
抽選配分と裁量配分の違いとは?新規公開株(IPO)配分方式のルール
ここ数年非常に活況な新規公開株(IPO)では、IPO銘柄の中には初値で売却だけでもまとまった利益が出る銘柄も珍しくありません。
その人気ぶりから、IPO抽選に当選することは難しく、IPO当選確率を向上させるには、その仕組みを理解することが欠かせません。今回は、IPOの抽選配分と裁量配分の仕組みを見てみましょう。
この記事のもくじ
IPO抽選の配分方法:裁量配分とは?
簡単に言うと裁量配分とは、"お得意さま優先配分"。多くの手数料を落としてくれたり、多くの資産を預けてくれる優良顧客を囲いこむため、裁量配分では大口顧客に優先的に配分する仕組みです。
総合証券のオンライントレードでも裁量配分は受けられますが、抽選の難易度は高くなりがちです。
裁量配分を受けるには?
裁量配分を受けるには、証券会社の大口顧客である必要があります。明確な大口の基準はなく、IPOのスケールや配分株数によって違いがあるものの、おおむね預かり資産5,000万円以上、取引をしているアクティブ口座であることが最低限のラインです。
総合証券でIPOの裁量配分を受けるには、資金力がなければ難しいということをあらかじめ理解しておきましょう。
IPO抽選の配分方法:抽選配分とは?
抽選配分とは機械的に抽選をして、当選した人にIPO銘柄を配分する配分方法です。配分ルールは証券各社によって異なりますが、資金力に左右されない比較的平等な抽選方法と言えます。
ネット証券ではIPO配分を抽選配分としていることがほとんどなので、投資初心者にとっては現実的な手法でしょう。できるだけ資金を抑えてIPO投資をはじめたいのであれば、ネット証券の抽選配分を選ぶべきです。
抽選方式は証券会社ごとに異なる
抽選配分でも証券会社によって、申込数で当選確率が変動する「完全抽選(口数比例)方式」と、申込数に関わらず当選確率が公平な「完全平等(公平)抽選方式」があります。
完全抽選方式は抽選自体は平等ですが、資金が多いほど申し込み口数を増やすことで当選確率を上げることができます。ネット証券の楽天証券やSBI証券ではこの方式が採用されています。
完全平等抽選方式では1人1票の抽選となり、申し込み口数によって当選確率は変わりません。当選の難易度は資金力に関わらず公平なので、資金が少ない人でも当選の可能性があります。こちらはマネックス証券や松井証券、岡三オンライン証券、GMOクリック証券などがこの方式を採用しています。
独自のルールを取り入れる証券会社もある
SBI証券では一部配分にポイント制を導入しています。IPOの抽選に外れるたびに「IPOチャレンジポイント」がたまり、ポイントに応じて当選確率を上げることができる、IPOに当選しない人には希望となるサービスです。
SBI証券はネット証券の中でもIPO主幹事を務めることが多いので、IPO投資を考えているなら口座開設をしておきたい証券会社です。
まとめ
総合証券とネット証券ではIPO配分の方針が異なり、ネット証券の中でも抽選配分の方針が異なります。IPOの当選確率を向上させるためには、これらの仕組みをあらかじめ理解しておくことが重要です。
IPO抽選での当選確率を上げる方法については、IPOの当選確率を上げるための3つの方法でも解説していますので確認してみてください。
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