
死んだらどうなる?知っておきたい「株式相続」の手続き
大きな金額を株式投資している人にとって気になるのが、「自分に万が一のことがあったときに投資している株式がどうなるか」ではないでしょうか。
他の資産と同様に、配偶者や子どもに渡すことになるのか、相続するとしたら税金はどうなるのかなど、気になる点や疑問点は少なくありません。今回は、株主が亡くなったときに保有している株式の取り扱いを見てみましょう。
この記事のもくじ
株主が亡くなると株式は相続される
株主が亡くなると、保有していた株式は相続人が相続するのが基本です。このとき、相続人は亡くなった人が株式を預けていた金融機関に連絡をした上で書類などの手続きをする必要があります。
- 被相続人(亡くなった人)作成の遺言書
- 相続人作成の遺産分割協議書
- 裁判所作成の遺産調停調書
手続きにはいずれかの書類があれば十分。金融機関に連絡をした後、書類の記載内容に沿って相続の手続きに入ります。このほか、亡くなった人の死亡確認ができる戸籍謄本や相続人の印鑑証明書類、相続先の金融機関の指定書類の提出が求められます。
遺言書や遺産分割協議書がなくても手続きはできる
株式の相続は遺言書などが準備されていればスムーズに進みますが、事前準備が済んでいなくても手続きを進めることはできます。
遺言書や遺産分割協議書がある時と比べて、提出書類は複雑になりますが、手続きができないわけではありません。遺言を残していなかったという場合でも、金融機関に相談して指示を仰いでください。
相続する株式の評価額は課税時期か時価
相続があると金額によっては相続税が発生することがあります。当然ですが株式も相続される財産に当たるため、どのくらいの評価額であるかの把握は必要です。では、株式の評価額はどうやって算出すればいいのでしょうか。
国税庁の「上場株式の評価」によれば、その株式が上場・取引されている金融商品取引所における課税時期(被相続人の死亡の日)の最終価格により評価されます。課税時期に取引がなく価格がつかないときは、その直前と直後のいずれか最も近い日の最終価格が適用されるので注意が必要です。
上場株式の評価額はどう使う?
また、「課税時期の最終価格」が「課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額」「課税時期の月の前月の毎日の最終価格の評価額」「課税時期の月の毎日の最終価格の平均額」のうち、最も低い価格を超えるのならばその最も低い価格により評価されます。
上場株式の評価額が明らかになれば所轄税務署に提出しますが、このときに「上場株式の評価明細書」という書類が必要になります。
相続した株式の取り扱いの注意点
株式相続では金融機関に連絡が必要なことはすでに述べましたが、被相続人が取引をしていた金融機関で相続人名義の口座が開設されていないときは、その金融機関で改めて口座開設の必要があります。
なお、相続が決まった時点で株式を売却し、現金化したいと思っていても売却することはできません。相続手続きが完了して、相続人の口座に株式が完全に移管されてからの売却になります。
信用取引の扱いはどうなる?
ここまでの手続きは全て現物株式の手続きであり、信用取引ではまた別の手続きが必要です。
信用取引では未決済の建玉が残ったままの相続がほとんどであり、相続手続き完了前でも反対売買を可能としていることがほとんどです。信用取引はハイリスク・ハイリターンな取引なので、金融機関と相談して早急に手放すのが賢明です。
まとめ
相続の手続きは非常に複雑で分かりにくいものですが、ほとんどの金融機関では専用窓口で個別に対応していて、不明点があれば税理士や税務署にも相談を受けてもらえます。
しかし、事前に勉強しておけば、万が一の時でも慌てずに対応できます。この機会に自分が保有している株式だけではなく、相続できる株式やその手続きも調べておくことをおすすめします。
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