
個人投資家でも”効果的に分散投資する”ポートフォリオの考え方
老後資金を目的とする資産運用ではリターンよりもリスクを抑えた運用が重要です。そのためには、「運用資産の組み合わせ」であるポートフォリオを意識した投資商品選びが重要です。
今回は、ポートフォリオの重要さと、ポートフォリオを決めるときのポイントがどのようなものかを見てみましょう。
この記事のもくじ
「タマゴは一つのカゴに盛るな」という投資格言
投資格言の一つに、「タマゴはひとつのカゴに盛るな」というものがあります。一つのカゴにタマゴを盛ると、そのカゴを落としてしまえば全ての卵が割れますが、いくつかのカゴに分けていれば、割れるのは一部で済みます。
これと同じように、リスク管理を重視する株式投資では、複数の資産に分散して投資する分散投資が重視されるのです。
どのような分散が効果的なのか?
株式の分散投資では業種を分散して投資するのが一般的ですが、分散方法によっては偏りが生じるため、輸出関連銘柄と内需関連銘柄のように大きなくくりで分散することが欠かせません。
また、業種だけではなくドルコスト平均法による投資タイミングを分散する時間分散も念頭に置く必要があります。
基本はオーソドックスな資産クラスへの投資
資産形成を目的とする株式投資では堅実に資産を増やすためにも、ハイリスク・ハイリターンな資産ではなく、にするべきです。「堅実だけれどうまくいけばより大きな利益が得られる」というポートフォリオを組むのが理想です。
投資期間に応じたリスク分散を考える
資産形成を念頭に置いた投資では、投資期間に応じたリスク分散が欠かせません。
投資期間を長くとれるなら株式にウェイトを置いてリスクを取りにいってもよいですが、投資期間を確保できないなら債券を中心にしてリスクを抑えたポートフォリオを組むのが基本です。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を参考にする
分散投資の具体例として、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の基本ポートフォリオを紹介しましょう。
GPIFの運用原資は我々が納めた年金保険料であり、将来の年金財源とするために、リスク管理を念頭に置いた運用がされています。
GPIFの基本ポートフォリオは、下記の通りです。
- 国内債券:25%
- 国内株式:25%
- 外国債券:25%
- 外国株式:25%
このように、株式よりもリスク・リターンともに小さい債券を中心とする、堅実な分散投資の実現を目指しています。
個人投資家も効果的な分散投資を意識する
個人投資家が分散投資をするときに活用したいのが、特定の株価指数(インデックス)に連動する投資信託(インデックスファンド)やインデックスファンドが証券取引所に上場した上場投資信託(ETF)です。
インデックスファンドなら100円、ETFでも数千円から1万円程度で手軽に分散投資を実現できます。また、連動対象は国内外の株式や株式以外の資産などさまざまなものがあるので、ポートフォリオに合致した運用を手軽に実現できます。
一度買ったら終わりではない。リバランスの重要性
分散投資で分散を維持するには一度買ったら終わりではなく、定期的なリバランスが必要です。
仮に株式と債券に等分に投資して、株式が上昇、債券が下落するケースを考えてみると、株式を売却するか債券を買い増すかの二択になります。
リバランスでは税負担も考慮する
売却するとその時点で利益が確定して税負担が発生するので、債券の買い増しが基本となります。どちらにしても、ポートフォリオを定期的に見直すことで、バランスを見直すことはリスク管理の点からは欠かせません。
まとめ
資産運用を目的に株式投資をはじめるなら、リターンではなくリスク管理に注意をした、バランスのとれた運用を心がける必要があります。
リスクを抑えた運用を実現するためには、ポートフォリオを組んで分散投資を心がけ、無理のない投資を実現できるようにしましょう。
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