
円安・円高を理解しよう。投資初心者のための為替の基礎知識
株価など経済関連のニュースを見ていると、円高・円安という言葉が頻繁に出てきますが、円高・円安が経済にどう影響するのかまで理解している人はあまり多くないと思われます。
今回は、円安・円高がどのような状態であり、経済にどう影響をもたらすのかを見てみます。合わせて、「為替(かわせ)」についても解説します。
この記事のもくじ
現金以外の全ての決済手段を意味する「為替」
「為替(かわせ)」とは、物などを売り買いする人(または会社)同士が、現金の受け渡しをせずに小切手や手形などの現金以外の手段での決済方法全般を指します。身近な例を見てみると、インターネットでの買い物や遠くの人に銀行振込でお金を払うことも、広い意味での為替にあたります。
経済のオンライン化とグローバル化が進んでいる現在、個人でも国境をまたぐ取引は当たり前となっていることから、決済手段の中でも為替は重要な位置を占めています。
外国為替と内国為替の違いはどこにある
外国為替とは、国外の人や会社との間で現金以外の手段を使って取引する方法であり、外国為替を指して「為替」と呼ぶのが一般的です。これに対して内国為替とは、日本国内で銀行振込や手形・小切手といった方法で決済する方法を「内国為替」といいます。
外国との取引では、日本円を外国通貨に交換するといくらになるのかという「通貨」の問題が出てきます。この外国通貨との交換比率(為替レート)は時々刻々と変化するので、外国為替が関わる取引は、タイミング次第で損得が大きく変わるのです。
円安・円高はどんな現象?
外国為替は日本円と外国通貨の交換のタイミングで損得が生じますが、この損得を「円高(円安)」と呼びます。円安・円高は相対的な見方であり、ある為替レートを基準に円安・円高になるわけではありません。
例えば、「先月は1ドルを100円出さなくては買えなかったのに、今月は1ドルが90円で買えるようになった」なら、市場での円の価値が高く見積もられる「円高」状態です。反対に「先月は1ドルが100円だったのが、今月は110円出さないと買えなくなった」のであれば、市場での円の価値が低く見積もられている「円安」といえます。
円安・円高の原因には何がある?
好景気下の国は景気の過熱感を抑えるために政策金利が引き上げられますが、その高金利に魅力を感じた国内外の投資家がその国の通貨を求めることで価値が高まり、円高傾向になります。政治家の為替相場に対する意見でも円高が円安方向に大きく振れる(またはその逆)、ということがあります。
金利の高低は為替レートの決定に大きく作用すると考えられていますが、ある条件を満たしたら必ず円安(円安)になるとは言えず、予想外の動き方をすることがある点には注意が必要です。
円安や円高は経済にどう影響する?
円安は諸外国の同等品と比べると価格競争力が強くなるので、輸出企業には有利になる反面、輸入価格が高くなるので、原材料やエネルギーの調達を輸入に頼る日本経済にはダメージを与えると考えられます。
投資家目線では、円安になればより多くの利益が期待できますが、円高では大きな損失を覚悟する必要があります。
円安・円高はどちらが経済に有利?
円安は輸出に有利であり、円高は輸入に有利になるため、どちらかが絶対的に好ましいということはありません。
円安・円高のどちらも、短期間に急激に進めば、企業の収益見通しが立たないなどの悪影響が出るため、為替変動はゆるやかに推移するのが望ましいといえます。
まとめ
円安・円高とは外国の通貨と交換する時に円の価値が高いか低いかを表し、どちらの方向に傾くのかは経済や政治などさまざまな要因が関係しています。
円安と円高にはどちらも良い面と悪い面があるということを覚えておきましょう。
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