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命取りになる前に覚えておきたい差金決済取引

命取りになる前に覚えておきたい差金決済取引

株の知識レベル:★★★☆☆

株式取引の手法に差金決済取引というものがあります。株式を何度も売買するときに、その都度入金をせず、売買の価格差の金額のみをやり取りするというものです。
一見するととても素晴らしい取引手法のように思われるでしょう。しかし、注意点も多くあります。
今回は差金決済取引がどのようなものか、実際の取引で気を付けないといけない点についてもご紹介します。

差金決済取引とはどのような取引?

通常の現物株の取引では、取引ごとに購入代金を入金するか、証券会社に差し入れている「預かり金」から差し引かれます。その後、株式を売却したら売却代金を受け取ります。同日中に再度同じ株式を購入するのならば、初回分・再度分の購入金額全てを準備しておかないといけません。
これに対して差金決済は、ある銘柄を同日中に売買するときに、差額のみで決済することです。具体例を次項で挙げていきます。

差金決済取引を具体的に見てみよう

例えば、証券会社に150万円の預かり金を差し入れている人がいたとします。この人が1日で行った売買の流れを見ていきましょう。

  • 銘柄Aを100万円で購入
  • その後150万円で売却
  • 再度、銘柄Aを100万円で購入

本来ならば、銘柄Aを2回購入していることになりますので、100万円×2回=200万円の入金が必要になり、預かり金150万円だけでは足りません。
しかし、差金決済取引では、初回購入(取引1)、再度の購入(取引3)の間で売却(取引2)をしているので150万円が発生しています。そのため、(取引3)の時には改めての入金は必要ないとみなされるのです。

差金決済取引はどの取引でも使える?

多額の資金がかからなくて済む差金決済取引は、非常に便利な取引手法のように思われますが、実際の取引ではいくつかの制限があります。
その代表的なものが、差金決済取引は現物株取引では禁止されていることです。その理由は、実際には準備されていない資金で何度も同一銘柄の取引ができてしまうためです。極端な話ですが、1回分の購入資金があれば、数十回の売買も可能になってしまいます。
このような取引を認めてしまうと、株価の操縦や売買高の水増しをすることもできてしまいます。誰かが意図的にある銘柄の株価を上げたい、売買高を増やして話題性を上げたいと考えて差金決済取引をすると、「市場操作」と呼ばれる違法行為に抵触するため、禁止されているのです。

差金決済取引が許されている取引もある?

現物取引では禁じられている差金決済取引ですが、これが許されている取引もあります。それが「信用取引」です。信用取引は、信用買い→売却、空売り→買い戻しという取引ですが、取引を手じまいした後の清算は差金決済になります。
しかし、信用取引にはリスクがつきものです。証券会社に入れている、委託保証金の約3倍までの取引ができるため、損をする時は非常に大きな金額になる場合があります。また、口座開設にも審査があり、審査に通らなかったら取引自体始められません。
信用取引は差金決済取引ができる投資手法ですが、よく考えてから始めるようにしましょう。

リスクの低い信用取引?サーフィントレードとは

リスクの低い信用取引?サーフィントレードとは

同一銘柄内の差金決済は認められていませんが、なるべく少ない資金で投資を効率的に行いたいと考える人も多いときには、サーフィントレード(乗り換え売買)を利用してみてはいかがでしょうか。この投資手法は同一銘柄ではなく、別の銘柄を同日中に売買するというものです。
以下は預かり金150万円で取引を行う場合の例です。

  • 銘柄Aを100万円で購入→預かり金は50万円に
  • その後、銘柄Aを150万円で売却→資金は預かり金50万円+150万円=200万円に
  • 別の銘柄Bを100万円で購入

この取引なら、2つの銘柄を購入したい場合も100万円×2銘柄=200万円の購入資金を準備する必要はありません。売却時点で資金が200万円あるとみなされますので、新しい銘柄Bを入金なしで購入することができます。
投資してみたい銘柄が複数ある場合は、取り入れてみてはいかがでしょうか。

差金決済取引ができる取引を把握しておこう

現物株取引で同一銘柄内ならば差金決済取引はできない、信用取引ならば取引可能、サーフィントレードも取引可能…というように、同じ株式取引でも差金決済取引ができるものとできないものがあります。間違えないように注意しましょう。
迷った際は必ず証券会社のサイトで「このような取引はできるかどうか」を確認してください。証券会社のサイトでは、誰でも簡単に差金決済取引がどのようなものか把握できるように詳しく説明されています。

まとめ

差金決済取引は少ない資金で何度も取引ができる便利な取引手法ですが、使えない場合もあります。また、いくら差金決済取引ができる投資でも、資金の余裕が少なすぎるのも危険です。自分の資産状況や投資レベルも鑑みて行うようにしてください。

証券会社で営業・窓口職を4年ほど経験。
営業経験談・苦労話・面白話なども沢山持っています。4歳と1歳の子育て中です!
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