目標を決めよう!投資初心者がはじめに決めるべき「利益額」とは?
初心者が陥りがちな失敗として、「もっと利益が増えるかもしれない」と思って保有し続けたものの、値下がりして含み益を失ってしまうということがあります。こうなってしまう理由は、利益を「金額」で考えてしまっているからです。
そもそも、利益は「率」で考えるべきであり、投資資金がいくらかによって求める利益額は変わってくるのです。今回は、目標とする利益はどれくらいにすべきかを考える方法についてお話しします。
この記事のもくじ
目標利益は「額」ではなく「率」で考える
多くの人は、どれだけ利益が出たかを考えるとき、「○○円もうかった」と考えてしまいがちです。自分のお金がどれだけ増えたかが気になるでしょうから、そう考えてしまうのも致し方ありません。
しかし、金融機関の店頭やホームページを見てみると、利益を金額ではなく「利回り(利益率)」で表しているものばかりだということに気がつくでしょう。その理由は、人によって投資する金額が異なるためです。
これは裏を返せば「いくら投資したとしても利回りには変わりがない」ということの表れでもあります。つまり、目標利益は投資額がいくらであったとしても変わらない「利回り(利益率)」で考えるべきなのです。
利益額で考えるとはまってしまう落とし穴
目標利益を金額で考えてしまうと、大きな落とし穴にはまってしまう可能性があります。
「今年の目標利益は5万円」と考えていたとしましょう。その場合、投資資金が500万円あれば、1%の利益を出すことができれば目標をクリアすることができます。しかし、投資資金が50万円しかなければ、1年間で10%もの利益を出さなくてはならないのです。
目標利益を率で考えていれば、投資資金に対して10%の利益を目標にするのが無謀だということに気がつくでしょう。しかし、金額で考えていると、「5万円くらいなら何とかなるのでは?」という気になってしまい、無茶な目標を立てていることに気づかない危険があるのです。
1回のトレードの前に、1年での利回りを考えよう
目標利益を率で考えるときには、はじめに「1年間でのトータルの利回り」から考えるようにしましょう。
「1年で5%の利益を達成したい」と考えてから、各トレードでの目標利益を考えます。株式投資で資産を増やしていくためには、大失敗で多額の資産を失ってしまうのを防ぐことが大切です。そのため、あまり高い目標にしてはいけません。
年間2~5%程度の利益を出すことができていれば、それで充分です。毎年2%の利益をあげていれば10年で資金は1.2倍に、5%の利益をあげられれば1.6倍にもなります。銀行金利の何百倍もの高利回りなので、これくらいで充分です。大きなリターンを求めすぎて失敗する方がよくありません。
1回のトレードでの目標利益率に落とし込む
1年の目標利益率を決めた後、それを1回のトレードの目標利益率に置き換えましょう。数年間、株式を保有し続ける長期投資をするのであれば、1年の目標利益率を参考にして、投資を検討する企業のROEを参考にして銘柄を選びましょう。
数か月ごとに売買する中期投資であれば、1回あたりの利益に分解します。仮に、1年で5%の利益を目指す場合、1年で4回トレードするのであれば、1.25%(5%÷4回)を基準にして、それよりも高い2~3%程度の利益を出せるようにしましょう。
損をするトレードも想定に入れておく
1回あたりの利益率を考えるときには、失敗して損失を出してしまうことも想定しておかなければなりません。どんなに偉大な投資家でも、何度も失敗を重ねながらも、トータルで利益をあげ続けられているため、今の成功があるのです。
そのため、前述のように、1回あたりの目標利益率を高めに設定しているのです。実際に投資するときは、毎回、利益を出すつもりで銘柄を選んでいるので、うまくいけば目標を超える利益を出すことができるでしょう。
利益率を元に計算していれば、利益額を目標にしてもよい
とはいえ、株式投資の初心者であれば、目標が金額になっている方がイメージしやすいという人も多いでしょう。そんなときには、目標利益率を設定し、それを金額に直して目標として使うのであればよいでしょう。投資資金が50万円で目標利益率を3%としたのであれば、目標利益額は15,000円となります。
この目標金額をさらに分解して、1年で4回トレードするなら、1回あたりの目標利益額を1万円などと設定することができます。ちなみに、1回の利益が1万円であれば、3回利益を出せれば残り1回は15,000円の損失まではOKと考えることができます。
まとめ
このように、株式投資で利益の目標を作るときには、「利益率」で考えましょう。「利益額」の方がイメージしやすいのは確かですが、投資資金の額に見合った目標を立てることができず、知らず知らずのうちに無茶な目標になってしまっている可能性があります。
目標金額になっている方がわかりやすいのであっても、まずは率を使って目標設定し、それを金額に置き換えるのがよいでしょう。
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