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東証2部への降格で考えられるデメリット

東証2部への降格で考えられるデメリット

株の知識レベル:★★★☆☆

家電業界の名門企業である東芝が、2017年8月から東証2部に降格となりました。2016年には、シャープも東証2部に降格となっていたことを覚えている人も多いでしょう。
しかし、株式投資の初心者で、東証2部に降格されることでどのようなことが起きるのかをしっかりと理解している人は、あまり多くありません。今回は、東証2部に降格されることで起きるであろうデメリットについて説明します。

降格されることのイメージダウンで株が売られる

まずは、東証2部に降格することで短期的に起きる「株価への影響」からお話しします。
東証1部上場ではない企業の中にも、優良企業はたくさんありますが、世間では「1部上場は優良企業」というイメージがあります。そのため、1部から2部に降格されるということは、優良企業ではないと考えられてしまいます。実際、業績の悪さで降格されてしまったのであれば、なおさらです。
「2部に降格するような会社の株は買いたくない(売ってしまいたい)」と考える投資家が増えることで、株価が下がる可能性があります。

東芝のように、「債務超過」が降格理由だと上場廃止も意識される

東芝の例では、業績悪化の懸念はさらに深刻です。債務超過になってしまったからです。債務超過が理由で2部降格になったため、資産やグループ会社の売却などで債務超過が解消されなければ、1年後に上場廃止になってしまいます。今回のような例では、債務超過が解消されなければ、上場廃止が意識されて、さらに株が売られてしまう可能性があるので注意が必要です。

指数連動型投資信託(インデックスファンド)の資金が引き上げられる

指数連動型投資信託(インデックスファンド)の資金が引き上げられる

東証2部へ降格されると、「強制的に売られる株がある」と言うことも知っておきましょう。投資信託や機関投資家が保有している株が大量に売却される可能性があります。
東証株価指数(TOPIX)に連動する投資信託は、東証1部の銘柄のみが投資対象です。東証2部に降格した銘柄を保有していると、正しく運用することができません。そのため、強制的に売却して、代わりの銘柄を購入しようとします。東芝のような巨大企業の場合は、日経平均連動型や大型株に連動するタイプの投資信託が保有している株も売却されてしまうでしょう。
また、機関投資家の中には、「東証1部の銘柄のみでトレードする」と方針を定めているところもあります。その分の株式も売却されるでしょう。

資金流入が乏しくなるため、流動性が低くなる

投資信託や機関投資家の保有している株式が売却された後は、同じ理由で、買い注文が入ることもありません。結果として出来高が減り、流動性が低い銘柄になる可能性があります。流動性が低いと、好きな時にそのときの価格で売買できる可能性が減ってしまうため、投資対象から外す個人投資家も出てくることでしょう。

中期的には、会社の信用力が低下してしまう

次に、長い目で見て、2部降格のデメリットを考えてみましょう。
降格した理由が、業績不振などのネガティブな理由であれば、会社の日常的な取引が不利なものになってしまう可能性があります。
財務状況の悪化で銀行借り入れや社債の金利が上昇すると、それだけ金利負担が多くなり、株主に帰属する純利益が減少します。利益が減った分だけ株価収益率(PER)が上昇し、株価は割高と判断されます。
また、仕入れ先への支払い条件が厳しくなってしまうと、多額の運転資金が必要になってしまい、株主資本利益率(ROE)の低下につながります。経営指標が悪化すると効率的な経営ができていないと判断され、この場合も株価が割高だと判断されるでしょう。

長期的な成長が難しくなってしまうとも言える

さらに長期的に考えると、会社を成長させられる人材の確保にも問題が出てきます。「東証1部上場企業」というブランドは強力で、2部に降格してしまうと、イメージ悪化や将来性への不安で採用活動が難しくなってしまいます。
将来の会社を支える屋台骨となってもらえそうな優秀な人材が集まらないということは、5年後・10年後の成長にも影響が出てきてしまいます。
このように考えると、東証2部に降格してしまい長期間そのままだと、ボディーブローのように経営への悪影響があり、株価が上がりにくい銘柄になってしまうリスクもあるのです。

まとめ

東証2部への降格には、これらのようなさまざまなデメリットがあります。明確な理由があって降格されてしまうのですから、それ相応の影響があるのです。そして、しばらくは「降格」という悪いイメージがついてきてしまうため、場合によっては、「ずっと東証2部」という会社と比べても、先行きが不安視されやすいこともあります。
降格前と比べて株価が下がっていることが多く、一見すると割安に見えるかもしれません。しかし、降格した会社の業績がどうなっていきそうなのか、他の投資家がその会社のことをどう考えているのかなどを、しっかりと見極めて、売買するべきかを検討するようにしましょう。

大阪でファイナンシャルプランナーとして活動。
資産運用に関する記事やビジネス関連の記事を多数執筆。
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