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物色テーマ:円高

為替、特にドル円相場は日本経済に大きく影響を及ぼす。国力を計る上では通貨が強い(=高い)方が良いとされる。しかし日本では円高は景気下落のシグナルで、円安を求める傾向が強い。

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トヨタの営業利益は1円変動で400億円動く

トヨタの営業利益は1円変動で400億円動く

もちろん円高で利益を受ける業種・企業もあり、それらが「円高メリット株」と言われる。象徴的なのは輸入業種で、石油元売りやガソリン販売など原油関連、紙・パルプを輸入する製紙業界、肉や大豆、トウモロコシなど輸入品を使う食品メーカーや外食産業、海外で生産した製品を売る安売り小売業。また、海外旅行が割安になるので旅行会社や航空会社、さらに近年では海外の企業や資産の買収が有利になることから、企業の合併・買収(M&A)関連も円高メリット株とされる。

ただ実際には、製紙メーカーのように「円高になると顧客から『原料調達費が安くなっているから、値下げしろ』と言われ、むしろ業績にはマイナス」と話すところもある。業績と株価が決して合致しているわけではない。

相場的にはむしろ、企業個々の円高の影響は「為替感応度」、つまり1円の円安もしくは円高で、年間幾らの影響が出るかで測られることが注目される。1ドルに対して1円の為替変動で、トヨタの営業利益は400億円動くという。今期トヨタは1ドル105円に設定。1ドル100円だと、それだけで2000億円の減益要因となる。

近年の為替動向を振り返ると、2012年には80円台だったが、野田首相(当時)が衆院解散を宣言すると円安が進み、翌年1月には90円台を回復。その後もグングン円安が進むが、2015年6月の125円85銭をピークに円高に転じ、2016年9月には一時的に100円台を記録。11月には円安に転じたが、今年に入ると再び円高傾向を示している。

おわりに

3月期決算企業の今2018年3月期業績予想の前提条件は1ドル110円が主流で105円が次。日経平均は110円よりも円高に向くと下落、円安に向くと上昇という傾向が出ている。日経平均と為替の相関関係は強い。

主な円高関連銘柄
銘柄 コード ポイント
日本製粉 2001 製粉業界最古参、国内2位。加工食品やバイオ関連など多角的に業務展開。アジア市場にも進出
三井製糖 2109 製糖国内最大手。三井物産系、新三井製糖など3社合併で発足。「スプーン印」は知名度高い
あさひ 3333 大規模自転車専門店を直営中心に展開、ネット通販も。PB比率6割弱、中国、台湾へ生産委託
日本製紙 3863 旧王子製紙のうち十條製紙を継承、2001年大昭和製紙統合。製紙国内2位、うち洋紙1位・板紙3位
昭和シェル 5002 石油元売り大手。太陽電池も。英蘭シェルに代わり筆頭株主になった出光興産との合併は難航
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