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知っておきたい不動産投資信託(REIT)のメリットとリスク

知っておきたい不動産投資信託(REIT)のメリットとリスク

徳田陽太
徳田陽太
記事の難易度:★★★☆☆

緩和期的な金融政策も相まって、近年価格上昇が続いている不動産投資信託(REIT)は、高い分配利回りも魅力の一つです。REIT関連ファンドの分配金も高水準で、個人投資家から非常に高い人気を誇ります。一方で、REIT投資にはリスクを伴うことも事実です。
今回は、REITに投資するときのメリットとデメリットを見てみましょう。

REITの魅力は高水準な分配金利回り

REITの最大のメリットは、高止まりしている分配金利回りにあります。分配金利回り4%越えは珍しくなく、中には分配金利回り7%を超えるREIT銘柄も存在します。

REITは収益額の90%を分配金に回すことで法人税の課税対象外となるため、REITの運営法人は課税回避の目的から収益のほとんどを分配金に回す傾向にあるのです。これは投資信託でREITを買い付けるときも同様です。月々受け取ることのできる分配金は、非常に高い傾向にあると言えるでしょう。

資金の流動性を確保できるのもメリット

REITは証券取引所に上場しているので、株式と同様にリアルタイムで売買ができます。日本の証券取引所に上場するJ-REITであれば、受け渡しに掛かる営業日も株式と同じなので、換金性に優れているだけではなくタイミングを見ての押し目買いや、成り行き注文や指し値注文での発注もできます。

REITは少額から不動産投資ができるだけではなく、不動産投資に付きものの修繕費や管理費用も掛かりません。不動産を購入するよりお得かもしれませんね。

緩和政策の恩恵を受けやすいREIT

緩和的な金融政策は、REITにとって強い追い風。個人の観点から見ても、低金利のほうがローンを組みやすくなります。つまり、低金利のほうが住宅市況が活発化しやすい傾向にあるのです。
数年前までの米国市場も同様に、当時の連邦準備制度理事会(FRB)議長ベン・バーナンキ氏は、2008年のリーマンショックとその後の世界金融危機に対処するべく、量的緩和(QE)という大規模な金融緩和を敢行しました。

だぶついたお金は実物資産の不動産に行きつく

“ヘリコプターマネー”という言葉を来たことがある方もいるかも知れません。これ文字通り「お金を刷りまくってヘリコプターでばらまく」ことで、市中に出回るお金を劇的に増やすことの例えです。それほど大量の資金供給を断行したのです。これにより住宅市況が回復して、完全雇用を達成しています。

現状の日本は、アベノミクスの一環として強烈な緩和政策を敢行していることから、REIT市場は少なからず恩恵を受けることが期待されるのです。

日銀のJ-REIT買い支えで下値不安を軽減

REIT市場では、金融緩和による恩恵もさることながら、日銀によるJ-REIT買い入れの恩恵もダイレクトに受けることになります。これもJ-REITを購入する際には大きなメリット。

2016年は年間900億円ペースでJ-REITを買い付け、2017年に入ってからも、単日で12億〜13億円を複数回に渡って買い付けているので、下値リスクが軽減されているのです。緩和的なマーケット環境に加えて、日銀がJ-REITを買い入れていることもREIT購入時のメリットと言えるでしょう。

値動きの荒さがリスク。金利変動にも弱い

REITに投資する最大のリスクは、値動きが荒いこと。投資対象が不動産である以上、経済情勢に敏感に反応します。不動産は景気動向の影響をダイレクトに受けやすく、不景気で不動産価格が下落すれば、下値不安も高まります。このように、REITは景気敏感銘柄であり、値動きが非常に荒いのです。

また、投資法人の中には金融機関から借り入れて不動産を購入するREITも存在するなど、金利変動にも弱いのがREITのデメリット。このようなリスクに注意した上で、REIT投資を行う必要があると言えるでしょう。

日本のREIT市場は若干割高

アベノミクスの一環として、マイナス金利や金利操作の導入がされ、低金利時代が長引いています。いつの時代も資金は、少しでも金利の高いところに行き先を求めます。マイナス金利に加えて、先にも触れた日銀のREIT買い入れプログラムがさらに拍車を掛けることで、日本のREIT市場は若干割高水準にあります。

将来的には、REIT市場のバリュエーションが市場から悪材料視される可能性があると想定されます。この点も、リスク事項として頭に入れておく必要があるでしょう。

まとめ

高水準な分配金利回りに、日銀による買い入れによる底堅さにより、現在のREITは非常に魅力的な投資商品と言えるでしょう。一方で、複数のリスクを内包していることも事実です。メリットとリスクのバランスを考えて、最適なポートフォリオ構成を心がけましょう。

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