
証券口座は複数持っておくと良いって本当?
証券口座の複数開設は、特に法規制の対象となっていないため、複数の証券会社で口座開設している人もいるようです。もちろん、複数の口座を持つことにメリットを感じてそうしているのですが、一方でデメリットがあることも忘れてはいけません。
今回は、証券口座を複数開設することのメリット・デメリットと、実際に取引するときの注意点をまとめました。
この記事のもくじ
複数開設するメリット:各社の情報やツールを活用することができる
証券口座を複数開設するメリットとして、異なるサービスを自在に使える点があります。ネット証券は投資家の銘柄探しに役立つ各種ツールを無料提供しています。その情報や分析ツールを目当てに証券口座を開設し、実際の売買は手数料が安い別の証券会社でしている投資家も少なくありません。
複数開設するメリット:新規公開株(IPO)の当選確率をあげられる
もう一つのメリットは、新規公開株(IPO)の当選確率の改善が期待できることです。IPO銘柄は値上がり期待が高いことから非常に人気があり、その抽選倍率は非常に高くなっています。IPO銘柄は抽選結果に応じて配られますが、抽選方法は証券会社によって異なるため、複数の証券会社から申し込みをすることで当選確率を高めることが期待できます。
IPO主幹事を務める証券会社(主幹事会社)には、公募株の大半が割り当てられます。IPO投資を主力としている投資家は、主幹事会社での抽選は当選しやすいと考え、主幹事を務めることが多い証券会社で口座開設することが多いようです。
複数開設するデメリット:確定申告の手間が増える
すべての証券口座で源泉徴収ありの特定口座にしていれば、確定申告をする必要はありませんが、源泉徴収ありにしていない場合や、損益通算や損失の繰越控除では、確定申告が必要となります。
損益通算で気をつけたいのは、配偶者控除や扶養控除との兼ね合いです。配偶者や被扶養者として控除対象になっている人が確定申告すると、その所得額によっては控除対象者から外れる場合があります。控除対象から外れると、損益通算によって還付が期待できる一方、控除が受けられないことによる税負担がアップしてしまいます。トータルでどちらの方が得なのかを考えて、確定申告をするかを決めましょう。
複数開設するデメリット:取引や資産管理に手間がかかる
複数の証券会社に口座を持っていると、A証券のツールで銘柄選びをした後に、証券会社Bで取引をするような事態は珍しくありません。証券会社をまたぐような取引は、急いでいるときの判断ミスや操作ミスの元にもなりかねません。
また、自分がどれだけの金融資産を管理するのも大変です。投資成績がプラスなのかマイナスなのかを把握するためには、自分で損益を合計しなければなりません。
複数開設するときの注意点:複数あると手間がかかる
複数の証券会社で口座開設をすると、それだけ手間やコストがかかってきます。手間とコストを比較すると、複数の口座を開設することによる管理の手間のほうが問題となります。
複数開設するときの注意点:NISA口座は一人一口座だけ
最後に、複数の証券口座を開設するときの注意点として見逃せないのが、少額投資非課税制度(NISA)口座は一人一口座しか開設できないことです。NISA口座での取引の利益は一定額まで非課税となるため、メインで取引する証券会社で開設するようにしましょう。
また、NISA口座を開設する証券会社を変更するのは1年単位でしかできないのも、注意が必要なポイントです。
まとめ
複数口座を持つメリットは、IPO投資をしているか、それなりに熟練した投資家でないと享受することはできないようです。株式投資の初心者は、情報収集や銘柄分析をするのと取引するのを別の証券会社で行うのは大変です。
まずは、特定の証券会社での取引に絞り、その上で過不足があればその目的に強い証券会社で証券口座を開設しましょう。
情報収集や分析を他の証券会社のツールでするのであれば、株式投資の基本的なことをおおむね理解できてから始めるようにしましょう。
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