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気候変動は株式投資にどう影響する?

気候変動は株式投資にどう影響する?

徳田陽太
徳田陽太
記事の難易度:★★★☆☆

株価に影響する外部要因には、外国市場の動向や為替レートなどがありますが、意外なところでは気候要因による変動は無視できません。

気候変動は株式にも大きな影響を与えることから、気候変動への取り組みを重視した株価指数(インデックス)も登場しています。今回は、気候変動と株価の値動きの関係について見てみましょう。

暑い夏には飲料メーカーが恩恵を受ける

猛暑日が続けばビアガーデンもにぎわいを見せて、アルコール飲料を主力とする飲料メーカーには一定の買いが集まることが想定されます。当然、冷夏では苦境に立たされることになります。

このように、飲料メーカーは気候変動が株価に影響する代表的な業種といえます。

暖冬はメーカー・量販店にダメージ

暖冬となれば暖房器具の売れ行きが伸びずにメーカーや量販店の売り上げを押し下げるので、株価のマイナス要因となります。季節要因による影響が強い白物家電を主力とする企業に投資するときには注意が必要です。

飲料メーカーや家電メーカーは景気敏感株の代表格であり、特に天候の影響も受けやすい傾向はあるものの、上場株式は多かれ少なかれ天候を含めた気候変動の影響を受けると考えるべきでしょう。

気候変動を目的とするインデックスも登場

近年、世界規模での一致した対策が求められているのが、温室効果ガスによる気候変動です。しかし、最大の排出国である米国と中国が対策に消極的であり、進捗は極めて遅々としています。

政治主導での気候変動対策の進捗の遅さに対して、金融・経済の面から気候変動対策を進めようという動きがあります。その一環として開発されたのが、気候変動対策に効果的とされる次世代交通機関や再生可能エネルギーの開発・商品化に積極的な企業を組み入れたMSCI Global Climate Index(グローバル気候インデックス)です。

日本株をアウトパフォームするグローバル気候インデックス

過去10年のマーケットを振りかえると、グローバル気候インデックスは日本株の代表的な株価指数である東証株価指数(TOPIX)をアウトパフォームしています。

グローバル気候インデックスが今後どうなるかは米国と中国の出方に左右される部分が大きいものの、グローバル気候インデックスに連動する投資信託や組み入れ銘柄を意識した買いつけは、一つの選択肢と言えます。

トランプ政権下では自動車会社の株価が上昇

2016年大統領選挙で勝利して大統領に就任した実業家のドナルド・トランプ氏は、「アメリカ第一(アメリカ・ファースト)」を政スローガンに掲げて、製造業の復活に積極的ですが、気候変動対策に懐疑的な立場をとっています。

グローバル気候インデックスに採用されてる銘柄も、トランプ大統領の姿勢を受けて右肩上がりではなくなるなど、大きな曲がり角に直面しています。

「ビッグ3」は軒並み堅調に推移

エコカーに注力する自動車会社がトランプ大統領就任で軒並み株価を下げたのに対して、堅調に推移しているのが、大型・大排気量のピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)を主力とするフォードとゼネラル・モータース(GM)、クライスラーで構成される、いわゆる「ビッグ3」です。ビッグ3はトランプ政権の誕生を追い風に、供給拡大に積極的になっています。

まとめ

これまで相反していた企業の成長と環境保護ですが、技術の進歩と社会の要請によりその利益は重なりつつあり、環境保護も企業の重要な収益源となりつつあります。

気候変動対策に注力する企業や、そうした企業を組み入れたインデックスに連動する投資信託に投資することも投資戦略の一つとして選択肢に入れてもよいかもしれません。

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