
無職でも株取引はできる?口座開設時のポイント
株式投資は、無職の人でも可能です。実際に、無職で株式投資をしている人もたくさんいます。ただ、無職では、口座開設をするとき必要書類が準備できないことがあったり、取引の仕方や成果次第では所得税と住民税の負担が増えてしまったりすることもあります。
資産を増やすための投資で損をしてしまわないよう、無職の人が口座を開設するときに注意しておきたいポイントをお話しします。
この記事のもくじ
無職でも証券口座の開設はできる
無職の人でも、証券口座を開設して株式投資を始めることができます。年金生活者や専業主婦・専業主夫の人たちも、無職の投資家です。
株式投資をする場合、事前に資金を口座に入金してからでしか取引をすることができません。資産がなければ株を買うこともできないため、職業があるか、収入があるかどうか、ということは口座開設の必要条件にはなりません。
証券会社が職業を確認するのはなぜか?
では、なぜ証券会社は、口座開設を申し込む人の職業を確認するのでしょうか。それは、株式投資を使った犯罪行為などを未然に防ぐためです。
上場企業に勤める役員など、会社の業績や重要な情報を知ることができる立場にある人やその関係者が、インサイダー取引をしないようにすることができます。また、反社会的勢力の人や証券会社に勤務している人は証券口座を開設することができないため、その確認にもなっています。
口座開設にはマイナンバーと本人確認書類が必要
無職の人でも口座開設は問題なくできるのですが、必要書類をそろえるのが大変な場合があります。必要書類は「マイナンバーの確認書類」と「本人の名前・住所・生年月日を確認するための書類」の2種類です。
マイナンバーの確認書類は、個人番号カードやマイナンバーの記載がある住民票の写しなどを用意します。本人の名前などを確認する書類は、「顔写真あり」のものであれば1種類で大丈夫ですが、「顔写真なし」のものでは2種類提出しなければなりません。
「顔写真あり」のものは運転免許証やパスポート、「顔写真なし」のものは健康保険証・年金手帳・印鑑登録証明書などを使用することが可能です。
顔写真ありのマイナンバーカードがあれば、それだけでOK
無職で、運転免許証やパスポートを持っていない場合は、健康保険証・年金手帳・印鑑登録証明書などから2種類用意しなければなりません。本来はあり得ないことですが、健康保険証や年金手帳を持っていない場合には、本人確認書類が準備できないこともあるかもしれません。
そんな場合には、顔写真ありの個人番号カード(マイナンバーカード)を作成しましょう。これを本人確認書類として提出する場合は、他の書類を提出する必要はありません。
配偶者控除・扶養控除の対象外にならないよう注意
無職の人の多くは、納税者である家族の被扶養配偶者や扶養親族として、配偶者控除(配偶者特別控除)・扶養控除の対象者になっています。控除が受けられる場合、納税者の所得税・住民税が軽減されています。
しかし、これらの控除を受けるためには、被扶養配偶者・扶養親族の合計所得金額が38万円以下でなければなりません。つまり、株式投資の利益などの所得が38万円を超えていると、控除が受けられなくなります。
ただし、「源泉徴収ありの特定口座」を使って株式投資をしている場合は、控除対象者から除外されることはありません。控除対象外になるのは、合計所得金額が38万円を超えていて確定申告をした場合のみです。そのため、被扶養者となっている無職の人は、「源泉徴収ありの特定口座」で証券口座を開設するようにしましょう。
損益通算で控除対象外になってしまうことも
確定申告に関して、もうひとつ注意点があります。それは、損益通算がしにくいことです。
株式投資で生じた損益は、トータルで申告することができます。そのため、A証券会社の口座で100万円の利益が出たものの、B証券会社の口座で50万円の損失が出てしまった場合には、確定申告をすることで、損益を通算して50万円の利益になり、払いすぎている税金を還付してもらうことができます。
しかし、前述の通り、被扶養配偶者や扶養親族といった控除対象者は、確定申告することで控除対象外になってしまう場合があります。せっかく損益通算で税金を返してもらっても、控除が受けられなくなったために(納税者が負担する)税金が増えてしまいます。
確定申告をする前に、控除から外れてしまうデメリットよりも、損益通算で税金が返ってくるメリットの方が大きくなるかを確認しておきましょう。とはいえ、それ以前に、できれば口座をひとつだけにしておきたいところです。
まとめ
以上のように、無職でも株式投資をすることができます。ただ、口座開設に必要な書類が揃えられるかを事前に確認しておきましょう。また、税制を理解しておき、株式投資でせっかく利益を出しているのに、税金で損をしてしまわないように注意しておきましょう。
株初心者の方でもわかりやすい証券口座の開設方法をまとめましたので、あわせて確認してみてください。
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