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大きな企業なのに上場していないのには理由がある

大きな企業なのに上場していないのには理由がある

株の知識レベル:★★★☆☆

「身近で知っている企業に投資したい」と思って探したけれども、その会社が上場していなかったという経験がある人もいるでしょう。実は、大企業だから必ず上場しているというわけではありません。世の中には、大企業だけれども、理由があって非上場を続けている会社も少なくありません。なぜ非上場のままにしているのか、その理由を探ってみましょう。

超有名企業にも上場していない会社がたくさんある

誰もが知っている有名企業なのに、上場していない例はたくさんあります。有名なところでは、ゼネコン「竹中工務店」や運送会社「佐川急便」、大手飲料メーカーの「サントリー」などが非上場です。これらの会社は上場していても全くおかしくない有名企業ですが、メリット・デメリットや経営方針を考慮して、非上場を続けています。上場のメリット・デメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

上場すれば、資金調達がしやすくなる

株式を上場させると、証券市場で資金調達をすることができます。新たに株式を発行し、それを市場で買ってもらうことができるのです。上場していれば時価で株式を発行して多額の資金を調達しやすいのに対して、非上場では自由に売却できない株式のため、誰でも新株を買ってくれるわけではなく、あまり高い金額で発行することができません(「非流動性ディスカウント」と言います)。この他、会社の知名度が上がり、ブランド力の強化や従業員の採用にもよい影響があります。また、上場するには証券取引所の審査があるため、その審査を通過した企業ということで社会的信用が高まる効果もあります0。

上場することのデメリットは誰でも株主になれること

その一方で、上場することのデメリットは、「誰でも株主になれる」ことです。誰でも株主になれるということは、会社の現在の経営方針に反対する人が株主になる可能性もあるということです。その結果、経営の自由度が下がる可能性があります。また、買収されるリスクや上場を維持するための多額コストがかかるのもデメリットにあげられます。

株主は株主総会で経営に参加する権利がある

株式会社の株主は、「会社の経営に参加する権利」があります。これは、株主総会での「議決権」という形で与えられる権利です。株主総会では経営者を選出するなどの決議をおこないますが、その投票数は保有している株式数に応じて与えられます。そのため、大株主は、会社の経営に大きな影響力を持っていると言えます。経営者は株主が納得するレベルの利益を出していなければ、クビになってしまうかもしれません。ここでの利益は、「会社の純利益」ではなく、「株価が上昇して得られるキャピタルゲインや配当金」といった株主にとっての利益が重視される傾向にあります。

「モノ言う株主」の登場で増える短期主義的な会社

大きな企業なのに上場していないのには理由がある

昔の日本では、経営者に対して文句を言う株主は多くありませんでした。しかし近年では外国人投資家をはじめ、機関投資家やファンドを中心に、経営に対して要望をはっきりと伝える「モノ言う株主」が増加しています。モノ言う株主は大株主であることが多く、少数株主に対しても「経営方針を改めるべきだ」というメッセージを発するなどして、発言権の大きさを武器に「(彼らにとって利益になる)よりよい経営」を求めます。その結果、モノ言う株主を納得させるために、中長期的な成長を犠牲に、短期的な成果を求めるケースもあります。

中長期的にじっくり経営したい会社は上場しない

このように、上場することにはメリットだけでなくデメリットもたくさん存在します。中長期的な戦略を最重要視した経営をする企業にとっては、目先の利益も求められる可能性が高くなる上場には魅力的でない場合もあります。仮に上場していても、投資ファンドに目をつけられて経営権を奪いに来られるかもしれないリスクもあります。こういったデメリットの方に注目する企業は、安定した経営を実現するために、非上場という選択をするのです。

まとめ

非上場を貫く会社が、何を目的として上場しないかを知ることは、上場のメリット・デメリットを理解することにつながります。それを理解していれば、投資ファンドが考えていることも少しはわかるようになるでしょう。投資ファンドが大株主になっている会社は、投資ファンドがどう動くかで株価も大きく変動することがあるため、その動きを推測するための参考にすることもできるかもしれません。

大阪でファイナンシャルプランナーとして活動。
資産運用に関する記事やビジネス関連の記事を多数執筆。
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