
あの大暴落はなぜ起きた?「リーマン・ショック」のメカニズムと教訓
資産に大きなダメージを与える株価暴落は毎年のようにありますが、過去10年に限るとリーマン・ショックは非常に有名です。このリーマン・ショックはどのようにして起きたのでしょうか。また、次に起きたときにはどのように対応すればよいのでしょうか。
今回は、世界中に波及したリーマン・ショックが起きたメカニズムと、その教訓を見ていきましょう。
この記事のもくじ
リーマン・ショックはなぜ起きた?
2008年に起きたリーマン・ショックは、前年(2007年)に表面化したアメリカの低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)危機が発端となって起こりました。
サブプライムローンは、信用の低い層に一定期間は低利率で貸し付け、猶予期間が過ぎると高利率となるローン商品です。その高い利回りを魅力に感じた投資銀行や証券会社がサブプライムローンを組み込んだ債権化商品を開発・販売に積極的になりました。
サブプライムローン危機とリーマン・ショック
不動産価格の値上がりと借り換えを前提としていたサブプライムローンは、不動産価格の上昇が落ち着いたことで仕組みが破たん、債券化商品を取り扱っていた銀行や金融機関に大きな損失を与えました。
大手投資銀行のリーマン・ブラザーズはこの損失に耐えられず、2008年9月15日に連邦倒産法第11章(チャプター・イレブン)の適用を申請して破たん。リーマン・ブラザーズと取引があった金融機関も、連鎖的に経営危機に陥りました。これがいわゆるリーマン・ショックです。
リーマン・ショックの日本への影響
日本の金融機関はサブプライムローン関連商品の取り扱いが極めて限られていたため、その影響も限定的と見られていました。しかし、リーマン・ショックが金融危機へと波及してアメリカの実体経済が急減速したことで、世界的な景気後退を招き、日本経済も巻き込まれました。
日本経済へはどう波及したのか
世界経済の減速により、安全資産としての円の需要が高まったことで円高が急速に進みました。
これにより円安頼みだった輸出が急減、輸出関連企業が業績不振に陥り、連鎖的に景気後退と踏み込みました。
リーマン・ショックから学ぶ教訓
急落・暴落を事前に知ってリスクを回避するためには、経済ニュース・社会の動きに敏感になる必要があります。リーマン・ショックでは、サブプライムローン危機がそれに当たります。返済見込みの薄い人たちにまでどんどんお金を貸していたため、回収できなかった金融機関が苦境に陥りました。
教訓を投資にどう生かす?
グローバル社会である現代は、世界のどこかで起こった小さな出来事が連鎖して世界経済に大きなダメージを与えることは珍しくありません。経済や円高・円安といった情報はもちろんですが、安全保障の問題も株価に影響することがあります。
暴落後の株価は比較的長期間にわたって安値水準で推移する傾向があるので、安くなっているからといって焦って買い向かわず、リスクを見極めてから投資をするようにしましょう。
まとめ
リーマン・ショックと続く世界金融危機は、震源地であるアメリカだけではなく世界経済にも大きな衝撃を与えました。保有株の値下がりで、大打撃を受けた人も多いことでしょう。
幸いなことに、リーマン・ショックの詳しい資料は豊富にあり、内幕を書いたノンフィクションも豊富に出版されています。記録に残る金融危機の引き金となったリーマンショックについて知ることで、次なる危機に備えることは、投資を続けるためにも欠かせないといえるでしょう。
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