
「だまし」の発生に要注意!テクニカル分析における偽シグナルを見極めよう
チャートの動きから株価の先行きを予測するテクニカル分析は、短期売買では非常に有効な手段の一つです。その一方でテクニカル分析には「ダマし」が存在するので、慎重な判断が欠かせません。
今回は、テクニカル分析の「ダマし」がどのようなものか見てみましょう。
この記事のもくじ
チャートに現れるフェイクである「ダマし」
「ダマし」とはチャート上に表れる偽のシグナルです。教科書通りのキレイな指標がでていても、単体では必ずしも信頼度の高いものではなく、ダマしである可能性は無視できません。
偽のシグナルに捕まって取引をしていては、思うような利益を出すことはできません。テクニカル分析では、現れた指標がダマしかどうかを見極めるのがポイントです。
ゴールデンクロスにもダマしが多い
短期の移動平均線が長期の移動平均線を上抜けるゴールデンクロスは、比較的信頼度が高く、その分かりやすさからも初心者向けのテクニカル分析の定番シグナルとしても有名です。
ゴールデンクロスは認知度が高く利用しやすい反面、ダマしが多いというデメリットがあります。特に株価の急落直後に、急反発して形成されたゴールデンクロスには要注意です。株価の乖離(かいり)が著しい状態でのゴールデンクロスにはだまされないようにしましょう。
市場注目度の高い銘柄ほどダマしに注意する
ダマしは投資家心理に逆行したときに起きることが多く、市場注目度の高い銘柄はダマしが発生しやすいことを理解してましょう。
個人投資家はセオリー通りの投資行動を取ることが多く、信頼度の高いシグナルが発生すればちゅうちょなく買いに走ります。一方で、個人投資家の動きを逆手に取ろうとするヘッジファンドなどの短期筋は、資金量の大きさを生かして意図してダマしの形成を狙うので、注目度の高い銘柄ほど慎重な投資判断が必要です。
抵抗線をブレイクしたならダマしを疑う
テクニカル分析では、抵抗線(レジスタンスライン)は非常なポイントです。
レジスタンスラインにローソク足がタッチすると反発局面入りの可能性が高く買いが集まります。反対にサポートラインの下抜けは嫌気されて一気に売り浴びせられるでしょう。本来であれば下落トレンド入りするはずが、実際には急反発するケースも少なくありません。このように、短期筋はダマしを演出して値を吊り上げ、短期での利益を狙っているのです。
レンジ相場のダマしには要注意
一定の範囲内で株価が推移するレンジ相場でも、ダマしは珍しくありません。
レンジの上限や下限を上抜ければ、一方向にトレンドが作られることが一般的ですが、この動き自体がダマしである可能性があります。レンジ相場でのブレイクポイントでは、売買を焦らないことが鉄則。ボックス圏の上限、下限での値動きには特に注意すべきです。
ダマしかな?と思ったら機動的な投資判断をする
どれだけ気を付けても、投資を続けていればダマしに掴まってしまうケースもあるでしょう。ダマしに引っかかったら、なるべく早く売り抜けることが重要になります。ダマしに引っかからないためにも、機動的な投資判断が肝心です。
短期筋が参加すると、マーケットの潮目が一気に変わることも珍しくありません。短期筋が目立つようになったら、早めの損切りで損失を最小限に食い止めることを意識しましょう。自分のポジションとは逆行して、トレンドが反対方向に作られるリスクが生じてしまいます。
まとめ
テクニカル分析のシグナルパターンを覚えることは簡単でも、本質を理解することは非常に難しい作業と言えるでしょう。教科書通りのシグナルを形成したからと言って、その通りにマーケットが動くとは限りません。
特に、サポートライン・レジスタンスラインをブレイクしたときには、ダマしの発生に要注意です。常に、機動的な投資判断を下せるように準備しておくことが大切です。
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