
年末年始に株価が上がるのはなぜ?年末に投資したい銘柄とは
明確な根拠がないのに特定の時期や条件をきっかけに、ある銘柄が値上がりすることをアノマリーと呼びます。
マーケットと上手に付き合うには、さまざまなアノマリーを知ることが欠かせません。今回は、アノマリーの背景やアノマリーによって年末の株価変動の傾向がどうなるかを見てみましょう。
この記事のもくじ
年末に株価が上昇する「掉尾の一振」
年末の代表的なアノマリーである掉尾の一振(とうびのいっしん)は、株価が勢いよく上昇する様を表しています。年始に株価が上昇するご祝儀相場も重なるので、クリスマスから年末にかけての値上がりは非常に信頼感があります。
直近のデータを見ると2008年から2013年までは6連騰していて、この間の日経平均はすべて11月末の株価をアウトパフォームしています。2014年は小幅に11月末時点の株価を下回ったものの、その後はおおむねアノマリーに沿った動きをしています。
2009年と2012年は10%を超える大幅上昇
年末の株価をもう少し詳しく見ると、特に2009年と2012年は10%を超える大幅な株価上昇を記録しています。11月末時点からの上昇率を確認してみると、それぞれ12.8%と10.0%です。2005年以降の過去の上昇率の平均値を計算しても、単月で4%を超える高パフォーマンスを記録しています。
このように、掉尾の一振は5月に売り抜けろ(セル・イン・メイ)や節分天井・彼岸底と並んで、信頼度の高いアノマリーと言えます。
年末年始の株価が上昇する理由
掉尾の一振が起こる背景には、機関投資家を中心とする、ドレッシング買いが影響しているとされます。
これらの運用主体は、期末要因や保有資産額の時価評価額を向上させる思惑や株式の評価額をつり上げるという側面も持っているのです。
ご祝儀相場の期待感が買いを後押し
年明け最初の取引(大発会)では、年明けのめでたさなどから幅広い銘柄に買いが入る「ご祝儀相場」で株価が上昇しやすい傾向にあります。これも掉尾の一振と同様のアノマリーと言えます。
年末は新年度相場入りへの準備期間であり、ご祝儀相場に合わせて買い注文が集中することで、掉尾の一振として株価が上昇しやすい傾向があるのです。
年末に投資したい銘柄は?
具体的にどのような銘柄に投資をすると年末にチャンスがあるのでしょう。米国の新興市場のNASDAQ(ナスダック)上場のIT企業の代表格であるGAFAはその代表格。時価総額が50兆円を超えた現在でも成長企業であり、今後も高成長が期待できる銘柄の一つです。
アメリカの年末商戦は11月末のブラックフライデーを皮切りにクリスマス前後まで続き、追い上げが激しい中国も世界最大の売り上げを誇る旧正月など、個人向け通販市場が急拡大しているため、今後も充分なチャンスがあります。
クレジットカード会社にも要注目
ネット通販の決済手段は主としてクレジットカードであり、クレジットカード会社はネット通販の普及とあわせた成長が期待できる業種です。
カード決済で高いシェアを占めているクレジットカード会社のアメリカン・エキスプレス(アメックス)やVISAは、配当利回りも1.5%程度あるので、長期保有に適した銘柄と言えます。
まとめ
アノマリーは値動きの要因に少なからず当てはまっていることがあり、アノマリーだからといって頭から無視できるものではありません。
掉尾の一振りを含めて、なぜ株価がアノマリーにしたがうように動くのか、その理由を探りながらするのも投資のだいご味と言えるでしょう。
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