
差金決済取引(CFD)の専門用語:オーバーナイト金利とは
デリバティブ取引の一種である差金決済取引(CFD)は、独自のシステムやCFDだけで使われる専門用語も少なくありません。CFDの魅力であるオーバーナイト金利もその一つと言えます。
今回は、オーバーナイト金利がどのようなものかを詳しく見てみましょう。
この記事のもくじ
ポジションの持ち越しで発生するオーバーナイト金利
オーバーナイト金利とは、マーケットクローズをまたいでポジションを持ち越した場合に発生する金利です。金利水準は該当国の政策金利や証券会社などの取扱会社の設定金利により、買い持ち(ロングポジション)は支払い、売り持ち(ショートボジション)では受取りまたは支払いとなります。
米国株CFDで取引するときを例に見ると、米ドルを借りて米国株式を購入するため、日本円から米ドルを借りたときには、金利分の資金調達コストが発生する訳です。この点は、非常に大事な考え方なので必ず抑えておきましょう。
FXにおけるスワップ金利のイメージ
一部投資家の間で人気を集めている外国為替証拠金取引(FX)もCFDの一種であり、外貨を対象とした差金決済取引です。FXの取引経験がある人にはなじみがあるかもしれないスワップ金利は、CFDのオーバーナイト金利とほぼ同じものと言えます。
ゼロ金利・マイナス金利政策が続く日本から見れば、ほとんどの主要国は相対的に高金利となるので、金利差益(スワップ金利)が発生します。このスワップ金利はポジションを持ちこすことで発生するので、CFDのオーバーナイト取引とほぼ同じものと言えるのです。
CFDの買い持ちを続けることはコスト増につながる
CFDの強みは、レバレッジを掛けることで少ない資金でもまとまった金額の取引ができる、ハイリスク・ハイリターンな短期投資に適した投資手法であることです。その反面、買い持ちを続けるとオーバーナイト金利が発生し続けるため、支払いコストが大きくなります。
CFDの買い持ちを続けることはコスト増につながるため、株式の長期投資では、現物投資が無難と言えます。CFDでの買い持ちや長期投資はあらかじめ避けるようにしましょう。
すべての取引でオーバーナイト金利が発生するわけではない
オーバーナイト金利は、すべての投資対象に発生する訳ではなく、株式CFDと株価指数CFD、業種別CFDを利用した場合に限られます。
ざっくり言うと、株式取引に関わるもの以外にはオーバーナイト金利は発生しません。この点も確認しておきましょう。
オーバーナイト金利は証拠金取引独自の概念
差金決済取引や証拠金取引においては、自己資金で有価証券を買い付ける現物取引とは異なり、手持ち資金を担保に資金を借りて取引をするため、資金調達コストが発生します。これは、金融派生商品(デリバティブ)の基本の考え方です。
これに対して、売り方であれば資金の貸し手となるので、金利の受け取りが発生します。こちらも合わせて押さえておきましょう。
CFDは専門用語の理解が鍵
CFDでは現物取引ではなじみのない難しい専門用語が少なからず出てきますが、その内容を正しく把握しなければ、利益狙うことはできません。特に、買い方・売り方と金利付与の関係を正しく把握することは、利益に直結するポイントです。仕組みを正しく理解することを心がけましょう。
まとめ
オーバーナイト金利のポイントは、売り方と買い方でコストの授受の概念が変わることです。売り方はオーバーナイト金利を受け取り、買い方がオーバーナイト金利を支払う点についてはあらかじめ確認しておく必要があります。
CFDでは概念と仕組みを理解することがポイントです。正しく仕組みの理解を進め、健全な利益獲得を心がけましょう。
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