
政治と株式市場の関係
各国の政治情勢・政局は株式市場にも大きな影響を与えることは、直近のアベノミクス相場やトランプラリーを見ても明らか。各国の金融政策や政治動向を読まずに株式投資で利益を上げることは、不可能と言っても過言ではありません。
今回は、具体的な政治要素と株式投資の関係とその生かし方を見てみましょう。
この記事のもくじ
政治的要因はファンダメンタルズ分析の重要な要素
市況分析の方法には、大きく分けて需給や景況感、基礎的経済条件(ファンダメンタルズ)に基づくファンダメンタルズ分析と、チャートのやシグナルで今後の先行きを判断するテクニカル分析があります。
ファンダメンタルズ分析では金融・財政当局の動向ばかりが注目されますが、政治的な動向も重要な要因の一つです。例えば、法人税率の引き下げは企業業績に好影響を与えるので、業績改善や株主還元の拡大も期待できます。
金融政策の動向を理解すれば投資の精度が高まる
株式投資では、各国の金融政策の動向を知ることは非常に重要です。特に為替レートは金融政策に影響される部分が大きく、金融政策の動向次第で有利・不利な銘柄は変化します。
金融政策は低金利で市場に資金供給する金融緩和と高金利により資金需要を引き締める金融引き締めがあります。このような特徴を知ることで、為替リスクをある程度コントロールすることができます。
アベノミクスで大幅上昇を見せた日本株式
2012年の第二次安倍政権の発足と同時にアベノミクスの一環として導入された量的・質的金融緩和(異次元緩和)により、日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)は堅調な値動きが続いています。
アベノミクスの柱は大胆な金融緩和と機動的な財政政策であり、昨今の日本株式の好調な推移は、政治によるものといっても過言ではないのです。
長引く金融緩和と官製相場のリスク
アベノミクスでは二年で2%の物価目標(インフレ率)の達成を掲げていましたが、世界経済の一時的な減速や2014年の消費税の3%引き上げなどで目標が達成できず、追加緩和をはじめ、マイナス金利やイールドカーブ・コントロールの導入などにより、金融緩和が長期化しています。
また、金融緩和の一環として日本銀行(日銀)による上場投資信託(ETF)の買い入れが続いていることで「官製相場」の様相が強まっているのはリスク要因と言えるでしょう。
トランプ政権の誕生と米国市場の動向
2016年米大統領選挙でトランプ政権が誕生したことで、株価はトランプ・ラリーと呼ばれる右肩上がりを続けています。この背景にも、国策が影響しています。
トランプ政権の基本方針は「アメリカ第一」。具体的には法人税減税と財政出動による積極財政であり、企業フレンドリーな政策を導入しています。米国企業はこの経済政策を追い風にして、業績と株価も右肩上がりが続いています。
トランプ大統領の言動と政策がリスク要因
トランプ政権の発足から堅調に推移している米国市場ですが、リスク要因としてトランプ大統領の突拍子のない発言と思いつきのような政策は無視できません。特に最大の貿易相手国である中国との貿易関係にはたびたび不満を漏らしていて、そのたびに株価が大きく下落しています。
これまでは押し目として機能してきたトランプ大統領の言動や政策ですが、本格的な下落局面入りのきっかけとなるリスクは小さくありません。
金融危機は後退局面のきっかけ。投資対象の概要を知ろう
景気後退局面入りのきっかけは、そのほとんどが金融危機です。1987年のブラックマンデーや2001年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックは金融市場の大きな値下がりを招き、その後の日本や世界各国の景気後退の引き金となっていることは珍しくありません。
下落局面は投資機会。リスク要因を理解して臨もう
下落局面は絶好の投資機会ですが、ほとんどの個人投資家は下落局面で株式投資から撤退してしまいます。下落局面でも投資を続けるためには、投資対象の資産の特徴やリスク要因などを理解して、納得できる範囲内でリスクを取ることが肝心です。
まとめ
日本のアベノミクスや米国のトランプラリーのように、政治と株式市場の動向には密接な関係があります。金融政策は企業業績に大きく関わり、政治情勢は経済に大きな影響力があるのです。
株式投資ではこの点を踏まえて、各国の政治・経済の状態を知ることで、リスクを取りすぎずに株式投資を続けることが、資産形成には欠かせません。
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