
どう進める?不動産投資信託(REIT)の売買
投資初心者には敷居が高く感じる不動産投資信託(REIT)への投資ですが、その売買は個別株への売買となんら変わりがありません。売買単位も統一されている分、非常にわかりやすい仕組みです。一方で、REITの運営にはさまざまな利害関係者の思惑が働くことも事実です。
今回は、REITを購入時の基礎知識や売買について、はじめての人が特に気になるポイントを中心に見てみましょう。
この記事のもくじ
投資対象は分配金利回りやNAV倍率を見て選ぶ
REITに投資するメリットは、分配金の利回りが株式よりも高利回りな点であり、投資銘柄を決定するときには分配金利回りは特に注目したいポイントです。
分配金実績や予想分配金をもとに、どの程度のインカム収入が得られるかを確認します。また、NAV倍率等の投資指標を用いて、バリュエーションを確認することも重要です。
決算情報からデータ収集をする
ここまでの内容は、すべて決算情報に網羅されています。予想分配金はもちろん、過去のデータも一定期間さかのぼれるので、NAV倍率を算出する際の純資産額等も情報公開されています。
東京証券取引所(東証)には適時情報を開示する義務(タイムリー・ディスクロージャー)があるため、これを活用することで、より効率的な取引ができます。
REITは比較的リスクが高い商品であることを理解する
REITは不動産に投資する商品であり、景気等の外部環境の変化にビビッドに反応して、値動きが荒いという特徴があります。不動産価格の下落や急激な金利上昇に弱いので、REITに投資するときには、金融政策の動向を逐一確認する必要があります。
需給悪化は無視できない下押しリスク
不況で不動産の借り手・買い手が居なければ、需給の観点から更に下落が早まるので、需給を確認することは非常に重要です。需給悪化が予測されるときには、早め早めの売却がセオリーです。
利害関係者の思惑を理解することが重要
REITの運営法人は株式会社でいうところの株式に当たる「投資証券」を発行していて、REITへの投資はこの投資証券を購入することを指します。運営法人は投資証券の対価として投資家から預かった資金で不動産投資をして、物件の賃料収入や物件の売買で得た収益を投資家に分配します。
資金調達の手段には投資証券のほかに、金融機関から融資や株式会社でいうところの社債に当たる「投資法人債」を発行することもあります。このように、REITの動向は運営法人が大きく影響しているので、その思惑を理解することが重要になるのです。
健全な運営にはアセットマネジャーの協力が重要
仮にスポンサーの言い値や高値で不動産を取得する決断を下してしまうと、個人投資家の利益が損なわれてしまいます。アセット・マネジャーはスポンサーの言いなりにならないよう、自浄作用を働かせる必要があるのです。
REITの健全運営には、アセットマネジャーの自浄作用と、良心あるスポンサーの後ろ盾も必要不可欠と言えるでしょう。
まとめ
高利回りで人気のREITは、景気動向に敏感な商品であり、適切なタイミングで取引をしないと大きな損失をこうむるリスクがあります。
また、その運営にはさまざまな利害関係者の思惑が働くので、資金運用者の思惑までくみ取る必要があるなど、株式とは別種のリスクがある商品です。REITにに投資をするときには、これらの点を踏まえて投資するようにしましょう。
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