
日本を代表する株式市場「東京証券取引所」の一部・二部とは
外部からの資金調達をスムーズにしたい企業と投資して経済的利益を受け取りたい投資家とのせめぎ合いが、株式市場のダイナミズムの源泉です。その魅力を存分に享受するためには、株式市場の取引の仕組みを知ることが欠かせません。
今回は、企業が株式市場に上場する目的と、日本の主要な証券取引所である東京証券取引所(東証)一部と東証二部の役割について見てみましょう。
この記事のもくじ
企業にとっての重要課題である資金調達
企業が日々の企業活動を通じて利益を得るには、設備投資や新たな分野の研究開発への投資が必要です。その費用を会社の内部に留保されている資金(内部留保)で賄えるのが理想ですが、実際にはほとんど不可能です。
そこで、設備投資や新たな分野の研究開発の投資資金を外部から調達する手段として、株式発行が活用されているのです。
経済の発展に合わせて増えてきた株式発行
企業の資金調達の方法としては、銀行など金融機関からの融資で調達する方法と、株式公開で世間一般から幅広くお金を出してくれる人を募集する方法に分けられます。
日本経済の発展にあわせて、企業の資金調達方法も銀行融資を中心とする間接融資から、株式発行により資金調達をする直接融資が中心となっています。
日本の株式市場の中心は東京証券取引所(東証)
株式市場で資金調達するには、証券取引所に上場する必要がありますが、国内には東京、大阪、名古屋など大都市をの三大証券取引所を中心に、札幌や福岡などの各地方都市にもいくつか存在しています。資金調達をしたい企業はこれらの証券取引所で株式公開をすることで、世間一般からお金を集めることが可能となるのです。
このうち東京証券取引所(東証)は、全国的にも有名な企業が名を連ねる、世界の三大証券取引所にも数えられる証券取引所の一つです。
東証一部上場企業の特徴はどのようなものか
東証一部とは、そこに上場している会社がいずれも一流企業とされ、上場基準をクリアした会社でなければ上場できません。
会社側からすれば、東証一部上場は「ブランド力」と「信用力」に箔(はく)がつくだけではなく、企業イメージがアップし、市場からお金を集めやすくなることを意味します。投資家側から見れば、株価や配当の安定性など、長期間にわたり安心して投資できる会社であるとの判断につながるのです。
東証一部の下位互換?東証二部
前記のとおり東証一部に上場するには高いハードルがありますが、その基準をクリアできない企業も市場から幅広く資金を調達する必要性は同じです。そのため、一部より審査基準が緩い企業が上場する株式市場として、東証二部の株式市場が設けられています。
企業の株式公開では、最初から東証一部に上場申請もできますが、一般的に東証二部から段階を踏んで東証一部へと上場するケースがほとんどです。
東証一部から東証二部への降格とは
東証一部上場企業はブランド力や信用力が抜群であり、投資家から多くのお金を集めることができます。東証一部上場を維持するために厳格な審査基準があり、基準を満たせなくなれば、二部降格や上場廃止の対象となります。東証では一部上場の基準を満たせなくなると二部降格となり、二部上場の基準も満たせなければ上場廃止となります。
近年では、業績不振が続いたシャープ(6753)や巨額の粉飾決算が明らかになった東芝(6502)などが記憶に新しいところです。
まとめ
経済と株式市場の発展に合わせて、企業の資金調達は銀行融資などの「間接金融」から、市場で株式を発行して世間一般から直接お金を集める「直接金融」へと大きくシフトしてきました。
株式市場の中で証券取引所の役割は極めて重く、上場の審査基準を定めて上場企業に順守させることで、企業の資金調達の利便性と投資家の保護とのバランスをはかっているのです。
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