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証券会社の選び方

証券会社の選び方

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証券会社の役割と着目点

証券会社の役割と着目点

株式の取引はどうやったらうまくいくかを見る前に、投資のパフォーマンスに影響する意外なポイントに注目しましょう。それは、どの証券会社で取引するかです。
上場株式を売買するためには、基本的には証券会社に取引口座を開かなければなりません。証券会社は、投資家の注文を取引所(東京証券取引所など)に取り次ぎます。

取引所には、複数の証券会社を通じて、様々な注文が入ってきます。たとえば東京証券取引所(東証)に上場しているソニーを見ると、この株式を買いたいという注文と売りたいという注文が、証券会社を通じて東証に集まります。その結果、ソニー株の売買が成立すると、その報告は証券会社を通じて投資家に届きます。証券会社は、顧客のためにこのような仕事をすることで、顧客から手数料をいただきます。
以上のような取引の流れを考えると、証券会社を選ぶにあたっては、次の点に注目する必要があります。

  1. 信頼できる証券会社か。
  2. 証券会社は、注文の執行や、売買代金の受け払い、そして保有株式の管理を行うからです。証券会社の評判や、自己資本比率などで経営の健全性をチェックしましょう。なお、自己資本比率(証券会社のホームページで確認できます)は、200%以上を維持していることが最低限の目安です。

  3. 手数料はどの程度か。
  4. 株式の委託手数料は、証券会社が自由に決められることから、会社ごとに異なります。この件は、後段で改めてご説明します。

  5. 証券会社の情報は有用か。
  6. 証券分析の専門家(アナリスト)が書いたレポートなどの定型的な情報、また日々の市場状況や株価分析などについての情報を、証券会社は顧客に提供しています。まず、それが、自分の投資スタイルに合っているかかどうか。たとえば、中長期投資が中心なのに、短期売買の情報ばかりだと参考にはなりません。さらに、興味が持てる内容か、わかりやすい内容かも大事です。難しすぎたり、興味がわかない話は、継続的にチェックするのには向かないからです。

    そのほか、取引が迅速で正確に行われているかなども重要ですが、これは実際に取引をしてみなければわかりません。少なくとも、(1)〜(3)については、取引を始めるまでに比較検討してみましょう。

    対面とネットの特徴

    対面とネットの特徴

    次に、証券会社の2つの形態、すなわち対面型証券(以下、対面型)とオンライン証券(以下、ネット型)について、考えてみます。
    対面型は、投資家が証券会社の社員(法律上は「証券外務員」といいます)に相談しながら投資を進めていく形態です。ネット型は、インターネットを通じ、投資家が自身で投資を進めていく形態です。
    そこで、両形態の特徴を、比較してご説明いたします。

    投資手続きの進め方

    手続き

    対面型では、取引開始の手続きや、株式取引の方法などの基礎知識について、証券マンが懇切丁寧に教えてくれます。また、株式取引に関する税金の支払い方や、相続などについても、基本的なアドバイスを受けることができます。証券マンととことん話をして、納得して取引をすることができます。
    一方、ネット型では、取引に関する知識は、投資家自身が勉強して身に着ける必要があります。

    取引のコスト

    取引のコスト

    一般に、株式の売買にかかる委託手数料については、ネット型は対面型より相当低い水準に設定されています。
    対面型では、顧客が証券会社の社員(以下、担当者といいます)からアドバイスを受けますが、そのサービスの分だけ手数料がネット型に比べて高くなります。
    ネット型では、このようなサポートが得られない代わりに、取引の手数料がディスカウントされます。ただし、ネット型は、投資家が一定の証券知識を有していることを前提としています。したがって、投資は自己責任だという意識をもって、しっかりと勉強することが必要です。それでも、証券知識がかなりある人で、頻繁に取引する人にとっては、手数料の低さは魅力的です。

    一方、対面型は、担当者に投資の相談をしながら、一つ一つ丁寧に進めていきたいという人に向いています。頻繁な取引ではなく、じっくりと資産形成をするという姿勢ならば、適切なアドバイスや有用な情報提供に対する対価としての手数料は、決して高いものではないはずです。

    情報

    情報

    対面型では、取引に関する情報は、証券マンが電話などで投資家に伝えます。また、海外の政治経済の情勢、国内株式市場の動き、また市場で注目されている銘柄なども、逐次連絡を入れてくれます。もちろん、投資家自身が関心を寄せている銘柄や、気になる経済問題があれば、それに関する情報やアドバイスを得ることもできます。また、顧客のために、アナリストに詳しい株価の評価を問い合わせてくれる担当者もいます。

