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決算書の見方:キャッシュフロー計算書の見方

決算書の見方:キャッシュフロー計算書の見方

徳田陽太
徳田陽太
記事の難易度:★★★★☆

現状の日本の会計システムでは、貸借対照表(B/S)と損益計算書、キャッシュフロー計算書で構成される財務諸表の定期的な開示が義務づけられています。

キャッシュフローの状況は主に、営業活動、投資活動、財務活動に分類され、それぞれに計算、開示する必要があります。

今回は、キャッシュフローの見方の基礎部分を見てみましょう。

キャッシュフロー計算書でキャッシュの増減要因を見る

お金の流れ(キャッシュフロー)とは、企業活動や財務活動によって実際に得られた収入から外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れであり、キャッシュフロー計算書には一連の資金循環が記録されます。

売掛金の回収には時間がかかるため、手元にキャッシュが入るまでにタイムラグが存在します。どれだけ大きな売り上げがあっても、手元のキャッシュが乏しければ企業の財務状況は改善しません。キャッシュフロー計算書では、キャッシュの増減とその原因を直に確認できるのが特徴です。

三つの視点からキャッシュフローを分析する

キャッシュフローは営業キャッシュフローと投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの三つに分けて考えます。

営業キャッシュフローには会社の本業、営業活動による資金循環について記載します。投資キャッシュフローはその名の通り、投資対象物のキャッシュフローです。例えば、固定資産や株式や債券といった有価証券の売買に関わる資金の流れが記載されています。財務キャッシュフローでは、資金難に陥ったときのキャッシュ獲得の過程を見てみましょう。

フリーキャッシュフローに注目することが鉄則

フリーキャッシュフローは、自由に使えるキャッシュです。フリーキャッシュフローは営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引くことで求められますが、投資キャッシュフローには事業を維持するために必要な投資も含むため、基本的にはマイナスになります。

フリーキャッシュフローが多いほど財務の健全性が高いと高いと言え、事業拡大の元手にできるなど、経営の自由度も高まります。株式投資で最も確認すべき事項と言っても過言ではありません。

過去のフリーキャッシュフローの推移を調べることが重要

優良企業のフリーキャッシュフローは長期で見ると高水準で安定的に推移することがほとんどであり、単年度のフリーキャッシュフローの変動はあまり重視されないポイントです。

どんな優良企業でも、先行投資や設備投資に多額のフリーキャッシュフローを振り向ければ書類上の見栄えが悪くなる時期があります。フリーキャッシュフローを見るなら、変動要因を知ることが重要となることは押さえておきましょう。

営業キャッシュフローが良い企業は優良企業

経常利益の増加が営業キャッシュフローの増加をもたらし、本業が順調に推移している証拠です。一方で、営業キャッシュフローが少ない状況では手元キャッシュの積み上げがなく、借り入れに頼った資金調達スタイルに陥りがち。

営業キャッシュフローは営業活動で生み出したキャッシュの総量を意味するので、キャッシュフローの中で最も重要な指標です。営業キャッシュフローを確認することで、企業の財務状況も確認できるのです。

優良企業は投資キャッシュフローがマイナスのことが多い

企業経営においては、健全な経営のために必要な支出も重要です。基本的に、土地や建物に代表される固定資産への投資はマイナス計上される一方で、これらを売却して、投資額を上回ればプラス計上になります。

健全な事業投資をしている企業であれば、投資キャッシュフローはマイナスであることが多いのです。

財務活動キャッシュフローは見方に注意

財務活動キャッシュフローはその見方に注意する必要があります。借金を返済すればその数値はマイナス計上され、借入金や債券等で資金調達をすればプラス計上されます。財務活動キャッシュフローでは、他人資本の返却を意味するマイナス表記が健全経営の指標と言えます。

先行投資の積極的な資金調達はポジティブ要因

一方で、先行投資をするためにする積極的な資金調達も企業にとってはポジティブな経営活動です。一概にマイナスだから良く、プラスだから悪いとは言い切れません。その点は押さえておく必要があるでしょう。

まとめ

キャッシュフロー計算書は、考え方が独特で、その見方に慣れないかたもいらっしゃるでしょう。

キャッシュフロー計算書を読み解くポイントは、数値変動にある背景を読み解くことです。表記されている数値だけで安易な投資判断をしないように心がけることが大切です。

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