
シンガポール株に投資するには?東南アジアの金融・貿易の中心地
シンガポールの1人当たりの国内総生産(GDP)は東南アジア諸国連合(ASEAN)の中で圧倒的第1位。観光立国でもあり、日本からも多数の観光客が訪れています。まだ投資するチャンスはあるのでしょうか?
今回は、シンガポール株式へ投資するときのポイントを見ていきましょう。
この記事のもくじ
東南アジアの金融・貿易の中心地シンガポール
長い間、シンガポールは東南アジアの金融・貿易の中心地として機能してきました。国民1人当たりの名目GDPも高水準をキープしていて、2016年は米国に次いで第10位に位置しています。日本の順位が22位であるところを見ると、生産性がとても高いことがわかります。
金融・貿易立国であることが弱点でもある
しかし、懸念材料もないわけではありません。2000年代初頭まで2桁近い水準を維持していた経済成長率は、2014年あたりから3%程度に鈍化しています。また、シンガポールの主要な収入の一つである観光収入は、旅行客数によって左右されます。景気の良くない国からは観光目的であれビジネス目的であれ、旅行客はやってこないのです。産業が他国の景気に左右されてしまう点はシンガポール経済の弱みと言えるでしょう。
シンガポールの株式市場の特徴とは?
シンガーポールの株式取引は「シンガポール証券取引所(SGX)」で行われていて、大企業向けの「メインボード」と新興企業向けの「カタリスト」に分かれています。SGXの特徴として、上場企業に外国企業が多いことが特徴です。貿易でも深いつながりのある中国企業の上場が増えており、770社ほどある上場企業のうちシンガポール企業は500社弱、中国企業は100社ほどの構成になっています。
メインマーケットに上場している企業で一番多い業種は製造業であり、中でもシンガポールの輸出産業であるエレクトロニクス分野の企業がもっとも多くを占めています。
そして、株式の時価総額の高さでは金融関連企業が占めています。金融関連企業が高く評価されているのは、シンガポールが東南アジアの金融の中心地であり、他国との貿易が多いことが理由です。シンガポールの経済・株式市場は「外国企業・株式」があって成り立っているように思えます。
シンガポール株のおすすめ銘柄は?
貿易大国であるシンガポールのおすすめ銘柄は貿易関連銘柄です。運輸関連、金融関連は貿易と密接な関係がありますし、シンガポールの輸出品であるエレクトロニクス関連、石油製品関連の企業にも要注目です。
シンガポールは国土が狭いという弱点がありますが、人材力や技術力で成功しています。成長率は鈍化しているものの、安定はしているので投資先としては今後も期待できるでしょう。
シンガポール株を購入できる証券会社は?
他の外国株と同じくシンガポール株に投資できる証券会社は限られており、主要ネット証券ではSBI証券が約38銘柄、楽天証券が約83銘柄を取り扱っています。手数料はSBI証券が約定代金の1%(最低手数料28シンガポールドル = 2,200円ほど)、楽天証券が約定代金の1%(最低手数料500円)となっています。
国内証券会社でシンガポール株を取引できるのは限られた証券会社だけですが、有力企業の株式の取り扱いはあるので、隠れた優良企業を探すのでなければ、特に過不足のない内容といえそうです。
シンガポール株投資で注意すべきポイント
シンガポールだけで事業を行っている企業もありますが、やはり国全体で貿易に力を入れているだけあって、他国からの輸出入を事業の中心に据えている企業が多くあります。シンガポール株投資では、国が貿易に対してどのような政策を取っているかという点がとても重要になります。
また、相手国の景気についても確認しておく必要があるでしょう。シンガポールが好景気であっても、輸出相手国が不景気だと輸出入量が減少して景気減速におちいる可能性がありますので注意してください。
まとめ
シンガポールは貿易で成り立っている国ですので他国の景気に左右されてしまう面があります。しかし、経済システム等はしっかり構築されており、非常に安定している国です。外国株の中でも、今後の成長を見越した投資をおすすめできる国のひとつでしょう。
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