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投資家が知るべきアベノミクスが株式市場に与えた影響

投資家が知るべきアベノミクスが株式市場に与えた影響

株の知識レベル:★★★☆☆

2017年に入り、再び2万円の大台を突破した日経平均。特に第2次安倍政権発足後の株価上昇には目を見張るものがあります。大胆な金融政策を支援材料に、マーケットに資金が流入。企業業績も過去最高益を更新し、バブル期を上回る企業決算が相次ぎました。アベノミクスが株式市場に与えた影響は計り知れません。海外勢のフローも国内に呼び戻したのです。ここからは、アベノミクスが市場に与えた影響を見てみましょう。

アベノミクスはバーナンキ時代の金融政策に酷似

アベノミクスの特徴は、大胆な金融政策にあります。量的緩和策を推し進め、市場に多額の資金供給をすすめました。米国が導入していた量的緩和策(QE)と似た政策ですね。ベン・バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長が、市場に資金を“ばらまきまくった”ことは、個人投資家のみなさんの記憶にも新しいでしょう。その後、米国株は大幅上昇。いまでは、利上げをするフェーズに移行しています。アベノミクスは米国のQEと同様、基本的には市場に大胆な資金供給を行い、金利を低く誘導する政策です。

大胆な金融緩和が柱。円安進展で主力株中心に質の良い上昇を記録

上述したように、市場に積極的に資金供給をし、金利を低く誘導することがアベノミクスの特徴です。欧州債務不安時の為替を確認してみましょう。リーマンショック以後、リスク回避の円買いが進展し、円高傾向が続きました。しかし為替相場では115円にチャレンジする展開。つまり、金融緩和をすることで、日米の金利差が拡大するのです。日本が金利を低めに誘導する一方で、米国は利上げをしています。当たり前ですが、金利が高い米ドルの方が買われやすい展開になるのです。この円安は、日本の大手企業にプラスの要因をもたらしました。実際に輸出株中心に企業業績が改善したことで、日経平均株価の押し上げにつながったのです。これもアベノミクスの功績のひとつと言っていいでしょう。

海外フローが日本回帰。外国人投資家による日本株買い占めが進展

アベノミクスを機に、海外勢のフローも日本市場に回帰しました。リーマンショックに、欧州債務危機。金融不安に端を発する下落が2010年代初頭まで継続していました。為替も円高で、日本のインデックスも伸び悩み、海外勢が日本株から資金を引き上げる傾向が続いていたのです。しかし、アベノミクスを機に企業業績が回復したことを受け、海外勢が日本の株式市場に回帰してきました。特に、アベノミクス初年度とも言える2013年には、海外勢の日本株買越額が15兆円を超えました。日本の株式市場の構造を鑑みると、インデックスを持ち上げるには海外勢の資金フローは必要不可欠です。アベノミクスにより、海外勢が日本に回帰したことにより、日経平均が上昇トレンドに乗ったと言えるのです。

投資部門別売買動向を見て海外勢のフローを確認する

日本の株式市場における海外勢のシェアは約7割。アベノミクス相場が海外勢の買い越しで上昇を見せたように、海外勢の資金フローを読まずして投資で利益を上げることは、至難の業と言えます。海外勢の資金フローは、毎週発表される「投資部門別売買動向」を確認することで把握できます。毎週第4営業日に、前週分が東証より発表されますので確認してみるといよいでしょう。

マイナス金利政策が国内金融機関に打撃

マイナス金利政策が国内金融機関に打撃

確かにアベノミクスは、日本の株式市場に好影響をもたらしましたが、副作用があることも事実です。積極的に金融緩和を進めたことで市場金利が低下。それにともなって国債の金利まで下落したのです。2016年2月に導入されたマイナス金利政策は、債券の金利に収益を頼っていた金融機関にとって大きな打撃となりました。また、日本銀行当座預金からの金利収入もなくなります。それどころか、今まで収益源だった部分がコストに変わってしまったのです。日銀におけるマイナス金利政策は、今後、金融機関の統合と言う形で副作用が表れてくるでしょう。

行き過ぎた金融政策は出口戦略の難しさをもたらす

日本は、これまでに他国で類を見ないような金融政策(非伝統的金融政策)を積極的に導入しています。思うようにアベノミクスが進まないことから、成果を出している金融政策に過度に期待が集中している側面があるのです。日本では、外部要因の影響もあり、金融政策の効果を実感できるまでに時間が掛かった時期があります。この間も積極的に、金融緩和策を推し進めてきました。金融緩和が出口に向かうときの下落には、細心の注意を払う必要があります。

まとめ

アベノミクスが株式市場に与えた影響は非常に大きいと言えるのです。確かに、アベノミクス初頭は、株価上昇が継続し、企業業績も回復の一途をたどりました。しかし、出口に向かい始めるここからが正念場。個人投資家も出口を誤らないように投資戦略を練る必要があると言えるのです。

札幌で働く元証券マンのファイナンシャルプランナー。専門分野は株や投資信託を用いた中長期での資産形成。
趣味はスポーツ全般で小、中、高と野球部に所属。また、米国への留学経験があり、海外スタートアップ事情にも精通。
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