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久々動き出した東京地検特捜部/不正請求疑惑は氷山の一角

東京地検特捜部が安藤ハザマ(1719))への強制捜査を実施した。証拠改ざんや小沢一郎代議士らに対する恣意(しい)的な捜査などが国民の不信感を呼び、地検特捜部はあえて派手な捜査を手控えてきた。しかし、今回はその復活の端緒にすべく、積極的に動いていると伝えられている。

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除染作業にとどまらない疑惑の芽

除染作業にとどまらない疑惑の芽

「今回の事件はマスコミとの二人三脚なので、マスコミ批判を気にする必要はなかった。産経新聞が持ち込んだ情報で特捜が動き、その後、読売新聞を使いながら捜査を進め、世論形成も行っている」(司法クラブキャップ)。

産経新聞は今回の取材で、安藤ハザマと下請け業者の交渉の場に潜り込み、そのやり取りを録音するなど、本格的な調査報道で実態を暴いているという。今回の容疑は、福島第一原発事故の除染作業員の宿泊費を改ざんし、不正請求していたというもの。福島県のいわき市と田村市発注の工事だが、その原資は国が出している。そのため自治体のチェックも甘く、安藤ハザマはそれに乗じたのだと見られている。

「除染事業は環境省が所轄。国交省のようにゼネコンの手法、体質に慣れておらず、発注契約の不備を突いて、下請け会社の作業員に払う手当(特殊勤務手当)を元受けのゼネコンがピンハネすることが横行。環境省は何度も発注仕様書の文言を訂正して、不当行為を防ぐのに終始していた」(環境省詰め記者)。

こうした不当行為は2年前に週刊誌「週刊ポスト」などでも報じられている。その後もこうした不正、不当な行為が続けられ、今回の強制捜査に至ったものと考えられる。その他にもゼネコン各社の間では、例えば「引き去り」と称する、工事費の不当な巻き上げが行われているという。下請け作業員は元受けが用意した宿泊所に泊まり、元受けが用意した建機を使う。その費用を元受けは下請けに別途請求。契約通りの金額を下請けに払うが、そこから〝経費〟を引き去る。こういう形で、下請けに対する事実上の強制ダンピングを行っているという。こうした実態も今回の捜査で明らかになるかもしれない。

こんなことが本当にまかり通っているのか。業界の雄・鹿島(1812)の部長に聞いてみると、「うーん、うちではそこまで露骨にはできないが、下請けはあまり文句を言わないから…」と意味深な感想を述べていた。原発事故はゼネコンにとって、請求し放題の特需だったという。その歪みがここへきて顕在化してきたということである。

おわりに

安藤ハザマに家宅捜索が入ったとテレビ報道されたのが6月19日。これを前に安藤ハザマの株価は下げており、6月23日に年初来安値657円をつけ、現在は自立反発。安藤ハザマは、リニア品川駅の最終工区を受注しリニア関連、山の手線新駅(品川・田町間)関連ともされている。

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