
外国人投資家の売買動向の見極め方
日本の株式・為替市場の取引参加者には「外国人投資家」が多く、売買動向によって大きく相場の流れが決定づけられることもあります。
今回は、「外国人投資家」の定義と解説、動向の見極め方、運用に役立つポイントを紹介していきます。
この記事のもくじ
日本市場における「外国人投資家」の比率
日本の主要マーケットである東京証券取引所(東証)は、外国人投資家比率が非常に高く、その動向は株価に大きな影響を与えることで知られています。その割合は6割を超えていて、その影響力はかつてなく高まっています。
国内投資家と外国人投資家の違いは、何と言っても「マーケット判断スピード」です。
外国人投資家比率増加による影響と分析
日本人の投資家なら多少不利なニュースやイベントリーが発生しても、「これぐらい大丈夫だろう」とポジションを持ち続ける傾向があります。これに対して外国人投資家は、「疑わしきは売り」の精神で株式を即座に手放すので、その影響は大きく、一日で数百円単位の値動きの原因となることもあります。
外国人投資家が売買動向に与える影響は大きく、日本の株式市場のトレンドを考えるときには無視できない存在となっています。
外国人投資家の売買動向調査方法
外国人投資家の売買状況は、東京証券取引所が発表する投資部門別売買状況 で知ることができます。これは、外資系証券会社経由で注文が出された内容を週ごとに公開している数値で、だれでも無料で見ることができます。
この投資部門別売買状況が大きければ「短期的に株価が膨らんでいる状態」、減少していれば「株式からより安全な資産に向かっている状態(リスクオフ)」になっている状況であるということが分かります。
そもそも「外国人投資家」とはなんなのか?
投資部門別売買動向で外国人投資家として表示される数値は「外資系証券会社経由で注文された株数」であり、仮に日本の年金基金などが外資系証券会社経由で注文を入れても、外国人投資家にカウントされます。
そのため、外国人投資家が多いといっても、詳しく見ると「外国人がマーケットに多い」のではなく、「外資系証券会社の売買が活発なだけである」という状況も想定されるので、注意が必要です。
外国人投資家動向の傾向と活用方法
ではなぜ外国人投資家が多いのかいうと、それは海外の「年金基金」や「ヘッジファンド」などの巨額資金を動かす「機関投資家」が国内に比べて非常に多いからです。
個人の売買での上限値となる数億円程度の資金では、大規模な機関投資家が動かせる資金量に比べれば砂粒のようなもので、これが近年までの「個人をないがしろにし、大手を優遇する」という証券業界の風潮にもつながっています。
まとまった金額の取引は市場を動かす
ここで注意すべき点は、「外国人投資家は圧倒的に取引する資金量が多い」という点です。資金量が多い=一度の売買で株価に与える影響が大きいので、外国人投資家が一気に資金を引き揚げると、それが原因で株価暴落につながるのです。
まとめ
証券市場における外国人投資家とは、「外資系証券会社経由の注文数」が実態であり、その数は東京証券取引所に週ごとに発表されています。
資金規模も大きく、売買スピードも速いため、この数値を定点観測し、活用することで売買に生かすことができます。投資は自己責任ですが、上手く活用できれば大きな収益を得ることができるかもしれません。
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