
証券口座の作り方とは?投資初心者のための開設方法・必要書類を解説
近年のネット証券の口座開設数の伸びはめざましいものがあり、主要ネット証券の口座数を日本の人口割合に当てはめると、5人に1人は証券口座を持っている計算になります。もちろん、1人で複数の証券会社口座を持っていることもありますが、株式取引は以前に比べても身近なものになっているのです。
今回は、これから株式投資をはじめてみたいというあなたのために、株式投資の第一歩である証券口座の開設方法を解説しています。
この記事のもくじ
株式投資をはじめる前の疑問解消
株式投資はその名前の通り投資であり、パチンコや競馬に代表されるいわゆる投機とは別物です。財務情報や市場価値にもとづいて投資する株式投資は、遊戯的な要素はそれほど大きくありません。株式投資はデータに基づく取引が中心となる点は、カンによる取引が中心となるギャンブルとは違う点です。
株式投資で失敗するのは無理な投資が原因
家を失ったり、路頭に迷ったりと、株式投資に対する負のイメージは限りがありませんが、実際にそのような事例におちいるのには、無理な投資が大きな原因であることがほとんどです。手元に生活費を含む貯金が100万円あったとして、それをすべて投資に使ってしまうのは誰でも間違った方法であるとわかるでしょう。
余裕を持って投資に臨めば、一度の失敗で全財産を失って借金を背負うようなことはありません。株式投資の王道は、余裕資金を元手に中長期でコツコツ増やしていく運用方法です。
景気転換期は株式投資の好機
1990年代のバブル崩壊後、日本経済は「失われた20年」と呼ばれる長期低迷に入りました。長引くデフレ不況や急速に進む少子高齢社会により、日本経済の先行きは暗いものと言われていました。しかし、第二次安倍政権の発足から掲げられるアベノミクスにより、この風潮は変化しつつあります。
景気と株価は密接な関係にあるといわれていて、景気回復・経済成長がより明確になれば、株式取引での大きなリターンが期待できるのです。情勢が動きやすいときこそ好機と考えましょう。
早めにはじめれば投資の機会損失を抑えられる
証券口座を持っている人ならある銘柄に好材料が出て明らかに株価が上がりそうな状況のときに、すぐにその銘柄に投資できます。しかし口座開設が完了していなければ、まずは口座開設からとなるので、投資のタイミングはとっくに逃しているでしょう。
タイミングが重要な株式取引では、事前準備をどこまで進めているかが利益に大きく影響します。いつでも投資できる環境のためにも、最低限、口座開設だけは済ませておくべきなのです。
初心者のための証券口座を開設する方法
証券口座の開設手続きはとても簡単です。口座開設の流れを見てみると、手続きは大きく三つに分けることができます
- 口座を開設する証券会社を選ぶ
- 口座開設に必要な書類を用意する
- 証券会社の口座開設画面から申し込む
対面証券とネット証券を問わず、このような流れで口座開設を進めます。ネット証券ではスマートフォンだけで手続きが完了するほど簡略化が進んでいます。
口座開設する証券会社を選ぶ
まずは口座開設する証券会社を選びましょう。証券会社を選ぶ基準は人それぞれですが、ネット証券なら取引手数料以外に各種費用はかからないので、口座開設だけをしていても負担はありません。開設した後に使いづらいと感じたら、他の証券会社でもう一度開設すれば良いのです。
本格的に株式投資をしている人なら複数の口座を持っていることは珍しくありません。複数口座を活用する投資テクニックもあるので、証券口座を複数開設しても問題ないのです。
必要書類を用意する
口座を開設をする証券会社を決めたら、必要書類を用意しましょう。どの証券会社でも口座開設の手続きの流れはほとんど同じですので、証券会社によって必要書類が変わるケースはほとんどありません。
証券口座を開設するときに必要書類は以下のようなものです。
マイナンバーカード(個人番号カード)
2016年1月以降、証券口座の開設をする場合にマイナンバーカードを提出することが義務付けられました。
マイナンバーの提出方法は証券会社によって異なりますが、ネット証券なら「通知カード」または「個人番号カード」の画像データを送付するだけ。スマートフォンで撮影して専用フォームからアップロードするだけでOKです。郵送による手続きも可能ですが、ネット上で完結するほうが楽ですね。
本人確認書類
本人確認書類は、氏名・住所・生年月日の記載があり、申込み時点で有効なものが必要となります。運転免許証やパスポートのように顔写真ありのものなら一種類、住民票や健康保険証のように顔写真なしのものなら二種類を用意するのが一般的です。
顔写真付きのマイナンバーカードなら、表面を本人確認書類、裏面をマイナンバーの確認書類として提出を兼ねている証券会社もあります。マイナンバーカードをお持ちの方は、提出書類を少なくすることができて便利です。
書類以外に必要なもの
本人確認書類やマイナンバーカードといった書類以外にも、証券口座の開設に必要なものはいくつかあります。
メールアドレス
ネット証券の口座開設のときに求められるのがメールアドレスです。従来は重要書類を郵送でやり取りしていましたが、ネット証券ではメールでやり取りします。フリーのメールアドレスでも構いませんが、セキュリティの観点からも、個人で管理するメールアドレスを使いましょう。
印鑑
証券会社の口座開設には印鑑が必要です。実印でなくても構いませんが、シャチハタやスタンプ印、ゴム印は不可ですので、銀行印のように鮮明に押印できる印鑑を用意しましょう。
ネット上で口座開設の申込をする段階では使用しませんが、申込後に送付されてくる書類の中に「口座開設申込書」というものがあり、その申込書に押印するために印鑑が必要となります。
