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北朝鮮の例から見る株価の動きと注視するべきポイント

北朝鮮の例から見る株価の動きと注視するべきポイント

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株の教科書.com編集部
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記事の難易度:★★★☆☆

東京証券取引所(東証)の代表的な銘柄で構成される株価指数である日経平均株価(日経平均)は、東証上場銘柄の平均的な値動きとなるため、さまざまなニュースにより大きく値動きすることがあります。

もちろん、業種ごとの景況感に左右されるので、日経平均から大きく外れる値動きをする銘柄もありますが、基本的には日本経済全体の景況感を表す指標の一つと言えますが、ニュースの内容によっては業種ごと日経平均から大きく外れる値動きをすることも珍しくありません。

今回は、北朝鮮のミサイル発射というニュースに反応して、日経平均とは大きく外れた値動きをした銘柄を例に、ニュースによって個別の銘柄がどのように動くのかを見てみましょう。

北朝鮮のミサイル発射で注目された防衛関連銘柄

世界的に見て平和と言われる日本においても、軍事関連銘柄(防衛関連銘柄)は存在します。契約額上位の常連である三菱重工(7011)や住友重機械工業(6302)といった旧財閥系の総合機械メーカーをはじめ、東京計器(7721)や豊和工業(6203)といった特定の製品で世界シェアを握る企業まで、少なくない企業が防衛産業に従事しています。

専守防衛を国是としている日本では、必要最小限度の防衛力による抑止を掲げて、自衛隊の武器・弾薬(装備品)の国産化を進めています。そのため、陸海空の全ての領域で、高い国産化率を達成しているのです。

防衛問題が取り上げられると注目される防衛関連銘柄

世界各国に製品を販売している総合機械メーカーのような例を除いて、普段はあまり注目を集める銘柄とは言えません。そのため、値動きも比較的ゆるやかです。しかし、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル発射やそれに伴う各国の制裁措置、中でもアメリカの強硬姿勢により、第二次朝鮮戦争の危機と見られると、急激に値上がりすることとなります。

風雲急を告げるアメリカによる軍事行動

2017年4月のはじめごろから、米空母打撃群の中心を担う空母「カール・ビンソン」が北朝鮮への攻撃可能な海域へ侵入したことで、アメリカ主導による第二次朝鮮戦争のリスクが高まったと見られると、防衛関連銘柄に買いが集まり、一挙に倍近くまで値上がりする銘柄も見られるようになります。大きく値上がりした機械メーカーの石川製作所(6208)の値動きを見てみましょう。

世界情勢に影響を受ける防衛関連銘柄

アメリカ大統領選挙など、番狂わせもあった2016年10月末を起点に見てみると、この頃の石川製作所の株価は600円台前半で安定していて、ほぼ値動きはありません。しかし、「アメリカ・ファースト」を掲げて対外的に強硬姿勢を崩さないアメリカのトランプ大統領の誕生により、じわじわと株価を上げはじめます。

2017年1月の終わりには、安倍総理大臣とトランプ大統領の会談の中で、アジア情勢に対してトランプ大統領が強気の姿勢を崩さなかったことから、一気に株価を上げ、800円台だった株価は1900円台で取引されるまでになりました。

この頃の日経平均株価はどうだったか

では、この時の日経平均株価はどうだったのでしょうか。2017年2月頃と言えば、いよいよ2万円台を目前に1万9000円台前半から抜け出せなかった時期です。この時点から過去数ヶ月で見ても、日経平均株価は上昇傾向にあり、いつ2万円台に達してもおかしくありませんでしたが、4月に入り緊張が高まると、それを嫌気した市場が一斉に売りの姿勢を見せ、1000円近くも下落してしまいました。この間の石川製作所の値動きは、市場の平均株価と連動せず、上昇傾向にありました。

ICBM実験のあった1日の株価を追いかける

緊張の要因であった北朝鮮は、7月5日にミサイル発射実験を実施し、朝鮮中央テレビを通じて大陸間弾道弾(ICBM)発射成功のニュースが全世界に伝えました。

このICBMはアメリカ本土のアラスカ州に届くとの分析もあり、アメリカも自国の防衛に踏み込まれることになり、いよいよ北朝鮮のミサイル問題は世界を巻き込んだ問題に発展しつつあります。

ICBM実験のあった1日の株価を追いかける

この時も石川製作所は大きく値を上げました。最終的にはリスク回避のため後場が閉まる直前の売りが先行しましたが、それでも前日比で200円以上の値上がりとなりました。しかし、注目したいのは取引時間中の値動きです。

取引開始直後は普段通りの値動きでしたが、北朝鮮のミサイル発射の一報をきっかけに一気に100円近く値上がりして足踏みをしますが、日本や韓国の政府見解が流れはじめると再び上昇をはじめ、最終的に前日比200円以上の上げ幅を記録して取引を終了しました。

このように大きく上げた石川製作所に対して、日経平均はリスクの高まりから値を下げ、2万円台をなんとかキープして取引を終了しています。このように、ニュースや周辺情勢によって、日経平均の値動きとは連動しない銘柄も少なくないのです。

おわりに

北朝鮮問題は、何らかの形で決着しない限りは今後も続く問題であるだけではなく、相手の出方次第で状況がガラリと変わる繊細な国際問題となっています。

残念なことに日本やアメリカ、国境を接する韓国から見れば、状況は徐々に悪化しており、トランプ大統領は自身の任期中に解決する姿勢を見せていますが、その可能性はあまり期待できそうにありません。

世界情勢が緊迫化してリスクオフのムードが強まるほど、個別銘柄の投資は大きなリターンを狙うことができます。セクターごとの値動きの特徴を理解したうえで取引するのも一つの手ではないでしょうか。

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