
スムーズに株式を売買するための「板(いた)」の読み方
出来高が乏しい銘柄で成行注文を出すと、思わぬ値段で約定するリスクがあります。だからといって直近の値段を参考に注文を出すのも、リアルタイム性という点では大きなマイナスです。そこで注目したいのが取引量の目安となる板(いた)です。
今回は、注文を約定させやすくするのに欠かせない、板の読み方を覚えておきましょう。
この記事のもくじ
「板」の仕組みと使うタイミング
板とは、ある銘柄にいくらでどれだけ注文が入っているのかを一目で見られるようにした仕組みです。株式取引では取引相手が必要ですが、板を見ればどれだけ取引相手がいるのかを一目で把握できます。
板を見るときには、自分の買いたい価格で売り注文が出ているか、売りたい価格で買い注文が出ているかに注目しましょう。板を見ることで現在注文が入っている価格と株数が把握できるので、約定しやすい注文を出すことができます。
板の確認はネット証券が便利
ある銘柄の板を見るには、証券会社で口座開設をすれば確認できます。特にネット証券の取引画面では板をはじめとする個別銘柄の情報が集約されているので、利便性が高いのが魅力です。
ネット証券以外にも、証券会社の窓口や電話サービスでも確認できますが、手軽さや費用を考えるとネット証券がもっとも簡単・確実です。
板を見て分かること
板を見れば、1円刻みでどれだけ売買注文が一覧できるので、銘柄ごとの詳細が分かります。また、現在の株価や売りと買いのどちらに注文が多く入っているかや総注文数も一目でわかるので、人気度合いも把握できます。
総注文数が多ければ短期売買をしている投資家が多く、取引が活発であることが予想されます。そのような銘柄は約定しやすいため、買いやすく売りやすい銘柄であると判断できるのです。
板情報を生かした注文方法のアイデア
すぐに取引を成立させたいなら、板を読むことは欠かせません。板を読めば注文状況を把握して、状況に合わせた注文を出せるようになります。例えば、現在の取引価格が500円の銘柄の板で、一番多い注文が501円の売りで10,000株、499円の買いに20,000株としましょう。
この板を見て売り注文を出したいとしたら、20,000株までなら499円ですぐに約定します。買い注文は10,000株までは501円ですぐに約定できるでしょう。注文価格を指定せずに注文する「成行注文」なら、499円で売り注文、501円で買い注文が成立する可能性が高いことも分かります。
取引時間中は板をこまめにチェックしよう
板情報を取引に生かすなら、売買が成立するまで板をこまめにチェックしましょう。
特にデイトレーダーは、銘柄についてのニュースはもちろんのこと、板の動きも重視しています。デイトレーダーが参加するような値動きが激しい銘柄を売買する時は必ず板を読むようにしてください。
板の動きだけで売買をしてもいい?
板の動きだけでも売買はできますが、思わぬ損失を被るリスクは小さくありません。板情報は時として仕手筋の仕手株に利用されることもあるので、惑わされないようにしてください。個別株投資では、板やチャートなどのテクニカルだけではなく、市況や企業情報などのファンダメンタルズにも注目しましょう。
また、中長期投資を考えている人は板の動きに敏感になる必要はありません。取引が成立するかだけに注目すればよいでしょう。
まとめ
板の読み方を知ればスムーズな約定に繋がるだけでなく、他の投資家の動きも分かるため、株価が上昇・下落の予想も立てやすくなります。しかし、板に頼りすぎるのは禁物です。
銘柄によっては値動きが激しすぎたり、知らないうちにマネーゲームに取り込まれるリスクもあります。株式投資では、一つの情報に頼りきるのではなく、地道な市場研究・企業業績のチェックが欠かせません。
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