証券会社の口座開設画面から申し込む
開設に必要な書類がそろったら、証券会社の口座開設画面から案内に沿って手続きを進めましょう。
必要項目を入力して申込みが完了したら、証券会社から書類が送られてきます。申込み完了時点で取引がはじめられる証券会社もありますが、書類を返送しなければ取引できないケースがほとんどなので、郵送書類は必ず確認しましょう。
投資初心者が証券会社を選ぶポイント
口座開設に必要な書類をそろえたら、次に気になるのは口座開設をする証券会社をどこにするかということです。そのためのポイントをピックアップしてみました。
取引手数料が安い証券会社を選ぶ
手数料の安さは投資初心者が重視したいポイントです。はじめたばかりでいきなり儲けられることはあまりないでしょうから、できるだけ安い手数料の証券会社で取引をすることで、出費を抑えることが大切なのです。
実際に、証券会社毎の手数料を見てみましょう。取引金額に応じた一回の取引にかかる手数料を、証券会社別に一覧にしてみました。
※手数料は すべて税込 | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 | 200万円 | 300万円 | 500万円 | 1000万円 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
証券会社 | 10万円 | 20万円 | 30万円 | 50万円 | 100万円 | 200万円 | 300万円 | 500万円 | 1000万円 | |
82 | 104 | 192 | 352 | 418 | 484 | 825 | 825 | 1936 | 現物取引と信用取引を合算した取引金額で算出 | |
88 | 106 | 198 | 198 | 374 | 660 | 660 | 880 | 880 | ||
96 | 107 | 265 | 265 | 479 | 917 | 917 | 917 | 917 | ||
99 | 198 | 275 | 275 | 約定金額×0.099%+99円 上限:4059円 | 約定金額×0.099%+99円 上限:4059円 | 約定金額×0.099%+99円 上限:4059円 | 約定金額×0.099%+99円 上限:4059円 | 約定金額×0.099%+99円 上限:4059円 | ||
108 | 385 | 385 | 385 | 660 | 1100 | 1650 | - | - | ||
99 | 275 | 275 | 275 | 535 | 535 | 535 | 1,013 | 1,013 | スマートフォン用アプリおよび携帯電話からの取引は50万円を超えると約定金額の0.1% | |
88 | 110 | 264 | 264 | 517 | 990 | 990 | 900 | 900 | ||
137 | 198 | 275 | 440 | 880 | 1650 | 2200 | 3000 | 4500 | ||
99 | 115 | 275 | 275 | 535 | 1013 | 1013 | 921 | 921 | ||
99 | 115 | 275 | 275 | 535 | 1013 | 1013 | 921 | 921 | ||
183 | 381 | 381 | 381 | 686 | 1286 | - | - | - | ||
88 | 175 | 264 | 440 | 880 | 1760 | - | - | - | 現物取引と信用取引を合算した取引金額で算出 ※以降、約定金額が100万円増えるごとに 800円を追加。上限は1億24000万円超/108000円 | |
0 | 330 | 550 | 550 | 1100 | 2200 | - | - | - | 以降、約定金額が100万円増えるごとに 1000円を追加。上限は1億円超/100000円 |
証券会社に固有のサービスは投資経験者向きのものも多く、初心者の方には何のことやらわからない部分が大半だと思います。とりあえず口座開設をして売買をするだけならば、手数料の安さだけで選ぶというのも一つの選び方だと思います。
株の教科書.comでは手数料が安い証券会社を比較できる、手数料格安ランキングを公開しているので、参考にしてみてください。
投資初心者向けサービスに力を入れている証券会社を選ぶ
投資に関するニュースは、ネットや新聞、テレビなど、さまざまな媒体で流れていますが、それらの情報から投資先を見つけるのは簡単ではありません。
証券会社によっては、投資情報の配信や集約された情報を提供してもらえます。有料で販売されているような情報も、口座を開設していれば無料で得られたり、投資セミナーや専門アナリストの解説など、初心者向きの有益なサービスを受けられる証券会社もあります。
投資初心者こそ、投資初心者向けのサービスに注力している証券会社を選ぶのも良いでしょう。
知名度が高い証券会社を選ぶ
安心感を求めるなら、誰もが知っている有名な証券会社を選びましょう。みんなが利用していると聞くと、不思議と安心感が生まれます。投資だけに集中するなら、安心感を求めるという考え方もおかしくはありません。
知名度が高い証券会社の中から、手数料やサービスといった複数のポイントで選ぶという選び方もおすすめです。
まとめ
口座開設が完了したら、一緒に投資方法を学びましょう。口座開設完了後に読むなら、株の買い方や銘柄選びのポイントをまとめた記事がおすすめです。
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