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北朝鮮の例で見る株価の動き方と注視するべきポイントは

北朝鮮の例で見る株価の動き方と注視するべきポイントは

株の知識レベル:

一般的に東証市場に並ぶ銘柄は日経平均株価につられるように株価が変動することが多くあります。

もちろんその業界ごとの景気にも左右されますので、ニッチな産業であれば日経平均株価とは別の値動きもすることがありますが、実態はともかく景気が良い、悪いをなんとなく目安として見るのが日経平均株価であるため、多くの人が関わるような業界にある銘柄であれば、なおのこと世間の景気に左右される、ということが言えると思います。

今回は日経平均株価と連動しないのにも関わらず、その時々の時勢で株価が変動する銘柄について見てみましょう。

日本にもある防衛関連銘柄

日本に防衛関連銘柄

少なくとも世界的に見て平和と言われる日本においても、防衛関連の銘柄は存在します。住友重機械工業(6302)三菱重工(7011)といった財閥系を始め、東京計器(7721)豊和工(6203)といったあまり聞き慣れない銘柄もありますが、国内の防衛銘柄としては石川製作所(6208)が代表的な銘柄になります。

石川製作所はその名の通り、石川県に本社を置く繊維機械、段ボール製函印刷機のメーカーです。これだけだと防衛関連と全く関係なさそうな企業に見えますが、実は機雷を製造している、という一面も持っています。投資家にとってはむしろこちらの印象が強いのか、防衛に関して危機的な状況になると、その日の株式取引数の上位に食い込むほどの存在です。

日本は四方を海に囲まれた海洋国家であるため、いざ防衛ともなると真っ先に機雷による海上封鎖を行えるというところから、この銘柄がよく売買されているのでしょうか。もし日本近海で戦闘が起これば、航空機や艦船が中心となる中で不思議に思うところではありますが・・・。

防衛関連株は防衛問題が持ち上がるとジワジワ上がる

さて、そんな石川製作所ですが、平常時は日経平均株価とはまったく無縁なほど値が動かない、むしろ下げつつある銘柄であることが特徴です。不謹慎な言い方を恐れずに言えば、有事を思わせる事件でも起きない限り、投資家が着目することは少ない銘柄とも言えるでしょう。

まず2016年10月末の株価ですが、この頃は600円台前半という状況でした。ちょうどこの頃のニュースはと言うと、リオオリンピックの熱も残っている中で、天皇陛下の生前退位の話が議論されるなど、おおむね穏やかな頃でした。

この後、11月には次期トランプ大統領(当時)が世界をどう動かすのか、に注目が集まった頃、じわじわと株価を上げていきます。

次に大きな動きが出たのが1月終わり頃のことです。当時は南シナ海問題で安倍総理がアジア各国に艦船供与に言及するなどありましたが、材料として注目されたのはトランプ大統領とのアジア保障について会談が開かれたことではないでしょうか。この時の石川製作所は750円から800円程度まで値を上げています。

風雲急を告げるアメリカによる軍事行動

この頃の日経平均株価はどうだったか

2017年1月の終わりから3月の終わりごろまでは緊迫した状況はあったものの、森友学園などの政治的なニュースが着目され、近海の国際問題にはあまり関心が強くない時期でしたが、トランプ政権による北朝鮮への圧力が確固たるものとなったのが2017年4月の初めです。この頃、米空母打撃群の中心を担う空母「カール・ビンソン」が北朝鮮への攻撃可能な海域へ侵入、一触即発の状況が作られました。

これまでのアメリカにはない強気なトランプ大統領の態度が顕著に表れた格好になりますが、こうしたことから戦闘が起こりえることが想定され、石川製作所の株価は一気に1900円を超えるところまでに上昇。わずか数日で1000円以上も株価を上げることになりました。

この頃の日経平均株価はどうだったか

では、この時の日経平均株価はどうだったのでしょうか。2017年2月頃にはいよいよ2万円台に突入か、と1万9000円台前半をウロウロしていた時期です。この時点から過去数ヶ月で見ても、日経平均株価は上昇傾向にあり、いつ2万円台に入ってもおかしくない状態でした。ところが、4月に入り戦争の危機的状況が訪れると、それを嫌気した市場が一斉に売りの姿勢を見せ、1000円近くも下落してしまいました。この間の石川製作所の値動きは、市場の平均株価と連動せず、上昇傾向にありました。

ICBM実験のあった1日の株価を追いかける

つい先日、7月5日にミサイル発射実験を行い、同日の15時30分、朝鮮中央テレビを通じて大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射成功のニュースが全世界に流れました。このICBMはアメリカのアラスカ州に届くと専門家による分析が行われていますが、これまで遠巻きに見ていたアメリカも自国の防衛に踏み込まれることになり、いよいよ世界を巻き込んだ問題に発展しつつあります。


ちょうどこの時も石川製作所は大きく値を上げました。最終的にはリスク回避のため後場が閉まる直前に売りが先行しましたが、それでも200円以上株価が上昇しました。この日の1日を追いかけると面白いことがわかります。
前場が開始した9:00にはいつもと変わらず、1000円台前半を推移していましたが、10:00頃、北朝鮮からのミサイル発射の報を機に100円近く一気に上昇。その後、一進一退を繰り返しますが、韓国や日本の政府見解に関するニュースが流れ始めた13:30に再び上昇を始め、一時は1300円近い値をつけることになりました。それと逆行するように、日経平均は値を下げなんとか2万円台を保ったカタチで当日の取引が終了しました。

このことから時節によっては、日経平均株価とは連動しない銘柄もある、と言えるのかもしれません。

おわりに

北朝鮮問題は、何らかの形で決着しない限りはさらに未来へ続く問題で、昨日あった状況が明日にはガラリと変わっているというドラスチックな国際問題となっています。

残念なことに同盟関係にある日本、アメリカ、韓国から見れば、状況は一進一退を繰り返しつつも悪化しており、オバマ政権から問題を引き継いだトランプ大統領は、自分自身の任期中に解決する姿勢を見せています。

地政学的リスクが広い世界に展開することで、今後はアメリカ経済にも影響があるものと見るべきで、より広い視野で市場を見通す必要がありそうです。

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