株の教科書.com

0

経営の安全性がわかる指標:連結余剰金

経営の安全性がわかる指標:連結余剰金

株の知識レベル:

連結余剰金は企業の財務状況を確認する上で、欠かせない投資指標です。その名の通り、剰余金や税引き後利益を計上する科目になります。具体的には、連結全体の自己資本から資本金と資本準備金を指し引いた金額を明記します。以前は、連結余剰金を判断するときに、連結貸借対照表と連結損益計算書を結合、相殺する機能がある、連結余剰金計算書を確認していました。しかし、現状は企業会計のシステムの変更もありその限りではありません。

単体分析ではなく、連結で分析することが投資効率アップのポイント

最近の上場企業の特徴を見てみると、ホールディングス制を敷いている企業が非常に多いと言えます。いわゆる持ち株会社ですね。ホールディングスの傘下にさまざまな企業がぶらさがっている仕組みを取りますから、企業業績を単体で判断することはナンセンスです。よって、企業会計も、連結で判断することが非常に重要と言えるのです。

単体での経営活動のみを分析すると投資判断を誤る可能性がある

体での経営活動のみを分析すると投資判断を誤る可能性がある

ホールディング会社の仕組みを採用している企業においては、企業単体で経営活動を分析することは非常に危険です。例えば、ホールディングA社の企業業績はよくても、B社の企業業績が悪い場合もあります。あくまでも、投資判断するときには連結での分析がポイントなのです。一概には言えませんが、ホールディング会社を上場させるときは、親会社を上場させることが一般的です。連結子会社のA社の業績が良くても、上場の親会社の株価が下がってしまうケースも多々あるので、単体ではなく連結での分析が重要。余剰金についても連結剰余金を確認することが重要と言えるのです。

余剰金の意味と種類を知ることが重要

そもそも余剰金とはどのような資金のことを言うのでしょうか。まずは、余剰金の意味を知ることが重要です。余剰金と言えば、利益剰余金を思い浮かべられる方も多いと思います。貸借対照表の純資産の部、貸方の下部に記載される項目です。厳密には純資産から資本金を差し引いた金額が余剰金と言います。もちろん、この金額が大きければ大きいほど、設備投資に回せるお金は増えて、経営の自由度も高まります。また、余剰金の積み上がりは、財務健全性の観点からもポジティブに判断されます。特に、利益剰余金が継続的に積み上がっている状況であれば、経営状況も盤石な証拠です。財務面、経営面共に好調な企業であると言うことが分析できます。

余剰金は利益剰余金と資本剰余金に大別できる

余剰金は利益剰余金と資本剰余金に大別できる

剰余金は利益剰余金と資本剰余金に大別できます。利益剰余金は、会社に残った利益であり、経営活動の結果を読み解く上で、非常に重要な指標と言えます。資本剰余金は株主からの出資金に起因する剰余金です。剰余金それぞれの源泉の違いについては、基礎知識として必ず押さえておきましょう。

連結余剰金は連結財務諸表で確認する

連結財務諸表とは、ホールディングス傘下すべての企業業績を総合的に勘案した財務諸表です。具体的には、連結貸借対照表、連結損益計算書、連結余剰金計算書、連結キャッシュフロー計算書で構成されます。連結財務諸表を確認することで、グループ会社全体の企業業績を判断することができます。単体ではなく連結の経営結果を表す材料なので、連結余剰金についても連結財務諸表で確認することができます。

連結余剰金計算書は廃止されている

現在は、連結剰余金計算書の作成が廃止されています。そのため、投資初心者には株主資本の変動を知ることは非常に難しい作業と言えるでしょう。2005年(平成17年)の会社法改正を境に、配当金の支払額や資本金の額を変動させる負担は小さくなりました。基本的には、株主総会や取締役会等でこれらを変動させることができるようになったので、期中の剰余金の増減に連続性がなくなってしまったのです。その後、余剰金計算書に変わり作成を求められた、株主資本等変動計算書を見ることで、資本金や余剰金の数値を詳しく確認することができます。

まとめ

投資初心者にとって、連結余剰金まで確認することは至難の業でしょう。たとえベテラン投資家だったとしても、会計を学んだことがある方を除いて、なじみのない知識だと思います。もはや、余剰金は連結剰余金計算書で簡単に確認できる時代ではありません。財務諸表分析では、貸借対照表や損益計算書等の代表的なものの見方を覚えることが先決です。連結余剰金の確認は、プラスアルファの付随知識程度の認識で問題ないでしょう。連結余剰金の分析に固執しすぎることはありません。企業の安全性は貸借対照表の純資産の部や、株主資本比率でも確認できます。その他の安全性判断材料を総合的に勘案しながら、財務の健全性分析をするようにしましょう。

札幌で働く元証券マンのファイナンシャルプランナー。専門分野は株や投資信託を用いた中長期での資産形成。
趣味はスポーツ全般で小、中、高と野球部に所属。また、米国への留学経験があり、海外スタートアップ事情にも精通。
総合評価
(0)
Pocket