
大型株はどんな株?投資初心者が投資するメリットと戦略とは
東証プライム銘柄のうち、東京証券取引所がランク付けした時価総額と流動性が高い100銘柄は、大型株に分類されています。
比較的低リスクと言われている大型株ですが、取引するときのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、大型株の魅力はどのような部分にあるのかを見てみましょう。
この記事のもくじ
大型株に分類されるのはどんな企業
大型株として扱われる銘柄には、自動車大手のトヨタ自動車(7203)や通信大手のソフトバンク(9984)、金融大手の三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などのグローバル企業がならんでいます。東京証券取引所(東証)では、より厳密に「プライム銘柄の中で時価総額や流動性が高い100銘柄」を大型株としていますが、個人投資家目線では時価総額や流動性が特に高い銘柄を大型株と考えて差し支えないでしょう。
この条件から考えると、発行済み株式総数が多いだけで時価総額が小さい銘柄は大型株とは言えず、仕手筋による仕手株の対象になるボロ株に分類されます。ボロ株は、大型株とは全く異なった値動きをする傾向にあります。
大型株はどのような値動きをするのか
大型株には企業規模そのものが大きく、業績も比較的安定している企業がほとんどです。実際、東証が選定している100銘柄だけで、プライム市場(約1,700銘柄)全体の時価総額の6割程度を占めます。
大型株は時価総額が大きいため、よほどの材料がななければ大きな値動きをすることはありません。大型株が10%を超える値動きを見せるケースは少なく、大きな不祥事が発生した場合や、世界的な金融危機が起こった場合などに限られるでしょう。
大型株を取引するメリット
大型株は日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)と同じような値動きをする傾向が強く、大きな損失を出しにくいというメリットがあります。また、流動性も高いので、取引したいときに取引できないということもほとんどありません。
また、信用取引での空売りの対象となる銘柄が多く、値下がり局面でも利益を出しやすいのも魅力と言えるでしょう。
大型株は安定配当が期待できるのも魅力
大型株を発行している企業は規模自体も大きく、業績が安定しているため、配当金も安定しているのが一般的です。株主優待なども含め、インカムゲインを狙うこともできます。
また、大型株は注目度が高いため、情報が集めやすいという点でも有利です。新聞・TVニュースで取り上げられる機会が多く、情報が簡単に手に入ります。
大型株を取引するデメリット
大型株は値動きが落ち着いているので、短期間でまとまった利益を得ることは簡単ではありません。短期的に大きな利益を上げることはできないと考えておきましょう。
また、いくつかの事業で業績が悪化しても会社全体の業績はあまり悪化せず、収益力低下がわかりにくいというのもデメリットの一つです。将来の収益性を予測するためには、決算短信のセグメント別売上高などのデータが参考になります。ただ、先ごろ発覚した東芝やオリンパスのように、会計不正があれば、決算短信を参考にした銘柄分析は難しくなります。
大型株投資の投資戦略
大型株は値動きがゆるやかで安定した配当も期待できるため、短期よりも中長期の投資が向いています。中長期投資を前提にするなら、将来性のある業種に投資する方がよいでしょう。直近で成長しているかどうかを見るなら、一株あたり純利益(EPS)が参考になります。
その他には、インフラ関連銘柄や食品関連銘柄といった安定性が高い業種に投資して、堅実に配当金でのインカムゲインを狙うのも一つの方法です。高配当銘柄や連続増配銘柄であれば、安心して保有していられるでしょう。
まとめ
大型株はメリットがわかりやすいだけではなく比較的リスクが低いので、投資初心者にとって最適な銘柄と言えます。値動きが安定していることを逆手に、多少の損失は授業料だと割り切って、いろいろな情報を調べたり、ニュースが株価にどのように反映されるかを見極めたりして、練習に使うこともできます。
経験が乏しいうちにハイリスクな銘柄に投資して大きな損失を出す前に、大型株投資で「株式投資の世界」を体験することをおすすめします。
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