
信用取引で知っておきたい用語:信用倍率
信用取引をするときに、投資銘柄の決定方法にはなどさまざまな決め方がありますが、特に注目したいのが実際に決めるに忘れてはいけないのが信用倍率です。
信用倍率を判断材料にすることで、投資判断が断然有利になります。今回は、信用取引の結果も左右する信用倍率がどのようなものかを見てみましょう。
この記事のもくじ
信用倍率とはどういうものなのか?
信用倍率とは、ある銘柄の信用取引の信用売り・信用買いの残高の均衡を倍率で表したものです。信用倍率は、次の式で求めることができます。
信用買い株残数÷信用売り株残数=信用倍率
信用倍率はどこで確認できる?
信用買い株残数・信用売り株残数は取引状況に応じてリアルタイムに変動するので、それに合わせて信用倍率も変動します。
信用倍率は証券会社の取引口座やニュースサイトの投資情報コーナー、各証券取引所で確認できます。中には信用倍率をランキング形式で表示しているところもありますので、投資対象を決めるときの参考に利用してもよいでしょう。
信用倍率は投資にどう生かす?
信用倍率は投資家の心理を表しており、今後の株価動向も示唆します。相場が上がると予想する人は信用買いから入るので、信用買い株残数が多くなります。信用買い株残数100:信用売り株残数50を例に見てみましょう。
この場合は買い残数が多いので、株価が上がると考えている人が多いことを示唆しています。このときの信用倍率を見ると100株÷50株=2倍と1倍よりも大きくなるので、相場の動向は上昇傾向にあることが予想できます。
信用売り株残数が多いとどうなる?
では、反対に信用売り株残数が多いのはどのような時でしょうか?今後、株価が下がりそうだと考える人が信用売りをするので、信用売り株数が増えるということは、それだけ株価が下がると思っている人が多い証拠なのです。
例えば、信用売り株残数100:信用買い株残数50の場合ですが、売りの残数が多いので、株価が下がると考えている人が多いということになります。この時の信用倍率は、50株÷100株=0.5倍と、信用倍率が1倍よりも小さくなるので、株価が下落傾向にあることが読み取れます。
信用倍率だけで需給判断をするのはNG
信用倍率の大小は将来の株数の需給までは予測しないので、信用倍率の大小だけで将来の動向を判断することは大きなリスクとなります。
制度信用取引では、6か月以内の決済取引が必要な反対売買が欠かせません。信用買い株残数が多いと6か月以内に売られる株数が多くなり、信用売り株残数が多いと6か月以内に買い戻される株数が多いということでもあるのです。
信用倍率と共に確認するべきポイント
信用倍率を見ると他の投資家がどのような銘柄に信用買い・売り注文を入れているか分かりますが、必ず必要になる反対売買は期限の6か月以内のどのタイミングになるかは分かりません。
また、株価は信用取引の売買残高だけではなく、企業業績や動向、国の政策、災害の発生などにも影響されるので、信用残高はあくまでも投資判断の1つに過ぎない点には注意が必要です。
まとめ
信用倍率は、信用取引の投資判断に欠かせない指標です。他の投資家がどのような銘柄を好み、どう投資するのかがよく分かります。今後市場がどのように変化していくかを見る参考となります。
また、信用倍率は信用取引だけでなく、現物取引の時も利用することができます。業績が良く、株価が上がりそうなのに全く上昇しない時は、信用倍率をチェックすることで、株価が変わらない理由が見えてくるかもしれません。
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