
株式市場を荒らすだけ?「ヘッジファンド」はどういう存在なのか
株式市場に大きな影響を与えるヘッジファンドは、その影響力の大きさと比べて実態は驚くほど知られていません。ヘッジファンドの仕組みや影響力の知らずに株式投資をすることは、株式市場の動向を見誤ることにもつながります。
今回は、ヘッジファンドがどういうものなのかを見てみましょう。
この記事のもくじ
ヘッジファンドはどんな投資をするグループか
ヘッジファンドとは、さまざまな取引手法を駆使して市況にかかわらず利益を追求する機関投資家を含む私募ファンドです。
ヘッジファンドは暴落局面でも利益を狙う金融派生商品(デリバティブ)をはじめとするさまざまな金融商品に、金融工学(クオンツ)を取りいれた複雑な投資戦略で投資することで、損失を限定しながら、利益を追求するのが特徴です。
ヘッジファンドの投資対象は幅広い
どんな状況でも利益を狙うため、ヘッジファンドは株式や債券といった伝統的な金融商品だけではなく、不動産や商品、先物などの金融派生商品(デリバティブ)にも積極的に投資します。
市況に関わらず利益を狙うため、どうしてもハイリスク・ハイリターンな投資商品や投資戦略を採用する傾向が強く、この点は株式や債券を投資対象とする投資信託や上場投資信託(ETF)との大きな違いです。
個人投資家はヘッジファンドに投資できる?
ヘッジファンドは私募ファンドであり、富裕層や機関投資家といった一定の条件を満たす投資家からの資金を集めて運用するため、個人投資家は投資できません。これは個人投資家を保護する側面もあり、知らぬ間に過度なリスクを取ることを防ぐことにもつながっています。
ただ、最近では「ヘッジファンドを投資対象とする投資信託」も登場しているので、個人投資家もリスクをコントロールしながらヘッジファンドに投資できる環境が整いつつあります。
ヘッジファンドでも必ず利益をあげられるわけではない
ヘッジファンドは市場の状況に関わらず利益を狙いますが、常に成果を出せるわけではありません。投資戦略の誤りや投資商品の値動きによって大きな損失を出すことも珍しくありません。
市場の暴落局面で一部のヘッジファンドが大きな利益を出すと注目を集めますが、大きな損失を出したことが報じられることも珍しくありません。
市場への影響力が大きいヘッジファンド
個人投資家レベルではヘッジファンドの取引の影響を感じる機会はほぼないものの、その存在は無視できません。ヘッジファンドの投資戦略は、株式市場そのものに影響することもあるからです。
過去には実際にヘッジファンドの投資戦略の崩壊をきっかけとした金融危機(ロシア金融危機とLTCM破たん)も起きています。市場の注目を集めるヘッジファンドがどのような投資戦略を取っているかを知ることは、利益追求やリスク回避の一環として欠かせません。
株式市場の活性化には必要不可欠なヘッジファンド
市場に大きな影響を与えるヘッジファンドは、批判もあるものの株式市場の活性化には不可欠な存在です。
ヘッジファンドが活発に取引することで、相場に一定の流動性が生まれるとも言えるのです。
まとめ
個人投資家には直接的な関係はないと思われるヘッジファンドですが、こうして見てみると、金融市場の中で大きな存在感を持っていることがわかります。
自分には関係ないからと考えるのではなく、どのように動いてくるのかを理解して、投資戦略を考えるようになっておきたいものですね。
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