
株式投資にも影響大?「アンカリング効果」に気をつけろ!
経済学の数理モデルに心理学的要素を取りこむ「行動経済学」の一つに「アンカリング効果」があります。マーケティングなどの日常生活と関わりの深い場面で使われることが多いアンカリング効果ですが、実は株式投資と切っても切れない関係があることはあまり知られていません。
今回は、株式投資とアンカリング効果の関連性について見てみましょう。
この記事のもくじ
行動を誘引する「アンカリング効果」
アンカリング効果とは、先に得た数字や情報がイカリ(アンカー)の役割を果たし、その後の判断や行動に影響が及ぶという現象です。
例えば、まったく同じ商品でも「25%割引」表記のものと「398円の商品が298円!」と書かれているものでは、金額が書かれているものが選ばれやすいという調査結果が出ています。このケースでは、金額がアンカーとしての役割を発揮していることがうかがえます。
アンカリング効果はさまざまな場面に現れる
アンカリング効果は生活のあらゆる面で応用ができます。例えば、プロスポーツ選手が試合前に決まった曲を聞くルーチンを取り入れている例があります。これは、決まった曲をアンカーとすることで、一定のパフォーマンスを発揮することを狙うものです。また、自宅よりも図書館やカフェのほうが試験勉強に集中できるのは、特定の場所だとやる気が出るというアンカーを作っているのです。
このように、アンカリング効果は意識しないところで私たちの生活にも深く根付いているのです。
アンカリング効果と投資の関係
株式投資でも、アンカリング効果は無視できない影響があります。例えば、特定の銘柄の値動きについて具体的な数字を出されると、業績回復や成長期待と書かれるよりも魅力的に映りがちです。
このように具体的な数字を出すアンカリング効果は投資行動を左右して投資結果に影響することもあるので、注目しておいてください。
過去の成績やセールストークはリターンを保証しない
アンカリング効果を活用した広告やセールストークは魅力的な銘柄に出会うきっかけにもなりますが、その成果や数字は一定期間の成績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
銘柄選びでは、広告やセールストークだけではなく、株式市場の状況や企業業績、今後の見通しも含めた幅広い視点から検討するようにしましょう。
投資信託選びにもアンカリング効果が働く
銀行や証券会社の投資信託の対面販売では、「特定の層に人気」や「今日の申し込み件数」、「人気ランキング○位」といったセールストークは常套手段です。これもアンカリング効果を応用した勧誘手段であり、つられて申し込む人は少なくありません。
一部の人気投資信託は、セールストークから生まれたということも忘れてはならないでしょう。
投資信託の大まかな内容を把握しておく
人気のテーマに関連する銘柄に投資する投資信託では、その特性からどうしてもイメージ先行の販売戦略が取られがちです。新しい投資信託を買うときには、対象とするテーマやどんな銘柄に投資しているのかといった内容の精査が欠かせません。
投資信託を買うときには、大まかでも組み入れ銘柄や比率、買い付け時点での取引価格くらいは把握しておきたいところです。
まとめ
アンカリング効果はさまざまな場面で活用されていますが、受け取り側が注意しないとイメージや目先の値動きにとらわれるリスクがあります。
自分の資産を投資する以上、投資する商品について大まかにでも知っておくことは、リスク管理の点からも欠かせないと言えるでしょう。
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