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鉄鋼株の代表的な銘柄と特徴

鉄鋼株の代表的な銘柄と特徴

株の知識レベル:★★★☆☆

個人投資家に人気の高い鉄鋼株。一口に鉄鋼株と言ってもさまざまな種類があることも特徴です。株価の値動きにも特徴があります。また、日本の主力産業との関わりも密接で、それらの銘柄の業績に値動きが左右されるケースもあります。その他の素材に比べ比較的安価で、世界的な需要も大きい鉄鋼業界。世界経済のファンダメンタルズに業績が左右されるケースも散見されます。ここからは、鉄鋼株の代表的な銘柄と、その特徴について確認して行きたいと思います。

世界鉄鋼業界の雄、新日鉄住金

日本には世界を代表する鉄鋼会社が存在しますが、その代表格が新日鉄住金(5401)です。粗鋼生産世界2位で、高級鋼板に強みを持つ企業です。特に、自動車向けの高級鋼板に力を入れており、2015年以降は米国で最高級鋼板の生産を進めています。売上高は4兆円規模。時価総額も優に2兆円を超え、名実共に世界を代表するリーディングカンパニーです。近年は主力の鋼板の軽量化にも取り組んでおり、環境規制対策にも着手。主要取引先である自動車産業への対策も抜かりありません。この他にも製鉄プラントや環境ソリューションにも強みを持つ、日本が誇る大企業です。

日本の主力産業と言っても過言ではない鉄鋼産業

鉄鋼は日本の主力産業と言っても過言ではありません。新日鉄住金の他にも、名だたる企業が上場しています。代表的なところで言うと、ジェイ・エフ・イーホールディングス(5411)がそれに当たります。こちらも世界を代表する企業で、粗鋼生産のシェアは世界9位です。韓国や中国に、多く提携先を持つことも強みでしょう。また、電炉に強い東京製鉄(5423)、高炉に強い日新製鋼(5413)など、一口に鉄鋼と言っても、企業によって異なる分野で強みを持つ企業が数多く存在しています。

鉄は鉄でも種類は豊富!高炉と電炉の違いを知ることが重要

鉄と言ってもその種類はさまざま。企業ごとに強みを持つ分野は異なります。鉄鋼株投資においては、その違い知ることが最も重要と言えるのです。中でも、高炉と電炉の違いを知ることが非常に重要です。まずは高炉から確認して行きましょう。高炉では、鉄鉱石が原料となり、高級鋼板を作ります。その規模は非常に大きく、自動車産業へ卸す素材がメインになります。一方で、電炉の原料は鉄スクラップ。電気溶解で不純物除去能力が低いので、高級鋼板は作れません。主要取引先も高炉メーカーとは異なり、建築・土木、産業機械や造船メーカーがメイン。高炉・電炉ともに鉄は鉄でも、まるっきり異なる性質を有しているのです。

高炉は大規模事業。電炉は高炉に比べ小規模

高炉はいわば大規模事業。高炉工場を作るには、広大な敷地を必要とします。その規模は東京ドーム200個分以上とも言われます。また、高炉工場の建設費も巨額となり、最低でも5,000億円以上の投資が必要とされています。電炉と違い、フレキシブルな操業調整も利かず、一度操業すると、業績に関係なく、最低でも15年は操業を継続する必要があります。一方で、電炉は比較的規模も小さく、操業コストも高炉ほどかかりません。このように、操業コストや初期コストも高炉と電炉で大きく変わってくるのです。

高炉メーカーは自動車業界の業績に一喜一憂

高炉メーカーは自動車業界の業績に一喜一憂

ここからは、株価の値動きの特徴について確認して行きましょう。結論から言うと、新日鉄住金やジェイ・エフ・イーホールディングスなどの高炉メーカーは、自動車産業の影響を受けやすい傾向にあります。理由は上述した通りです。製造された鋼板が自動車業界に卸されるからです。また、新興国の鉄鋼需要にも業績が左右されます。近年の鉄鋼需要の動向としては、中国の鋼材需要が減少傾向にあると言えます。一方で、インドや東南アジアの鉄鋼需要が大きく、いかにこれらの新興市場で需要の創出ができるかが今後の株価上昇の鍵を握るでしょう。

電炉メーカーは建設ラッシュや造船ラッシュに期待

上述したように、電炉メーカーの主な取引先は建築関係や造船メーカーです。これらの業界が潤えば、電炉メーカーの株価も連れ高する傾向にあります。結論から言うと、資源価格が上昇し始めると、電炉メーカーも遅れて買われ始める傾向にあります。理由は、資源価格が上がれば造船需要が活発化するからです。鉄鉱石等の資源を運ぶ手段は船です。資源を輸送する船のことをばら積み線と言います。乾貨物を運ぶことからドライバルカーとも呼ばれます。資源の輸送需要が増えることで、造船の需要も大きくなります。よって、電炉メーカーに製鉄依頼が舞い込んでくる訳です。こちらも特徴のひとつとして覚えておきましょう。

まとめ

日本を代表する企業が多い鉄鋼業界。一言に鉄鋼と言ってもさまざまな違いがあることがわかったことと思います。特に、高炉と電炉の違いは理解必須です。高炉メーカーと電炉メーカーが異なる値動きを見せることも、決して珍しくありません。それぞれの違い、株価変動の特徴を理解した上で、鉄鋼株投資を行うことが重要と言えるのです。

札幌で働く元証券マンのファイナンシャルプランナー。専門分野は株や投資信託を用いた中長期での資産形成。
趣味はスポーツ全般で小、中、高と野球部に所属。また、米国への留学経験があり、海外スタートアップ事情にも精通。
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