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東証二部降格に投資することのデメリット

東証二部降格に投資することのデメリット

横山研太郎
横山研太郎
記事の難易度:★★★☆☆

2017年8月に家電業界の名門企業として知られた東芝(6502)が東証二部に指定替え(降格)となりました。2016年には、台湾の鴻海(ホンハイ)傘下となったシャープ(6753)も東証二部に降格となったことを覚えている人も多いでしょう。

ネガティブなイメージの強い二部降格ですが、それによりどのようなことが起きるのかをしっかりと理解している人は、あまり多くありません。

今回は、東証二部に降格されると起きるデメリットを見てみましょう。

降格のイメージダウンで売り圧力がかかる

世間では「東証一部上場企業は優良企業」というイメージがあるので、二部降格の時点で経営が悪化していなくても優良企業失格というイメージがついてまわります。株式取引ではイメージも重要な要素であり、降格のイメージダウンで株式が売り込まれることは珍しくないのです。

実際に粉飾債務や業績悪化が降格の原因であれば、そのイメージはますます強まります。

降格理由が「債務超過」なら上場廃止も意識される

債務超過による二部降格なら、資産やグループ会社の売却などで債務超過が解消されなければ、上場廃止が意識されます。そうするとさらに売られて値下がりするという悪循環に陥りがちです。

インデックスファンドの資金が引き上げられる

二部降格には、機関投資家による大量売却のリスクがあります。この売り圧力は大きく、銘柄入れ替えにともなう値動きは大きなインパクトとなります。

特に日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった株価指数(インデックス)に連動する成績を目指すインデックスファンドは投資対象が東証一部上場銘柄に限られているため、二部降格によりインデックスから除外されることが明らかになった時点でファンドから売却されます。

資金流入が乏しくなるので流動性が低くなる

機関投資家の保有している株式が売却されると、それ以降買い注文が入ることもないため、結果として出来高が減り、流動性が低い銘柄になる可能性があります。

流動性が低い銘柄は希望するときに価格で好きな時に売買できないため、投資対象から外す個人投資家もでてきます。

中長期的には会社の信用力が低下する

二部降格の理由がネガティブなら、会社経営そのものが不利になる可能性があります。財務状況の悪化で銀行借り入れや社債の金利が上昇すれば金利負担が重くなり、純利益が減少します。

利益が減った分だけ株価収益率(PER)が上昇するので、株価は割高と判断されます。また、支払い条件が厳しくなってしまうと、多額の運転資金が必要となり、自己資本利益率(ROE)の低下につながります。

長期的な成長が難しくなってしまうとも言える

「東証一部上場」という企業ブランドは強力であり、二部降格によるイメージ悪化や将来性への不安で採用活動が難しくなるというリスクがあります。優秀な人材が集まらないということは、中長期の成長にも悪影響が懸念されます。

二部降格が長引くと、ボディーブローのように経営にも悪影響があり、株価が上がりにくい銘柄になるリスクもあるのです。

まとめ

二部降格には相応の理由があることが多く、株価にもそれ相応の影響があります。理由次第では創業以来東証二部上場という会社と比べても、先行きが不安視されやすい傾向があります。

降格前と比べると株価が割安水準であるため、割安株(バリュー株)投資の対象としたくなりますが、企業として経営を続けられるかは慎重に吟味してから投資するほうがよいでしょう。

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