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「ふるさと納税は節税に有利」はどこまで本当か?

「ふるさと納税は節税に有利」はどこまで本当か?

横山研太郎
横山研太郎
記事の難易度:★★☆☆☆

実質2,000円の負担で全国各地の名産品などを手に入れられることから、節税方法として定着した感のあるのが「ふるさと納税」です。ただし、節税のためには確定申告が必要なことや本当に2,000円の負担で済んでいるのかなど、注意しなければならない点もあります。

今回は、ふるさと納税をするときに本当に節税の役に立つのかをチェックするために観ておきたいポイントを見てましょう。

ふるさと納税はどんな制度なのか?

ふるさと納税とは納税と名前がついているものの所得控除の一種であり、居住自治体とは異なる自治体への寄付をすることで「寄付金控除」という所得控除の対象となり、その分居住自治体への納税額を減らせる制度です。最も少なくなる場合で、実質的な負担額が2,000円まで下がります。

また、地方自治体によっては寄付金額に応じた返礼品を設定していることもあり、実質的な負担額最小2,000円で地方の名産品などをもらうことができます。

ふるさと納税の完結には確定申告が必要

ふるさと納税では、まず寄付金額を支払い、翌年に自治体から届く「寄付金受領証明書」を使って、確定申告をすることで所得税・住民税控除の対象となるのです。

確定申告は翌年3月15日までに手続きをしなければなりませんが、所得税の還付はそれから1~2か月後、住民税控除は翌年6月からです。なお、ふるさと納税が5自治体を下回れば、ワンストップ特例により確定申告不要となります。

ふるさと納税の注意点:控除上限額がある

ふるさと納税では収入や家族構成によって控除金額に上限が設定されています。上限額を超えてふるさと納税を利用しても、上限額を超えた分は寄付をするだけになってしまうのです。

また、「上限額があるなら、そこまで利用しないと損だ」と考えるのも失敗の。前述の通り、ふるさと納税では寄付金額を前納する必要があるため、寄付のし過ぎで家計が苦しくなってしまっては意味がありません。

ふるさと納税の注意点:人気商品はなかなか手に入らない

ふるさと納税の返礼品には、限定数が決まっているものも多く、人気商品はすぐに申し込みが締め切られてしまいます。そのため、必ずしも欲しいものがみつかるわけではありません。ふるさと納税をした方がお得だからと、必要ないものをもらおうとするのは本末転倒です。

ふるさと納税の注意点:想定外の負担になることもある

ふるさと納税を利用するときに注意したいのが、ふるさと納税をしたものの実質2,000円の負担になっていないことがあることです。この判断には、所得税の還付や住民税の控除の金額が決まるのかを知っておく必要があります。

所得税控除のあと、「(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率」が控除されます。仮に、20,000円をふるさと納税して所得税率が10%なら、所得税額で1,800円だけ還付される計算になります。実質負担が2,000円になるには、残り16,200円分を住民税から控除されなければなりません。ふるさと納税で税負担が減るのは、その大半が住民税からです。所得税や住民税をあまり支払っていなければ、ふるさと納税で税金を減らすことができず、実質的な負担額が2,000円を超える可能性があるのです。

ふるさと納税の注意点:住宅ローン控除とバッティングする

ふるさと納税の実質負担額が2,000円を超えるケースには、住宅ローン控除を受けているケースによく見られます。住宅ローン控除を受けられる場合、住宅ローン残高が1,500万円あれば、所得税と住民税で総額15万円までの税額控除を受けることができます。

配偶者控除や扶養控除・生命保険料控除などの課税状況で所得税額は変わりますが、住宅ローン控除で所得税がゼロになっていると、ふるさと納税での所得税還付は受けられません。また、住宅ローン控除が所得税のみで控除しきれなければ住民税からも控除されますが、住民税の控除がしきれない可能性もあります。

まとめ

ふるさと納税は、所得税と住民税の関係を把握していないと、節税ではなく実際上は損をするリスクもあります。

自分できっちり計算するのは難しいかもしれませんが、ふるさと納税で節税できるかどうかをシミュレーションできるサイトを利用するなどして、事前に確認することをおすすめします。

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