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経営の安全性がわかる指標:有利子負債

経営の安全性がわかる指標:有利子負債

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徳田陽太
徳田陽太
記事の難易度:★★★★☆

他人負債の一つであり、主に銀行からの借入金や債券発行による資金調達をしたときに生じる負債有利子負債は、投資先企業の安全性を測る上で、非常に重要な指標と言えます。財務諸表で有利子負債の割合が重い企業は、財務状況も良くないことが想定されます。

財務諸表に現れる有利子負債残高は、今回は、基礎知識とそのポイントについて確認しましょう。

貸借対照表では負債の部に記載される有利子負債

他人資本である有利子負債は返却が必要な資金であり、貸借対照表(B/S)上では負債の部に記載されます。

負債の部には買掛金や支払手形といった勘定科目も記載されますが、これらは有利子負債には含まれません。あくまでも利子の有無が有利子負債かを判断するポイントになります。

自己資本に対する有利子負債の比率に注目

有利子負債のように返済が必要な他人資本に対して、返済不要な資本を自己資本と呼び、自己資本が潤沢なほど企業の財務状況はポジティブに判断されます。

自己資本に対する有利子負債の比率が高い状況は、健全な経営状態とは言えません。投資先の企業の経営状況を知るためには、自己資本に対する有利子負債の比率を確認することが重要なのです。

有利子負債比率は低いほど良い

有利子負債比率とは、自己資本に占める有利子負債の割合を意味するので、その数値は低いほど良いといえます。有利子負債が100%を越える状態は有利子負債が自己資本を上回り、企業の体力以上に借り入れをしていることを示唆します。

経営資金のほとんどを他人資本に頼るこの状況は、財務状況が極めて悪化していると考えられます。有利子負債は低ければ低い程財務健全性が高いことは、基礎知識として押さえておきましょう。

有利子負債依存度の割合にも注目

保有資産のどの程度を有利子負債に依存しているかを表す指標が「有利子負債依存度」です。有利子負債依存度は、有利子負債を総資産で除すことで求められます。

有利子負債の総額は少ないほど財務健全性が高いので、投資対象の企業を選ぶときにはできるだけ有利子負債依存度が低い企業を選ぶことがセオリーです。有利子負債比率と有利子負債依存度を同時に分析をすることで、より詳しく投資先企業の財務健全性を分析することができます。

有利子負債が多いから悪い企業が必ずしも経営不安ではない

有利子負債が多い企業は経営状況が悪い企業かと言えば、一概にそうとは言い切れません。無借金経営でも業績が低迷していれば株価も伸び悩み、成長期待は乏しくなります。成長期待が持てない企業では、投資家からの注目も浴びにくく、株価も上昇しにくい傾向があります。

健全な有利子負債増であれば、株式市場からポジティブに判断されるケースも多々あります。有利子負債が多くても、一概に悪い企業と言い切れない理由はここにあるのです。

単年で有利子負債の動向を判断しない

有利子負債の推移を単年で判断すると、投資タイミングを誤ることは珍しくありません。堅実な経営を続けている企業でも、ある年に積極的な先行投資や設備投資により、急に有利子負債が急に増加するときがあります。

新規事業の創出等による有利子負債が増えているのであれば、そのプロセスはむしろポジティブに評価するべきです。一方、長期間にわたって有利子負債のウエートが高い企業は、財務体質の悪化が懸念される企業と言えます。

まとめ

財務諸表の数値の変動には何らかの理由があるため、貸借対照表をはじめとした決算書を分析するときには、数値変動の推移を知ることが重要です。変動の内容や背景を知らなければ、正しい判断はできません。

自身の投資の精度を高めるためにも、数値の背景を理解することに重点を置いて企業分析をするようにしましょう。

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