。
ネット証券ではるいとうに似たサービスを提供している
ネット証券ではるいとうを活用することができませんが、るいとうに似たサービスを提供しているネット証券はいくつかあります。
SBI証券では「S株」、カブドットコム証券では「プチ株」という名称で、単元未満で株式を購入できるサービスを提供しており、少額での株式投資に対応しています。
るいとうではないため毎月決まった金額分の積み立て購入には対応していませんが、自分で平均購入単価を下げることで、るいとうと似た買い付けを実現できます。
まとめ
るいとうは平均購入単価を下げながら投資できる可能性がある投資方法です。るいとうが利用できないネット証券でも、手間をかければるいとうに近い投資をすることも可能です。
コストをかけてでも手間を省きたいならるいとうも検討に値しますが、その仕組みを理解して、低コストでるいとうに似た投資をネット証券で行うのもひとつの方法。自身の投資スタイルや投資にかけられる時間と相談しながら、どちらの方法がいいかを考えてみましょう。
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