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株式を分けて増やす!「株式分割」の意味と目的

株式を分けて増やす!「株式分割」の意味と目的

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西岡容子
西岡容子
記事の難易度:★★★☆☆

投資をはじめると経済関連のニュースにも注目するようになりますが、そうしたニュースで「株式分割」の実施が報じられることがあります。この株式分割は、投資にどう影響するのでしょうか。

今回は、株式分割の意味やその効果を見てみましょう。

発行済株式を増やす「株式分割」

株式分割とは、市場で流通する発行済み株式総数を増やすことを目的に、株式を分割することです。

株式分割では資本金などはそのままに、分割割合に応じて1株の価値が下がります。仮に1株を2株に株式分割をすれば発行済み株数は2倍に増加しますが、同時に株式の価値は半減するので、流通する株式全体の価値(時価総額)は同水準で維持されます。

企業はなぜ株式分割をするのか?

株式市場で取引をしている投資家には、投資金額が小さく単元株での取引しかできない個人投資家も少なくありません。株式分割による取引価格の引き下げは取引金額を小さくすることにもつながり、取引機会を増やすことにつながります。

売買が活発になると株式の流動性が高まることにもつながり、長期的には株価の値上がりが期待できるのです。

株式分割を決めるのは取締役会か株主総会

取締役会の設置企業には、取締役会に株式分割の決定権があります。株式公開をしている大企業であれば「取締役会」などの名目で企業の重要事項を決定する意思決定機関を備えているのが普通です。

「取締役会」を設置していない中小企業では、株主総会の決議で株式分割を決定します。

株式分割は上場企業だけの特権?

株式分割は上場企業だけのものではなく、株式発行企業であれば中小企業や親族経営の企業でも株式分割をすることがあります。

特に親族経営の企業などは株式の所有数が支配力に直結するので、保有株数の管理は非常に重要です。そのため、相続や事業承継に当たって、株式分割で1株の価値をある程度下げることで、後継者への配分数をコントロールする必要があるのです。

株式分割をするメリット

株式分割をすることで取引しやすくすることは、大きなメリットです。細かい単位で売却できるようになれば、資金効率の良い運用が期待できます。

また、株式分割をすると配当金額も分割した株数に応じて分割されますが、業績好調なら配当金額は据え置かれるので、配当狙いの投資なら株式分割はリターンの改善の絶好のチャンスといえます。

株式分割後の注意点

株式分割をした銘柄が上昇することは珍しくありませんが、その理由が本業の業績好調に由来するのかそれ以外の要因なのか、見分けがつきにくくなる原因にもなります。

株価を釣り上げることを目的に株式分割を繰り返し、業績とは無関係に株価が大幅に値上がりする企業がいつまでも市場に居座れば、株主にも悪影響を及ぼすリスクも無視できません。

まとめ

株式分割は取引の活性化や増配などで既存株主に大きなメリットをもたらす半面、新規株主には過去の企業業績が分かりにくくなるといったデメリットがあります。

また、株式分割による株価上昇が継続的な株価安定につながるのかなど、長期的な視点で投資活動をすることは重要です。株式分割のメリットと注意点は頭に入れておくようにしましょう。

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