
知っておきたい不動産投資信託(REIT)のメリットとリスク
大胆な金融緩和を背景に、価格上昇が続く不動産を主な投資対象とする不動産投資信託(REIT)は、高い分配利回りが魅力ですが、相応のリスクもともないます。
今回は、REITに投資するメリット・デメリットを見てみましょう。
この記事のもくじ
高水準な分配金利回りが魅力の不動産投資信託(REIT)
不動産投資信託(REIT)とは、投資家から集めた資金でオフィスやマンション等の不動産を購入・運用して生じる賃料収入や売却益から費用を差し引いた残りの収益を投資家に分配する金融商品です。
REITの最大のメリットは、高水準の分配金利回りにあります。分配金利回り4%越えは珍しくなく、中には分配金利回り7%を超えるREIT銘柄も存在します。REITは収益の90%を分配金に当てることで法人税の課税対象から外れるので、REITの運営法人は収益のほとんどを分配金に回す傾向にあります。
資金の流動性を確保できるのもメリット
REITは証券取引所に上場しているので、株式と同様にリアルタイムで売買ができます。日本の証券取引所に上場するJ-REITなら受け渡しに必要な営業日も株式と同じなので換金性に優れているので、タイミングを見た押し目買いもできます。
また、REIT本体やREITを投資対象とする上場投資信託なら数千円から数万円、非上場の投資信託ならネット証券では100円から買い付けられるので、リスク許容度に応じた投資も容易です。
緩和政策の恩恵を受けやすいREIT
緩和的な金融政策は、REITにとって強い追い風。個人の観点から見ても、低金利のほうがローンを組みやすくなります。つまり、低金利のほうが住宅市況が活発化しやすい傾向にあるのです。
現状の日本は、アベノミクスの第一の矢として大規模な緩和政策を導入していることから、REITも少なからず恩恵を受けることが期待されるのです。
日銀のJ-REIT買い支えで下値不安を軽減
金融緩和による恩恵もさることながら、日銀によるJ-REIT買い入れの恩恵もダイレクトに受けているのも、REIT購入の大きなメリットとなります。
2016年は年間900億円ペースでを買い付けていて、2017年に入ってからも複数日に渡って単日12億〜13億円を買い付けているので、下値リスクが軽減されているのです。緩和的なマーケット環境に加えて、日銀が大規模に買い入れていることもメリットと言えるでしょう。
値動きの荒さと金利変動がリスク要因
REITの最大のリスクは、値動きが荒いこと。投資対象が不動産である以上、経済情勢に敏感に反応します。不動産は景気動向の影響をダイレクトに受けやすく、景気後退期では下値不安も高まります。
また、投資法人には金融機関から借り入れて不動産を購入しているところもあり、金利変動にも弱い側面があります。このようなリスクに注意した上で、REIT投資を行う必要があると言えるでしょう。
日本のREIT市場は若干割高
アベノミクスの第一の矢として、大規模な金融緩和を皮切りにマイナス金利や金利操作が導入されています。こうした市況に加えて日銀の買い入れプログラムを背景に、日本のREIT市場は若干割高水準で推移しています。
将来的には、REIT市場のバリュエーションが市場から悪材料視される可能性があると想定されます。この点も、リスク事項として頭に入れておく必要があるでしょう。
まとめ
高水準な分配金利回りに加えて、大規模な金融緩和と日銀の買い入れによる底堅さで、REITは非常に魅力的な投資商品と言えます。
一方で、不動産投資に複数のリスクを内包していることも事実です。メリットとリスクのバランスを考えて、最適なポートフォリオ構成を心がけましょう。
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