
他の投資方法と差金決済取引(CFD)との違い
最近では手持ち資金が乏しい人でも使いやすい、少額から投資をはじめる手段が充実していることはあまり知られていません。数ある投資手段の中でも注目したいのが、差金決済取引(CFD)です。レバレッジを効かせた取引で少額でも世界の金融商品に投資できるという特徴があるCFDですが、投資初心者にはなじみのない投資商品です。
今回はCFDの基礎知識と、その他の投資方法との相違点がどのようなものかを見てみましょう。
この記事のもくじ
少額で世界中のさまざまな金融商品に投資できるCFD
差金決済取引(CFD)とは、有価証券の受け渡しをせずに、売買損益に係る金銭授受だけをする取引です。取引の仕組みは外国為替証拠金取引(FX)と同じですが、投資対象が通貨に限られるFXと違い、株価指数や債券だけではなく、各種商品(コモディティ)も投資対象になります。
また、証券会社によって取扱銘柄数は異なり、数十から数百、中には万を超える銘柄を取り扱う証券会社も存在します。
手数料無料、かつ、昼夜問わず取引できるのもメリット
日本の主要な証券取引所である東京証券取引所(東証)の取引時間は午前9時から午後の3時までと短く、この時間内に取引する必要があります。これに対してCFDの取引は東証の外なので、取引時間外でも取引できます。
また、差金決済取引なので、売買ごとの手数料がかからないのも魅力。好きなタイミングで何度でも取引できるのがCFDのメリットと言えるでしょう。
相場の下落局面でも利益獲得を狙える
現物株式は値上がり期待の大きい場面で買い付けることで収益を狙いますが、売りから取引に入れるCFDでは、下落局面でも利益を狙う取引が実現できます。
相場の下落局面でも収益獲得を狙えるのは、CFDと現物取引の大きな違いであり、上昇局面のみならず、下落局面でも利益を狙えることで、より柔軟な投資ができるのも、CFDの強みと言えるでしょう。
値動きの激しい商品の投資には適さない
CFDはレバレッジをかけた取引であり、原資産のわずかな値動きが大きな値動きに増幅されます。原資産の値動きの激しい資産を対象とする銘柄への投資はリスクが大きくなるというデメリットがあります。
また、証券会社によって取り扱いのある銘柄に違いがあり、口座開設をする証券会社によっては現物株式よりも選択の幅が狭まる点はデメリットと言えるでしょう。
CFDは短期投資向きの金融商品
レバレッジを活用して積極的に利益を狙うCFDはリスクが大きい取引方法であり、長期投資では、現物投資を基本とするのが無難です。また、CFDを活用した長期投資は、オーバーナイト金利をはじめとする余計なコストが発生することもあります。長期投資では現物株式に投資する方が無難と理解して、CFDでの長期投資は避けるようにしましょう。
株主優待はないが配当は得られる
投資家の中には、株主優待や配当といったインカムを重視した取引をしている方も多いと思います。結論から言うと、CFDでは株主優待を獲得する権利や、株主総会へ出席する権利等はありませんが、配当を受け取ることはできます。
また、少額でレバレッジを掛けた取引である以上、現物株式と比べて投資資金が小さくなり、株主の権利は小さくなります。この点もCFDに特有のデメリットと言えるでしょう。一方で、配当相当額は獲得することができます。
まとめ
株式取引と似ている部分も少なくないCFDですが、細かく見ていくと違いは少なくありません。少額からはじめられることや空売りでリスクヘッジもできるのはメリットですが、レバレッジにより万が一のときの損失リスクが大きいというデメリットがあります。
利益一辺倒で臨むと思わぬ落とし穴にはまることもあるため、CFDではリスクとリターンのバランスを意識して投資判断をすることを心がけてください。
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