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増資すると株価が下落するというのは誤解?

増資すると株価が下落するというのは誤解?

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横山研太郎
横山研太郎
記事の難易度:★★★☆☆

上場企業が増資を発表すると、ほとんどの投資家は反射的に「株価にネガティブな材料」と考えます。実際に、増資発表をきっかけに株価が下落する例が多いため、そう考える人が多いのも仕方ないでしょう。しかし、「増資が株価の下落を招く」のではありません。

今回は、増資が株価に与える影響を理解した上で、増資をきっかけとした売買のチャンスについて考えてみましょう。

「増資=株価下落」は誤解

大前提として、増資=株価下落ではないことは理解しておきましょう。増資=株価下落と受け取られがちですが、増資は株価の変動に影響しないことが理論的に証明されています。

それでも増資が株価下落の引き金になる要因として、増資がネガティブに受けとられがちなことがあります。増資とは、新規株式を発行することであり、一株あたりの持ち分が少なくなる株式の希薄化の原因となります。

増資をすると持ち分の希薄化が起きる

株式の希薄化が起きると一株あたりの純利益(EPS)が低下するため、一株の価値が下がると考えられて株価の下落を招くのです。

例えばEPS100円の銘柄が、増資によって90円まで下がると、それに応じて株価も1割程度下がることになります。

増資目的は株価を動かす理由になる

ここまでは「増資した瞬間の利益」について見てきましたが、「増資の目的」まで考えると見方が変わってきます。

増資は会社が必要とする資金調達を目的とするものです。その資金で何をするかが重要であり、目的によって株価が変動するのです。

現状維持のための増資はネガティブ

資金不足対策の増資は、現状維持が目的であり、希薄化を招くだけと考えられて、株価にネガティブに働きます。ただし、増資によって上場廃止が一時的でも回避できれば、ポジティブに評価されることもあり得ます。

それでも、増資なしに生き延びられない企業には、事業再編や人員削減などの構造改革に踏み出さなければ投資を避けるべきという判断もまた成り立ちます。

成長期待があれば株価は上がる

増資で得た資金を「事業の成長資金」にあてるなら、ポジティブに評価されることも多くなります。「投資資金に余裕があればさらに成長できる」という企業が増資すると、それだけ成長が期待できます。

そうなると、一時的に株式の希薄化が起きても、いずれは株価も回復してEPSも上昇する可能性があります。そのような期待があれば、増資はポジティブに受け止められ、株価が上昇すると考えられます。

成長目的の増資でも、株価が必ず上がるわけではない

ただし、成長目的の増資なら必ず株価が上がるかというと、そういうわけではありません。重要なのは投資で十分な成長が見込めるのかという点です。

投資家は企業に対して年10%の成長を求めているのに、増資で得た資金で取る戦略で年5%しか成長できないというのであれば、その増資は投資家から評価されないでしょう。一方、年15%成長を見込む戦略を発表しても、その内容が達成できそうにないものであれば、やはりマイナス評価となります。

まとめ

長い目で見れば増資がきっかけで会社も株価も大きく成長していくケースも少なくないため、「増資=株価下落」と決めつけるのではなく、企業戦略や直近の株価を分析するようにしましょう。

また、増資で株価が下落したタイミングが買いのチャンス、というケースも見極められると、投資成績も大きく上昇するかもしれません。

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