    一方、ネット型では、情報は、投資家がみずから収集する必要があります。もっとも、ネット証券のなかには、証券レポートや市場情報をメールで配信している会社もあります。また、ホームページでの情報提供が充実している会社なら、それを通じて投資に必要な情報はかなりの程度入手することができます。

    セミナー

    セミナー

    セミナーについては、対面型、ネット型に関係なく、証券会社の多くは、積極的に開催しています。世界経済や株式市場の分析、注目銘柄の紹介から、外債や投資信託の取引、また相続や税制などについて、各社ごとに特色のあるセミナーが提供されています。

    セミナーは、経済や市場の新しい流れを素早く反映している点が特徴です。書籍やレポートでも知識は得られますが、それらは作成するのに時間がかかり、また文章にするための制約があるために、より新しい情報や知識を得たいならセミナーが便利です。加えて、セミナー講師の体験談や主観的な見方など、文章では書きにくいことが聞けることも魅力です。証券や経済の知識をアップデートするために、積極的にセミナーを活用してみて下さい。

    システム

    システム

    近年、システムトレードという取引手法が徐々にポピュラーになってきました。これは投資家が自分の取引手法を、コンピューター・プログラムに置き換えて、自動的に発注するものです。かつてはプログラミングの技術がなければできなかったことですが、最近はこれを可能にするようなソフトウェアがあります。さらに、プロ投資家が作ったシステムトレードのソフトも販売されています(ただ、儲かるシステムと言いながら、それほど高くない価格で販売されているものは疑問。開発者は、販売するより自分で取引した方が良いのではないかと考えてしまいます)。

    なお、ネット型の発注システムについては、自動発注に近い機能を持っているものもあります。これは、ある条件が満たされたら執行する注文などです。その一つは、「逆指値」です。株価が一定の水準に来たら、指値または成り行き注文が執行されるというものです。
    たとえば、A銘柄の株価が1000円のとき、950円になったら売りますよという注文が出せます。これが、逆指値注文です。ある条件が満たされたときにはじめて、売り買いの注文が執行されるのです。これは、ロスカット(ストップロス、損失確定)に便利です。950円まで株価が下がったら、保有しているA銘柄を売却するという逆指値注文を出しておけば、それ以上の損失を回避することができます。

    このように、特殊な発注機能を使えば、取引を一部自動化することが可能となります。これは、日中に仕事などで、常に株価を確認することができない人や、またできるだけ感情の影響を受けないロジカルな取引をしたいという人にとっては、便利なツールです。

    一方、対面型の証券会社では、一般に、注文は指値と成り行きに限られます。その代り、ご自分が指定した株価水準になれば、証券マンから連絡をするように依頼することができます。先のA銘柄の例では、950円になったら、連絡が欲しという依頼はできます。この連絡を受けて、指値で売るか、あるいは成り行きで売るかの判断をすればよいのです。

    対面型かネット型か

    対面型かネット型か

    対面型とネット型には、一長一短があり、どちらが有利とは言い切れません。したがって、投資家が、自分の投資スタイルに合う方を選ぶことが大事です。たとえば、長期投資か短期投資か、ご自分の証券知識はどの程度か、自分が欲しい経済や市場についての情報が得られるかなどを考えて、どちらのタイプにするかを決めて下さい。

    ただし、対面型とネット型には圧倒的な取引コストの差があることは、厳然たる事実です。 そこで、この差があっても対面型を選ぶには、それにふさわしいサービスの提供が必要です。その核となるのは、担当者の的確なアドバイスや心配り、そしてその証券会社の信頼感です。

    なお、対面型の場合、担当者のアドバイスが自分にとって合わないとか、不十分だと感じたら、その証券会社に率直に相談してみて下さい(担当者の上席に相談しても構いません)。証券会社は、担当者を変更することも含めて、最善の方法を検討してくれるでしょう。担当者にとっては厳しいお客様の評価ですが、彼らもプロですから、それは受け入れます。むしろ、成長の糧として一段とレベルアップする契機になるでしょう。もちろん、顧客(投資家)が率直に意見を下さることは、証券会社の経営の改善にもつながりますから、感謝すべきことでしょう。

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