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円安と円高の基本を覚えておこう

円安と円高の基本を覚えておこう

株の知識レベル:★☆☆☆☆

「円安」「円高」という言葉は、株の値動きなど経済関連のニュースを見ていると頻繁に出てきますが、経済にどのように影響するのかは漠然としている人が多いと思います。

円安、円高を考える前提であり、それらと併せて使われることが多い言葉、「為替(かわせ)」について解説します。円安とは、また円高とはどのような状態で、経済にどういった影響をもたらすのかについて考えていきましょう。

「為替」とはどんな意味?

円安、円高と関連の深い言葉「為替」とはどんな意味?

「為替(かわせ)」とは、物などを売り買いする人(または会社)同士が、現金の受け渡しを行わずに小切手や手形その他現金以外のもので決済を済ませる方法のことです。また、その小切手や手形そのもののことを「為替」と呼ぶこともあります。

身近なものでイメージするのであれば、インターネットでの買い物や遠くの人に銀行振込でお金を払うことも広い意味での為替にあたります。

大昔のように自分の村だけで商売をしていた時代であれば現金の受け渡しは簡単でしたが、日本全国、また世界規模での取引が当たり前の今日、為替は重要な決済手段になっています。

外国為替と内国為替ってどう違うの?

「外国為替(がいこくかわせ)」に比べて「内国為替(ないこくかわせ)」はあまり耳慣れないかもしれません。内国為替とは、日本国内で上記のようなインターネットショッピング、銀行振込や手形・小切手で決済することです。

これに対して外国為替とは、国外の人や会社との間で現金以外の手段を使って取引する方法のことです。外国との間の取引には、日本円を米ドルに換算するといくらになるのか、そしてその逆はどうなのかという「通貨」の問題が出てきます。

現在ではこの通貨の交換のことを「外国為替」と呼ぶ方がむしろ一般的と言えます。この外国通貨への換算額というのは日々刻々と変化しますので、外国為替の場合はいつ取引をするかで得をする、損をするといった現象が起きるのです。

円安・円高とはどのような現象をさすの?

円安・円高とはどのような現象をさすの?

外国為替においては日本円と外国通貨の交換バランスで取引の損得が決まってくると述べましたが、具体的には現在円安なのか・円高なのかということに影響されます。円安・円高の意味を米ドルで例にとって説明しましょう。

例えば、「先月は1ドルを100円出さなくては買えなかったのに、今月は1ドルが90円で買えるようになった」という状況では、円の価値はより高く見積もられるようになったと言え、「先月よりも円高になった」ということになります。

反対に「先月は1ドルが100円だったが、今月は110円出さないと買えなくなった」という状況なら、円安に傾いたということなのです。円安・円高とはあくまで過去や未来と比べた場合の相対的な見方ですので、ある為替レートを基準に円安・円高になるわけではありません。

円安・円高になる原因ってどんなもの?

円の価値が変動する要因として「金利の高低」があります。

好景気になると景気の過熱を抑えるために政策金利が引き上げられますが、高金利に魅力を感じた国内外の投資家が円を求めると円の価値は高まり、円高傾向になります。政治家の為替相場に対する意見ひとつでも円高が円安方向に大きく振れる(またはその逆)、ということがあります。

ただ、ある条件を満たせば必ず円安(円安)になるとは断言できず、予想外の動き方をすることがある点には注意が必要です。

円安や円高になると経済にどんな影響があるの?

円安や円高になると経済にどんな影響があるの?

では、国内の企業に対して円安、円高はどのような影響をもたらすのでしょうか。

円安であれば外国から見た場合、以前なら1ドルで90円の価値の物しか買えなかったのに円安になれば100円の価値の物が買えるため、より日本の物を買いやすくなり、輸出をする企業にとって有利です。

反対に海外から何かを輸入しようと思った場合は今まで90円で1ドルを買えたのに100円出さなければならないため原材料、エネルギーといったものを輸入に頼っている企業にとって、過度な円安が続くのは深刻な問題になることがあります。

投資家にとっては、円安になればより多くの利益が期待できますが、円高では大きな損失を覚悟する必要があります。

日本の円安・円高の事例

よりイメージしやすいように、まず日本での円安の事例を紹介します。近年での大きな円安の事例としては、「アベノミクス」が挙げられます。

アベノミクスの政策の1つ目の矢である「大規模な金融緩和」では、日銀に日本銀行券(日本円)を大量に増刷させ、市場に日本円をばら撒くような方策が実行されました。その結果、以前よりも日本円が大量に流通するようになり、相対的に日本円の価値が下がるので円安が発生しました。

円高は近年では2つ大きな事例があります。まず、2007年末頃から起きた「リーマンショック」です。

アメリカで起きた住宅ローンの大規模な不良債権化による「サブプライム住宅ローン危機」から起きた世界的な経済危機で、一連の騒動のなかでドルが下落していく一方で、比較的リスクが低く、安定していると考えられた日本円にリスク回避のための投資が集中しました。そして、急激な円高が進行し、近年でも特に大きな円高になりました。

もうひとつは「欧州ソブリン危機」です。「欧州債務危機」ともよばれるこの経済危機は、ギリシャがかなりの財政赤字を抱えていたにもかかわらず、粉飾決算していたことが露呈したことからはじまりました。

その後「PIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペイン)」といった財政が不安定な国が複数あることがわかり、これらの国に財政支援が行われました。「PIGS」はいずれも「EU加盟国」であり、共通の通貨である「ユーロ」の信用を大きく損なうことになり、ユーロが下落していきました。そして、リーマンショックのとき同様にリスク回避のためにドルと円に乗り換える投資家が増加した結果、円高が発生しました。

このように、円高、円安は国内の事情だけでなく、日本と関連の強い諸外国の経済状況によっても発生が大きく左右されるのです。

日本経済全体を見たら円安と円高はどっちがいいの?

上記のように、円安の場合は輸出企業に有利、円高の場合は輸入企業に有利ということになりますが、どちらかが絶対的に好ましいということはありません。

ただ、あまりに短期間に円安、円高が急速に進むと企業の収益の見通しが安定しないなどの悪影響が出る心配があるため、ゆるやかに推移することが望ましいといえます。

まとめ

円安・円高とは外国の通貨と交換する時に円の価値が高いか低いかということです。どちらの方向に傾くのかは経済や政治などさまざまな要因が関係しています。円安と円高にはどちらも良い面と悪い面がありますので、絶対的にどちらかが好ましいわけではありません。

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現職の司法書士(実務経験14年)、ライター歴3年。
資格は司法書士、宅地建物取引主任者、2級FP技能士、モーゲージプランナー(住宅ローン専門資格)。
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