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知っておきたい株式の「売買成立」と「約定」の仕組みとは?

知っておきたい株式の「売買成立」と「約定」の仕組みとは?

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横山研太郎
横山研太郎
記事の難易度:★★☆☆☆

株式投資をするうえで、「どのようなルールで売買が成立しているのか」を理解することは、非常に重要です。

この仕組みを理解していないと、有利な金額で売買できなかったり、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。今回は、株式の売買成立の流れと仕組みをおさらいしていきましょう。

株式の売買の基本原則

株式取引では、市場で売買成立を「約定(やくじょう)」と言います。「約定」には一定のルールがあり、そのルールを一言で表すと、「買いたい(売りたい)と意思表示した注文から優先して取引される」ということです。

意思表示のレベルを図る基準は、「指値注文か成行注文か」と「取引したい価格がいくらか」そして「注文した時間がいつか」の3つです。

売買ルール:指値注文か成行注文か

株式投資で注文を出す方法は、大きく「値段を問わずすぐに取引する」成行注文と、「指定する株価で取引する」指値注文の2つがあります。

成行注文は価格を指定せず、買い注文(売り注文)を出した時に、最も安値の売り注文(最も高値の買い注文)から順に買います。指値注文は、自分が指定した価格での売り注文(買い注文)が入るまで待つ注文方法です。

なお、ザラ場では特別気配を除いて成行注文はすぐに売買が成立しますが、板寄せ方式では株価が決定されるときにすべての注文が成立します。

売買ルール:「価格優先の原則」

成行注文が成立したあとに指値注文の優先順位を決定しますが、このときは注文価格が優先されます。

買い注文では指値の金額が高いもの、売り注文でも指値の金額が安いものから優先して処理されます。

売買ルール:早い注文が優先される「時間優先の原則」

最後に、同価格の指値注文の中で優先順位を決定します。ここでは、早くに注文を出した人の方が、より早く買える権利を得られるということになります。

成行・指値注文や価格優先と違い、時間優先の原則は、普通のお店の行列と同じイメージなので、比較的分かりやすいでしょう。

取引タイミング次第で価格決定のルールが異なる

株価の決定方法は、寄り付きと引けのタイミングは板寄せ方式、ザラ場中はオークション方式が採用されています。

ただし、特別気配ではザラ場中であっても寄り付くまで一時的に板寄せ方式に変更されます。

メリット・デメリットを見極めてルールは決められている

オークション方式とは、同じ価格での買い注文と売り注文が出たときに取引を成立させるものです。これに対して板寄せ方式は、株価を決める時までに入っている注文をすべて集めて、売りと買いがバランスする株価で売買を成立させます。

オークションと板寄せにはそれぞれに一長一短があり、メリット・デメリットを踏まえたうえで決定方法が決められています。

株式の約定の仕組みは「割り込みOKの行列」

ここまでのルールをまとめると、注文を入れたときの扱いの優先順位は、次のようなイメージになります。

買い注文

  1. 1.成行注文(板寄せ方式のみ)
  2. 2.100円の指値注文(この中で注文時間が早いものが優先)
  3. 3.99円の指値注文(この中で注文時間が早いものが優先)
  4. 4.98円
  5. 5.97円……

オークション方式では、行列に並ばず、すぐに最も安く売りに出されている株を買うことができます。この状態で100円の買い注文を入れると、行列の中で2.の最後尾に割り込むことができます。また、99円で売りが入ったとしても、行列の先頭に並んでいる買い注文から優先的に約定し、100円で取引されます。

売り注文

  1. 1.成行注文(※板寄せ方式のみ)
  2. 2.100円の指値注文(この中で注文時間が早いものが優先)
  3. 3.101円の指値注文(この中で注文時間が早いものが優先)
  4. 4.102円
  5. 5.103円……

売り注文でもオークション方式なら、注文の行列に並ばずにすぐに最も高く出されている買い注文に対して売ることができます。

この状態で101円の売り注文を入れると、行列の中で③の最後尾に割り込むことができます。また、101円で買いが入ったとしても、行列の先頭に並んでいる売り注文から優先的に約定し、100円で取引されます。

まとめ

「株価が100円をつけていたのに、自分が注文した分は約定していない」ということがあれば、あなたが出した注文が処理されるまで進まなかったということを意味しています。それでも買いたい(売りたい)なら、時間よりも優先される価格を調整して、高い(安い)注文に変更すべきかを考えるべきです。

ここまで見てきた約定の仕組みをしっかりと理解して、取引のチャンスを逃さないようにしましょう。

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