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投資初心者を守るための「金融商品取引法」とは何か

投資初心者を守るための「金融商品取引法」とは何か

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横山研太郎
横山研太郎
記事の難易度:★★☆☆☆

証券会社や証券取引所などの金融商品取引に関わる業者等の規制法が「金融商品取引法」です。この法律が金融商品取引に関する重要なルールが定めることで、投資家保護と公正な取引環境の形成を目指しています。

今回は金融商品取引法の概要と、そこに定められている重要なルールについて、そのポイントを見てみましょう。

金融商品の取引ルールを定めた「金融商品取引法」

金融商品取引法(金商法)は、1948年制定の「証券取引法」を前身に、2007年の大改正とともに現在の名前に変わりました。その名前の通り、有価証券を含む金融商品の発行・売買に関する規制やルールを定めた法律です。

現在の金融商品取引法は、企業内容の開示制度の充実や証券会社などの金融商品取引業者や取引所の規制を通して、金融商品等の公正な価格形成と取引を実現を目指すものです。

規制対象となるのは金融商品取引業者

金融商品は大きな利益が得られる可能性がある半面、損失のリスクがあることから、金融商品の販売・取引できるのは、金融商品取引業者と呼ばれる業者とその従業員に限られています。

金融商品取引業者は、「第一種金融商品取引業」「第二種金融商品取引業」「投資助言・代理業」「投資運用業」の4種に分かれていて、株式投資の口座を開設する証券会社は第一種金融商品取引業にあたります。また、金融商品取引業者の金融商品の販売・勧誘等の業務(外務行為)は、外務員として登録された従業員しかすることができません。

適合性の原則と断定的判断の禁止

金融商品取引業者が勧誘・取引にあたって守らなければならないルールに、「適合性の原則」と「断定的判断の禁止」があります。この2つのルールを基本に、さまざまな規制を組み合わせることで、投資家が無用の損失をこうむることがないような規制の導入がはかられています。

適合性の原則は、業者が勧誘をするときには、「顧客の知識、経験、財産の状況、取引の目的に照らして、適切な勧誘を行わなければならない」というものです。断定的判断の禁止とは、「顧客に強い期待を抱かせるような断定的判断を提供して勧誘してはならない」というルールです。"絶対に儲かる"といった表現などは禁止されています。

損失補てんなどの禁止

金融商品の取引は投資家の責任によるものであり、証券会社などが特定の投資家の損失を穴埋めすることなどは禁じられています。特定の投資家を優遇することは、不平等な取り扱いをしていることになるためです。

このようなルールを「損失補てん等の禁止」といいます。実際の損失の穴埋めだけでなく、損失の穴埋めを約束することも禁じられています。

インサイダー取引の禁止

金商法では、会社の内部情報を知ることができる人が、重要な内部情報を入手しても、その公表前に株式等を売買することはインサイダー取引として禁じています。

これは、内部情報を知っているほうが取引に極めて有利であり、平等な投資環境の実現を阻害するためです。そのため、証券会社は口座開設にあたっては、上場企業の役員や従業員などは「内部者(インサイダー)」として登録されます。

上場企業の情報開示

金商法では、投資家が充分な投資判断の材料を手に入れるために上場企業等に一定の情報開示を求めています。年一回作成される事業内容や経理状況などが記載された「有価証券報告書」をはじめ、四半期ごとに提出される「四半期報告書」や「半期報告書」などの情報の開示が義務付けられています。有価証券報告書は、公認会計士や監査法人の監査を受けて、適切な内容である監査証明をもらわなければなりません。

定期的に開示されるもの以外にも、企業の財政や経営に著しい影響を与えることが起きた場合には「臨時報告書」や会社の重要な情報をタイムリーに開示することが求められます。

まとめ

金商法では、さまざまな規制やルールが定められています。これらのルールはすべて、金融商品を取引する環境を整え、知識や情報をあまり持たない個人投資家などを守るために存在しています。

株式投資の初心者にとってはあまり関係がない法律のように感じるかもしれませんが、とても大切な金融商品取引を健全にするためのものなのです。

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